朝鮮人・中国人虐殺100年 追悼 家族4人殺された 日本政府の隠蔽を告発
関東大震災における朝鮮人・中国人虐殺100年犠牲者追悼大会(実行委員会主催)が8月31日、東京都内で開かれました。韓国、中国から遺族が来日し、虐殺の真相解明と日本政府の責任を強く求めました。
日本で朝鮮人虐殺の被害者を追悼する活動を続ける一般社団法人「ほうせんか」理事の慎民子(シン・ミンジャ)さんがあいさつに立ち、在日外国人の生きづらさについて触れ、「“殺す”“殺される”といった恐怖をもう終わらせなければいけない」と訴えました。
在日中国人で関東大震災中国人受難者を追悼する会共同代表の林伯耀(りん・はくよう)さんは、「100年前、800人近い中国人が虐殺された。日本政府は、今に至るも賠償もしないばかりか、虐殺の事実すらも隠蔽(いんぺい)し抹殺しようとしている」と告発しました。
韓国から来日した権在益(クォン・ジェイク)さん(66)は、母方の祖父が現在の群馬県藤岡市で警察署に仲間とともに避難していたところ、押し寄せた自警団によって引きずり出され虐殺されました。「祖父は建設労働者として日本に出稼ぎに行っていました。38歳で、故郷に残っていた妻と幼い兄妹は“青天のへきれき”のように家族の柱を失った」とのべ、「日本政府に真相解明と謝罪、遺族への賠償を強く求める」と訴えると大きな拍手が起こりました。
中国からきた周江法(しゅう・こうほう)さん(77)は、祖父を含めた同郷の18人が虐殺されたと語りました。「天災からは逃れられたが人災からは逃れられなかった」と発言。青年団主体の自警団に祖父だけでなく、弟たちとともに家族4人が同一時刻に殺されたと強調しました。
専修大学教授の田中正敬さん、「メディアと民衆の責任」をテーマにノンフィクションライターの安田浩一さん、ヘイトスピーチを許さないかわさき市民ネットワークの崔江以子(チェ・カンイジャ)さん、9・1関東大震災朝鮮人犠牲者追悼式典実行委員会の宮川泰彦さんが報告。千葉、東京、神奈川などから事実を掘り起こし向き合う活動が紹介されました。
野党各党の国会議員も参加し、日本共産党からは小池晃参院議員、宮本徹衆院議員が出席しました。
以上2023年9月2日付赤旗日刊紙より抜粋