性暴力被害 防衛省認める 告発の元自衛官に直接謝罪

 元陸上自衛官の五ノ井里奈さんが自衛隊内で受けた性暴力被害を告発した問題で防衛省は29日、国会内で会見し、セクハラと性暴力の事実を初めて認め、五ノ井さんに直接謝罪しました。
 防衛省の認定した内容は▽所属部署での日常的な性的発言・性的身体接触▽2020年秋の複数の隊員からの性的な身体接触▽21年6月の性的な身体的接触・発言▽同年8月の複数の男性隊員からの押し倒し・性的身体接触、その行為の口止め▽中隊長が大隊長に報告と事実関係の調査を実施しなかったこと―など。
 今後の対応として、懲戒処分の手続きを進め公表することや、確認した事実の捜査機関への通報、有識者会議での新たなハラスメント対策の抜本的見直しなどを挙げました。
 謝罪を受けた五ノ井さんは「最初から調査をしていればよかった。認めるのが本当に遅い。加害者に直接謝罪に来てほしい。今後このようなことが二度とないように、根本的に改善してほしい。直接謝罪が来るまで、あきらめず前を向いて取り組みたい」と涙を流しながら語りました。
 日本共産党の本村伸子、宮本徹両衆院議員が同席しました。
 昨年8月に受けた性暴力被害に関し、検察審査会は今年5月、加害者を不起訴処分と判断。これに対し五ノ井さんは実名で被害を告発。8月31日に第三者委員会による徹底調査を求めた10万5000人を超える署名とセクハラ・パワハラアンケートを防衛省に提出し、同省への批判の声が広がりました。これを受け同省は6日、セクハラ被害について特別防衛監察の実施を表明。7日には検察審査会が不起訴不当と判断するなど、五ノ井さんの勇気ある告発と世論の力で防衛省を追い詰めていきました。

以上2022年9月30日付赤旗日刊紙より抜粋