2021年4月9日厚労委員会 非正規への同一支給 法逃れ告発「指導せよ」
宮本徹議員は9日の衆院厚生労働委員会で、中小企業にも施行されたパートタイム・有期雇用労働法の運用を逃れようとする動きを告発し、指導を求めました。
4月1日から、正規と非正規の均等待遇を定めるパート有期法が中小企業に対しても施行されました。いくつかの職場では、正社員に支給されている精勤手当や物価手当を基本給に組み込み、非正規労働者への同一支給を免れようという動きが出ています。
宮本氏の指摘に、厚労省の坂口卓雇用環境・均等局長は「正社員のみに支給される手当を廃止しても、法の適用を免れるものではない」と答弁。田村憲久厚労相も、法違反があれば「是正指導も含めて対応する」と応じました。
以上2021年4月26日付赤旗日刊紙より抜粋
≪2021年4月9日 第204回衆院厚生労働委員会第10号 議事録該当部分抜粋≫
○とかしき委員長 次に、宮本徹君。
○宮本委員 日本共産党の宮本徹です。質問をいたします。まず、同一労働同一賃金について、この四月一日から中小企業についても適用が開始される、パートタイム・有期雇用労働者法の改正の適用が始まります。ところが、幾つかの職場では、正社員に支給されている精勤手当だとか物価手当、こうしたものを基本給に組み込むということで非正規労働者への同一支給を逃れようとする動きが出ている、こういう話を伺いました。こうした法の潜脱は、私は許されないと思うんですね。これは実態を調査して、指導すべきじゃありませんか。大臣に。
〔委員長退席、長尾(敬)委員長代理着席〕
○坂口政府参考人 お答え申し上げます。個々の事案についてのお答えは差し控えさせていただきますけれども、一般論といたしまして、パートタイム・有期雇用労働法におきましては、基本給、賞与、諸手当など全ての待遇について正社員と非正規雇用労働者との間の不合理な待遇差や差別的取扱いが禁止されております。このため、正社員のみに支給される手当を廃止して基本給に組み込んだとしても、それをもって同法の適用を免れるものではありません。基本給における均等・均衡待遇ということが求められるということとなります。すなわち、基本給として待遇差を見て、不合理性があるやなしやということを見ていくということで、職務の内容、あるいは職務の内容、配置の変更の範囲、その他の事情、このその他の事情には、労使交渉の経緯といったようなもののうち、当該待遇の性質及び目的に照らして適切と認められるものを考慮して、不合理な相違を設けてはならないということで判断をしていくというものでございます。法の履行の確保のためには、私ども都道府県労働局におきまして管内の企業の状況を確認しております。法違反が確認された場合は、助言、指導等を適切に行ってまいりたいと思います。
○宮本委員 法違反があれば指導していくので、そういういろいろな手当をこの際基本給に入れちゃって逃れようというのは駄目なんだというのが今の趣旨だったと思うんですけれども、それなのにやられているという話も聞くわけですね、労働組合ルートなんかでは、私。これはちゃんと、そういうのは事実上の脱法行為ですよ、許されないですよという周知徹底をかなりこの段階でやらなきゃいけないと思うんですが、それを是非大臣にお願いしたいんですけれども。
○田村国務大臣 周知は、今まで、施行される前もずっとやってまいりました。今も話がありましたとおり、労働局、それぞれ管内を持っておりますので、管内企業に関してはそういう状況を見つけ次第対応していますし、場合によっては、いろいろな情報を仕入れるだけじゃなくて、端緒等々、なかなか言えないわけでありますが、そういうものがある中において、管内の企業に対しては是正指導等々も含めて対応しておるということであります。
○宮本委員 当然、是正指導。だけれども、周知してきて、実際起きているわけですから、改めてこの段階で、それは明示的に、こういう、この際、正社員だけに出ていた手当を基本給に入れちゃおうということで逃れようという、今回の同一労働同一賃金の法改正の適用を逃れようというのは駄目ですよと、明示的に、是非啓発していただけませんかというお願いをしておりますが。
○田村国務大臣 基本給、賞与、手当、それぞれにおいて、やはりこれはしっかりとした、正社員と非正規社員の間で均等・均衡待遇をしていかなきゃならないということでございますので、それははっきりと、この場をおかりいたしまして、私の方から再度申し上げたいというふうに思っております。
○宮本委員 徹底的に、こうしたことは許されないんだという立場で臨んでいっていただきたいと思います。~以下略~