運賃上げたのに賃下げ 自交総連が告発 国交省「調査する」

 自交総連東京地連は16日、国土交通省と厚生労働省に対して、東京のタクシー運賃が引き上げ改定されたのに、運転者が賃下げされている実態を告発し、会社への是正指導を求めました。日本共産党の宮本徹衆院議員、坂井和歌子 吉良山添事務所長が同席しました。
 東京都23区・武三(武蔵野、三鷹両市)地区のタクシー運賃は昨年11月、普通車初乗りが420円から500円などに改定されました。関東運輸局の報道発表では「サービス向上や乗務員の労働環境改善のための運賃改定」と明記。国交省は改定増収率14.24%のうち8%を労働環境改善にあてるとしていました。しかし、運賃改定を機に賃下げするタクシー会社があらわれ、自交総連の各労組が関東運輸局に告発状を提出していました。
 宮本氏は、「売り上げに補正係数をかけて賃下げされている。対応してほしい」と強調。国交省の担当者は、「情報提供をいただき、今月末にもフォローアップを開始し、人件費の割合などを調査する」と回答。厚労省の担当者は、労働条件の一方的な不利益変更は認められないと指摘しました。
 飛鳥交通グループの男性は、「会社は、国交省とのやりとりで、(賃下げに)お墨付きをもらったと言っている」と追及。国交省の担当者は、「いいですよ、という話ではない」と否定しました。
 荏原交通の男性は、「調査の前提となる賃金がコロナ禍で減収となったときのものか、それ以前の賃金か明瞭ではない。告発してからアクションが遅い」と訴えました。

以上2023年10月18日付赤旗日刊紙より抜粋(写真は赤旗提供)