人権・平和のための協力を 日弁連・弁政連と共産党懇談

 日弁連、日本弁護士政治連盟(弁政連)と日本共産党との懇談会が18日、東京都内で行われ、岸田政権の大軍拡や国会で強行される悪法の数々、司法・法曹界の課題など多彩なテーマで意見交換しました。主催は弁政連。
 日弁連から小林元治会長と15人の副会長、事務総長らが、弁政連から菊地裕太郎理事長らが出席。共産党から志位和夫委員長、小池晃書記局長、田村智子副委員長、穀田恵二国対委員長ら10人の衆参国会議員が参加しました。
 菊地理事長は、さまざまな政策課題で日本の将来が不透明だと指摘しつつ、「多くの人権課題について共産党とは認識が一致している。人権・弱者保護という視点で力を発揮してほしい」とあいさつ。小林氏は、広島県で主要7カ国首脳会議(G7サミット)が開かれることに触れ、「ウクライナ侵略以降、法の支配という国際秩序が揺らいでいる。平和な国際社会をどう構築していくのか、共産党には国内外で発信してほしい」と語りました。また、統一協会の被害者救済の問題にも言及し、実効的な救済の仕組みを考えていく必要があると強調しました。
 日弁連は、えん罪被害者の一刻も早い救済のために「再審法」改正を要望。刑事司法改革の課題として「証拠開示の制度化」「検察官抗告の禁止」が提起されました。
 志位氏は「えん罪の問題では日弁連が42年間がんばり、袴田(巌)さんの再審開始が決まった。提起を実現するために力を合わせていきたい」と述べました。
 志位氏は、岸田政権の進める敵基地攻撃能力の保有と大軍拡について、「昨年12月に日弁連が出した意見書も一つの足掛かりにし、国会論戦に取り組んできた。全国各地で生まれている大軍拡反対の運動を発展させていきたい」と表明。平和の対案として、党の提言「日中両国関係の前向きの打開のために」を両国政府に手渡して会談したことも紹介し、「超党派で取り組んでいくべき課題として重視していきたい」と語りました。
 また、国会で次々に悪法が強行される中で、入管法改悪案をめぐり、若者を中心に多くの人々が声をあげていると指摘。政府案への対案を野党が共同提出したことを報告し、「改悪法案を阻止するために最後まで頑張り抜く。この問題でも協力を願っている」と述べました。
 日弁連は、法テラス利用者への裁判費用等の支援を給付制に転換すること、オンライン接見の権利化なども要望。小池氏は、制度の改善・充実に力を尽くすと表明し、「憲法の背骨が骨抜きにされるような動きが進められている。憲法を守る論戦に全力を尽くす」と決意を述べました。

以上2023年5月19日付赤旗日刊紙より抜粋(写真は赤旗提供)

※懇談には宮本徹議員も参加。写真手前右から2番目が宮本徹。