第8回中央委員会総会 政治を「もとから変える」日本共産党の躍進を

 日本共産党は24日、党本部で第8回中央委員会総会を開きました。志位和夫委員長が幹部会報告を行い、統一地方選の結果と教訓を明らかにするとともに、総選挙躍進に向けた政治方針と活動方針を提起し、来年1月の党大会までに「130%の党」をつくるという大事業をやり抜くことを呼びかけました。報告は党内通信とユーチューブで配信され、全国で視聴されました。総会は25日までの2日間。
志位氏は、統一地方選の結果について「議席の後退はたいへんに悔しい結果であり、その責任を痛感している」と表明。その上で、選挙戦の結果と教訓について四つの角度から語り、とりわけ、今回の統一地方選の結果を「日本共産党の封じ込めをはかる大逆流との生きた攻防のプロセスのなかでとらえる」――「政治対決の弁証法」の立場で到達点をつかむことを重点に置き報告しました。

統一地方選の結果と教訓

 志位氏は、「政治対決の弁証法」とは“党は前進するときも後退するときもあるが、くよくよしないで頑張ろう”というものではないと指摘。「支配勢力による攻撃といかにたたかってきたか。その中でどういう成長と発展のための努力をはかってきたか。この立場で到達点と展望を大局的につかむことが大切だ」と強調しました。
 日本共産党が2021年の総選挙で市民と野党の共闘体制をつくりあげ、政権交代に正面から挑戦する政治的な大攻勢をかけたことに対し、支配勢力は21年総選挙、22年参院選、23年統一地方選のそれぞれで激しい攻撃で応えたとして、「全党はそのどれに対しても冷静に果敢に立ち向かい、攻撃に屈せず大奮闘した」と指摘。こうした生きたプロセスの中でとらえれば、統一地方選の結果を踏まえての常任幹部会声明(4月24日)で示した「22年参院選・比例得票率からの前進」が「今後の前進・躍進にむけた足掛かり」となりうる重要な成果であることが一層浮き彫りになると述べました。
 その上で、一連の激しい攻撃に日本共産党が屈せず正面から立ち向かい大奮闘してきたことが、「党を鍛え、党にとって重要な成長のプロセス、発展の契機になりうるものであること――次の勝利を準備するものであることを全党の確信にして、次のたたかいにのぞもう」と訴えました。
 党の自力の問題については、選挙戦の全過程で自力不足が困難の根本的要因となり、党づくりが死活的な緊急課題であることが骨身にしみて痛感されたと指摘。同時に、この間の党づくりの努力が統一地方選でも力を発揮しつつあり、党づくりの面でも「今後の前進・躍進にむけた足掛かり」をつくっていると報告しました。
 さらに、全国から報告された今後に生かすべき選挙活動の新しい発展を語るとともに、党中央の選挙指導上の反省点についても述べました。

総選挙にむけた方針

 次いで志位氏は、総選挙に向けた政治方針と活動方針について報告しました。来たるべき総選挙は平和・暮らし・民主主義・人権などで国民の切実な願いが噴き出しているもとで、「日本という国のあり方が根本から問われる選挙になる」と語りました。
 総選挙の目標として、比例代表では「650万票、10%以上」を得て、すべての比例ブロックでの議席獲得・議席増を目指し、小選挙区では沖縄1区の議席を守り抜き、議席増を目指すとしました。また、市民と野党の共闘の困難な状況を踏まえ「今回の総選挙では、日本共産党を伸ばすことを最優先に置き、それに徹するたたかいをやり抜く」と表明。共闘の再構築のための可能な努力を行うと述べました。
 志位氏は、総選挙をどういう政治姿勢でたたかうかについて二つの点を述べました。
 第一は、国民の切実な願いと結びつけて、異常な対米従属・財界中心という日本の政治の二つのゆがみを「もとから変える」――日本共産党の綱領的値打ちを太く押し出した論戦に取り組むことです。自民党政治の行き詰まりのもとで、どの党も「改革」という言葉を連呼するが、一方でどの党も「こんなアメリカ言いなりの国でいいのか」「こんな財界のもうけ最優先の国でいいのか」という重要な問いかけには切り込まないと指摘。「日本共産党はこの二つのゆがみに正面から切り込み、『国民が主人公』の日本へと政治を『もとから変える党』である。この党を伸ばしてこそ、いま国民が持っている切実な願いを実現する道が開かれる――こうした訴えを太く貫き、総選挙をたたかいぬこう」と呼びかけました。
 加えて、「こんな人権後進国でいいのか」も大争点になるとし、この問題の根を断つ民主的改革を進める上でも日本共産党の果たす役割は大きいと強調しました。
 第二は、綱領と組織のあり方に対する攻撃を打ち破り、積極的支持者を増やす政治的大攻勢をかけることです。新しい日本共産党攻撃の焦点として、党の組織のあり方――民主集中制に対する「閉鎖的」「異論を許さない党」といった攻撃がされていることに対し、「民主集中制の一体どこが問題なのか」と反問しました。
 「民主」とは党内民主主義のことであり、「集中」とは統一した党の力を集めることだと語り、「この両方の要素は、国民に責任を負う近代政党ならば当たり前のことではないか」と指摘。実態は別として、どの党であれ行動の統一をルールとしていることも示し、「ましてや日本の政治の二つのゆがみを『もとから変える』ことを綱領に明記している日本共産党の場合、行動の統一はとりわけ重要だ」と述べました。
 さらに、「民主」と「集中」は対立するものではなく、どちらも追求してこそ、双方を豊かに実践することができると強調。政治的立場の違いを超え、日本共産党に対し「ブレない党」との評価が寄せられている根本には、確かな政治路線とともに、民主集中制に基づく党の統一と団結があるとして、党として「民主集中制を堅持し発展させることは、日本の社会進歩にとって大きな意義を持つことを胸をはって訴えていこう」と呼びかけました。
 日本共産党の指導部のあり方に関わって、「委員長の在任期間が長すぎるのが問題だ」という批判・攻撃についても正面から回答。「批判者たちは『長い』ことのどこが『問題』と言っているのか。結局、批判の中身は、『選挙で後退した』『党勢が後退した』というもの」だと述べ、攻撃の本質は、「日本共産党そのものに対する攻撃ではないか」と指摘しました。その上で、「この攻撃に対する最大の回答は選挙でも党勢拡大でも前進・勝利を勝ち取ることだ」と強調し、力を合わせて打ち破ることを訴えました。

「党勢拡大・世代的継承の大運動」のよびかけ

 志位氏は、7中総後の党勢拡大の到達を報告。7中総で呼びかけた「手紙」と「返事」の取り組みが党づくりの巨大な足掛かりをつくってきたと語り、「中央に寄せられた『返事』に学び、『130%の党』をつくる活動の強化方向を明らかにし、ともに前途を開いていく――この姿勢を堅持して報告を行いたい」と述べました。
 志位氏は、8中総から来年1月の党大会までの期間に「第29回党大会成功、総選挙躍進をめざす党勢拡大・世代的継承の大運動」に取り組むことを呼びかけました。その上で、「大運動」の四つの力点として、(1)毎月の前進をはかる党勢拡大の独自追求と全党からの「返事」に学んだ法則的活動を一体的に追求する(2)総選挙躍進を「大運動」のなかに太く位置付ける(3)7中総の「手紙」と「返事」のとりくみを文字通りすべての支部の運動へと発展させる(4)世代的継承――青年・学生、労働者、真ん中世代の党勢倍加、民青同盟の倍加を、すべての支部、党機関、議員団が特別に位置付け、党の総力をあげて実現する――をあげ、握って離さず成功させることを訴えました。
 あわせて、青年・学生分野の活動の抜本的強化をはかるために、8中総として「特別決議」を採択することを提案しました。
 その上で、どうやって「大運動」を成功させるかについて「その答えは全国から寄せられた『返事』の中にある」と指摘。(1)いかにして結びつきを広げるか(2)どうやって「入党の働きかけの日常化」をはかるか(3)いかにして全党員を結集し、新入党員の成長を保障する支部活動をつくるか(4)配達・集金の困難をどうやって打開していくか(5)「職場支部の灯を消したくない」との思いをどう生かすか(6)若い世代、真ん中世代の地方議員の役割――の六つの点を「返事」から学んで法則的活動の開拓を図ることを提起しました。
 ジェンダー平等、ハラスメント根絶を党活動・党建設でも重要な柱の一つと位置付けるとしました。
 最後に志位氏は、8中総から来年1月の党大会までの時期は、「日本共産党にとって命運がかかった歴史的な時期となる」と強調。「この時期に、いつ解散・総選挙となっても躍進できる準備を進めながら、近年ではやったことのない規模での党勢拡大の飛躍的なうねりを必ずつくりだし、『大運動』の目標を総達成し、第29回党大会を大成功に導こう」と呼びかけました。

以上2023年6月25日付赤旗日刊紙より抜粋(写真は赤旗提供)