2023年4月21日 衆院厚生労働委員会 PFOS、住民の健康調査を 宮本氏

配付資料 出典:消費者庁資料
配付資料 出典:厚生労働省提出資料
配付資料 出典:東京都ホームページ

 日本共産党の宮本徹議員は21日、衆院厚生労働委員会で、国民への健康被害が懸念されている有機フッ素化合物=PFOS、PFOAへの対策について質問しました。
 米国環境保護庁(EPA)は3月24日、水道水中のPFOS、PFOAの上限を1リットルあたり4ナノグラムとする規制値案を発表しました。厚労省の佐々木昌弘生活衛生・食品安全審議官は、日本国内の水道では、589の測定地点中63地点で米の規制値案を超えていると明らかにしました。
 宮本氏は、米の規制値案を基準とすれば、かなり深刻な汚染だと指摘。日本の暫定目標値は1リットル当たり50ナノグラムだが、予防原則にたって水質基準を厳しく定めるべきだとして、米国を参考にするのかと質問。佐々木審議官は「専門家の意見もうかがい検討する」と答えました。
 宮本氏は、東京都多摩地域では住民が独自に血液検査を行っており、国は大規模な血液検査、健康調査を行うべきだと要求。加藤勝信厚労相は「どの程度の血中濃度でどのような健康影響が生じるか明らかでないので、まず国内外の科学的知見を収集し、専門家の意見を踏まえながら必要な検討を進めていきたい」と答弁しました。
 宮本氏は「明らかでないからこそ、大規模に疫学調査をやる必要がある」と主張しました。

以上2023年4月25日付赤旗日刊紙より抜粋

≪2023年4月21日 第211国会衆院厚生労働委員会第10号議事録≫

○三ッ林委員長 次に、宮本徹君。
○宮本(徹)委員 日本共産党の宮本徹です。まず、食品衛生基準行政の消費者庁への移管についてお伺いいたします。コロナ本部の決定にある文言で、販売現場におけるニーズ等の規格基準策定に係る議論へのタイムリーな反映が可能となる、こういう文言があるんですけれども、この文言を起案したのは、どの省庁のどの部署なんでしょう。
○佐々木政府参考人 お答えいたします。まず、昨年の六月に政府対策本部決定……(宮本(徹)委員「いいです、そこはいいですから」と呼ぶ)はい。端的に申し上げます。この文言がどのような検討過程でということで、そこの点について手短に申し上げます。内閣官房、消費者庁、厚生労働省において、食品衛生基準行政についての検討が行われたものでございます。
○宮本(徹)委員 ですから、起案はどの部署なのかと聞いたんですけれども。
○佐々木政府参考人 起案と申しますか、まず、少なくとも検討過程は先ほど申し上げたとおりです。その上で、最終的には、昨年九月二日に政府コロナ本部決定という形に至ったものでございます。
○宮本(徹)委員 販売現場におけるニーズを基準の策定、規格の策定に反映させると。販売現場のニーズというのは、食品メーカーとか流通メーカーだとか、こういう話になってくるわけですよね。食の安全の基準というのは、やはり科学的根拠に基づいてやるのが基本であって、こういう食品メーカーとか流通メーカーのニーズを反映させていくというのは、ちょっといかがなものなのかと思うんですよね。厚労省の食品基準審査課と国際食品室が、今度移管されると聞いています。そして、消費者庁に行くわけですけれども、それぞれの民間企業からの受入れ状況について教えていただけますか。
○佐々木政府参考人 今月一日時点の数字で申し上げます。国際食品室の定員五名中一名、食品基準審査課の定員四十三名中五名が民間企業からの受入れ職員という状況です。
○片岡政府参考人 お答え申し上げます。消費者庁におけます民間企業からの職員の受入れ数につきましては、令和四年で三十三名となってございます。
○宮本(徹)委員 消費者庁は四百五人の職員ですから、三十三名、八%ぐらいが、一割弱の方が民間企業からの出向、いわゆる天上がり。資料を配っておりますけれども、食品大手も少なくないわけです。そして、厚労省の食品基準審査課、今、四十三名中五名というお話がございましたが、この五名は医薬品メーカーということでよろしいんですか。
○佐々木政府参考人 お答えいたします。食品基準審査課に着任している五名ですけれども、医薬品メーカーからの職員の受入れもございます。
○宮本(徹)委員 五人全員が医薬品メーカーということで聞いているわけですね。国際食品室の方が食品メーカーという話なんですね。それで、今回、販売現場におけるニーズ等の規格基準策定に係る議論へのタイムリーな反映が可能になるということで、こういうメーカーの皆さんの意見を規格基準策定に反映させる、これを大きな目的として消費者庁に移管される。そうすると、今度消費者庁に新設される食品衛生基準審議会があるわけですけれども、ここにメーカー代表者が参加をして食の安全がないがしろにされる、こういうことが起こりかねないんじゃないかと思いますが、いかがですか。
○佐々木政府参考人 お答えいたします。まず、食品の安全は、我が国においては、国際的に共通のリスク分析の考え方に基づいて、国際動向や国民の意見に十分配慮しつつ科学的知見に基づいて確保することとしております。このことは食品安全基本法に規定されているところでございます。この考え方に基づいて、現在、食品の規格基準等の策定に当たっては、リスク評価を行う食品安全委員会、リスク管理を行う厚生労働省、厚生労働省の中でも薬事・食品衛生審議会の食品衛生分科会が、それぞれの役割分担を踏まえて科学的知見に基づいて調査審議を行うことで食品安全の確保を図っております。ですので、消費者庁に移管した後も、科学的知見に裏打ちをされている、このことを考えますと、先ほど、現在は厚生労働省の食品衛生分科会で検討していると申し上げましたが、この法案では、消費者庁に食品衛生基準審査会を設置することとしております。ここで科学的知見に基づいて食品衛生基準行政に関する調査審議を行うこととしております。こうしたことによって、委員御懸念の点が払拭されるように取り組んでまいりたいと考えております。
○宮本(徹)委員 その食品衛生基準審査会に、今回のコロナ本部の決定に書かれた文言からいくと、食品メーカーの代表者らがどんどん参加するという事態は起きないんですか。
○佐々木政府参考人 お答えいたします。まず、現在の厚生労働省の食品衛生分科会での委員構成を申し上げます。この分科会につきましては、現在、二十二名の委員で構成されております。ここでの議論の中では、食品メーカーに在籍する委員も二名おります。この観点ですけれども、食品メーカーは、食品を供給する立場からリスク管理の役割を担っております。そこで、審議会での議論において、食品を供給する立場からのリスク管理、この立場からの得られる知見も重要であることから、現在、この二名が入っているという状況でございます。
○宮本(徹)委員 いや、現在の二名の話を聞いているんじゃないんですよね。このコロナ本部の決定で、販売現場におけるニーズを基準策定に反映させるなんてことを書いているから私は聞いているわけですよ。そういう観点よりも、もっと違うメーカーの意向が反映させられていくんじゃないかということを私は懸念しているわけですね。そのことについてお答えがないというのは大変不安ですね。食の安全がないがしろにされる懸念、拭えないと思います。次に、水道についてお伺いをしたいと思います。先ほど来議論がございますPFASですね。私ども東京の多摩地域の住民の血液検査で、六割の方から、アメリカのアカデミーが昨年八月に公表した臨床ガイダンスの基準値を超えるというものが確認されているわけです。暴露源は主として水道と考えられるとされております。そういう中で、阿部さんからも紹介がございましたけれども、アメリカのEPAは三月十四日に水道水のPFOA、PFOSの規制値案を発表しまして、それぞれ一リットル当たり四ナノグラムということなんですね。現在、この四ナノグラムという値を超えるPFOA、PFOS、日本では何都道府県、何か所で検出されているんでしょうか。
○佐々木政府参考人 お答えいたします。令和二年度の水道水におけるPFOS等の検出状況については、測定地点数、五百八十九地点ございます。このうち、PFOS及びPFOAの濃度の合計値が八ナノグラム・パー・リッターを超過している地点数は六十三地点ございました。委員、委員長よろしければ、先ほど、販売現場におけるニーズの……(宮本(徹)委員「いいです、ちょっともう時間がないので」と呼ぶ)承知しました。
○宮本(徹)委員 六十三か所ということで、五百八十九か所調査したうち六十三か所ですから、もしアメリカの規制値を採用するとしたら、一割以上は超えているということになるわけですよね。私、これはかなり深刻な、アメリカの規制値を基準にすれば深刻な汚染というのが今の現状だというふうに思います。アメリカが今回こういう規制値を発表したのは、この規制値案でいけば、数千人の死亡を防ぎ、数万人の病気を防ぐことができるということで、かなり厳しく見ている数値を立てているわけですけれども、やはり日本でも予防原則に立ってしっかり水質基準を決めていくということが大事だと思うんですけれども、当然、このアメリカのEPAの規制値の程度を考えていくということでよろしいんですか、大臣。
○佐々木政府参考人 お答えいたします。まず、現在、我が国では、令和二年四月から、PFOS及びPFOAの水質管理目標設定項目と位置づけて、数値を設定しているところでございます。一方で、委員御紹介のとおり、先月、米国環境保護庁、EPAが新しい規制値案を公表いたしました。WHOにおいても既に昨年の秋にガイドライン値案が提案されているところでございます。それぞれの数値は現在ばらついてはいるものの、私ども厚生労働省としては、本年一月に、水質基準逐次改正検討会において、このPFOS及びPFOAの取扱いについても検討を行ったところでございます。今後も、引き続き、こういった毒性評価等に関する国内外の科学的知見の収集ですとか、我が国における先ほど御紹介した検出状況等の把握に努めて、専門家の御意見も伺い、検討を進めたいと考えております。
○宮本(徹)委員 やはり予防原則に立って考える、ここは、そういう原則に立って厳しく考えるというのが基本だということでよろしいんでしょうか。
○佐々木政府参考人 お答えいたします。当然、こうした数値の設定においては、今委員御指摘の予防原則の点も含めて、また、それに基づく様々なデータを基にして評価を行って、その評価を行った上での数値の設定という流れを取るものと考えております。
○宮本(徹)委員 私は、本当に厳しくしっかり規制値は定めていっていただきたいと思うんですね。問題は、今回の法案では、環境省が水質基準を省令で定めるときは国土交通大臣の意見を聞かなければならないとされているんですね。そうすると、国土交通大臣というのはどういう観点から水質基準に意見を言うことになるんでしょうか。
○松原政府参考人 お答えいたします。水道事業者が水質基準を遵守し、水道事業が適正に実施されるためには、水質基準は、水道に関する技術や水道事業者の状況等を踏まえつつ、適切に制度設計されることが必要であると考えております。このような観点から、国土交通大臣は、環境大臣に必要な意見を述べることを想定をしております。
○宮本(徹)委員 その水道事業者の状況ということを考えた場合に、いや、そこまで厳しい規制値にしたら、とてもじゃないけれどもお金がかかって大変だよ、こういう意見を国土交通省サイドから言うことになるんじゃないですか。結局、命を守るべき基準を緩めようという横やりが挟まれることになるんじゃないかということを私は大変懸念をしております。その上で、PFOS、PFOAに関わって大臣にお伺いしたいことがあるんですけれども、今回、多摩地域の皆さんが住民の血液検査というのをやっているわけですけれども、京都大学の先生なんかにも御協力いただいてやっていますけれども、これは、本当は国や行政にやってもらいたいということでずっと言っていたんですよね。ところが、やってくれないから自分たちでやっているという状況なんですね。本来ならば、国として、PFOS、PFOAの影響について大規模な血液検査、健康調査というのを行うべきではないかと思いますが、大臣、いかがですか。
○加藤国務大臣 その前に、さっき、販売現場におけるニーズと、供給者側だけのお話をされましたけれども、需要者、消費者側を踏まえた、こういったこともあって、かつての食肉の生食、これに対する対応などもその例だということをまず申し上げておきたいというふうに思います。その上で、PFOS、PFOAについては、先ほども答弁させていただきましたけれども、免疫系や肝臓等への有害な影響の原因となり得ることが指摘されておりますが、どの程度の血中濃度でどのような健康影響が生じるかについては現時点では必ずしも明らかではないということでございますので、まずは、PFOS、PFOAの毒性評価に関する国内外の科学的知見の収集、我が国の水道水におけるPFOSの検出状況の把握に努め、専門家の御意見を踏まえながら、必要な検討を進めていきたいと考えております。
○宮本(徹)委員 いや、明らかでないからこそ、やはり大規模に疫学調査的にやる必要があるんじゃないかと私は思うんですよね。厚労省は命と健康を守る部署ですから、是非真剣に検討していただきたいというふうに思います。あと、本当は一問目に、本法案の立法事実はあるのかなというのを伺いたいと思っていたんですけれども、その辺りはかなり前半で議論されていましたけれども、感染症対策の強化というときに、大臣の負担が軽減されるんだというお話が初めに加藤大臣からありました。大臣の負担軽減は非常に大事なことだと思いますけれども、やるんでしたら、私は、厚生省、労働省と、そういうところでどんと分割すれば、本来、大臣の負担は軽減されて、感染症対策に注力できるんだと思うんですよ。その厚生省と労働省をくっつけた巨大官庁にしたまま、本来一体にやった方がいいところを切り分けていくというのは非常に問題があるということを申し上げて、今日は、終わりの合図が来ましたので、終わりにさせていただきます。