介護 負担増でなく改善こそ 7団体が政府要請 ヘルパーの回数減らした 施設は赤字・人手不足
介護保険の利用料負担増はやめて制度の改善をしてほしいと、介護関係の7団体は6日、厚生労働省で畦元将吾政務官に岸田文雄首相と加藤勝信厚労相あての要望書と署名を手渡し、要請しました。
厚労省の部会が、原則1割の利用料負担の対象者を削って2割負担を拡大するなどの負担増案を、先送りにしている問題で、参加者は要望書にある「2割負担、3割負担の対象者を拡大しないこと」を強く要請しました。
全労連の秋山正臣副議長は「厚労省がすすめようとしている制度の見直しに現場から不安の声があがっている。介護保険は創設以来、改悪が続いているが、利用者・家族・事業者が安心できる制度に改善してほしい」と述べました。
リモートを含む参加者は、すでに1割から2割に変更された利用者が週5回のヘルパーを2回に減らして家族介護に大きく頼る実例を示し、負担増の検討をやめるよう求めました。
また、電気料金の高騰で施設が赤字経営に陥っている状況や深刻な人手不足を訴え、国庫からの予算増額によって介護報酬を上げるよう要望しました。
畦元政務官は「大変だという意見は認識している」と応じる一方、負担増案の結論をだす時期について明らかにせず、制度見直しの検討はすすめる意向を示しました。
要請したのは、認知症の人と家族の会、21世紀・老人福祉の向上をめざす施設連絡会、守ろう!介護保険制度・市民の会、いのちと暮らしを脅かす安全保障関連法に反対する医療・介護・福祉関係者の会、全日本民主医療機関連合会、全労連、中央社会保障推進協議会の各代表ら。日本共産党の宮本徹衆院議員が同席しました。
以上2023年6月7日付赤旗日刊紙より抜粋