田園調布リニア工事差し止め訴訟第5回口頭弁論
JR東海のリニア中央新幹線(東京・品川ー名古屋間)建設工事が生活環境を壊すとして東京都大田区とい世田谷区の住民24人が原告となり、同工事の差し止めを求めた訴訟の第5回口頭弁論が4日、東京地裁(高木勝己裁判長)でありました。
同工事は、東京、神奈川、愛知の都市部の大深度地下(地表から40メートル以深)に直径14メートルのトンネルを掘る計画です。大深度地下法に基づき、地権者の同意や事前の補償を不要としています。
意見陳述で原告団長の三木一彦さん(65)=大田区田園調布=は「住民に無断で住宅地の下にトンネルを掘る暴挙は許されない」と力を込めました。
三木さんは、東京外環道の大深度地下トンネル工事で陥没事故が起きたことに「(リニア工事でも)同様の被害が生じるのではないかと恐怖を抱いた」と強調。「取り返しのつかない悲惨な事故が起きる前に、一日も早く差し止めの判断を」と述べました。
JR東海は昨年10月、品川区でシールドマシン(掘削機)による調査掘進に着手しましたが、50メートルほど進んだ地点で停止。強固な土を掘りやすくするための添加剤注入設備が故障し、半年間も中断しています。
原告側の梶山正三弁護士は「JR東海が裁判所に提出した書面は、シールドマシンが動かなくなったことに全く触れていない。工法が技術的に確立していないことを認めるべきだ」と指摘しました。
国会内で開かれた報告集会には、日本共産党の宮本徹衆院議員が参加しました。
以上2022年10月5日付赤旗日刊紙より抜粋