2024年5月8日 衆院厚生労働委員会 支援外れるのは問題 宮本徹氏 収入要件の対策必要

配付資料 年金給付額が増えることにより、住民税が非課税から課税になることで受けられなくなる主なサービス
配付資料 出典:厚生労働省統計より宮本徹事務所作成
配付資料 出典:厚生労働省ホームページ
配付資料 賃金増率が低い医療機関の分析
配付資料 賃金増率が高い医療機関の分析

 日本共産党の宮本徹議員は8日の衆院厚生労働委員会で、年金や賃金は実質減なのに、名目額の増加で、収入要件のあるさまざまな支援制度が使えなくなる問題への対応を政府に求めました。
 高額療養費の負担限度額の軽減や特養ホームのホテルコストの支援、大学等無償化・給付制奨学金の満額支援など、住民税非課税世帯が要件となっている支援制度は、医療、介護、教育など多岐にわたります。
 宮本氏は、物価高騰の中、住民税非課税世帯の所得の基準額を引き上げている自治体があるかと質問。馬場成志総務副大臣は「承知していない」と答弁しました。
 宮本氏は、マクロ経済スライドの仕組みにより、年金は名目額が上がっても実質削減で、実質賃金も24カ月連続マイナスで生活は厳しさを増しているとして、「生活が厳しいのに経済的支援が受けられなくなるのは問題だ」と指摘。さまざまな制度の収入要件の基準を引き上げるなど、政府全体で対策をとることが必要ではないかと迫りました。
 武見敬三厚労相は「政府全体で考えながら、それぞれ各省庁、所管の中で議論を進める」と述べるにとどまりました。

以上しんぶん赤旗ホームページネット配信記事より

≪2024年5月8日 第213回国会衆院厚生労働委員会第18号議事録≫

○新谷委員長 次に、宮本徹君。
○宮本(徹)委員 日本共産党の宮本徹です。ちょっと質問の順序を変えてやります。この間、年金の額が増えて困っているという話を聞いたんですね。なぜかというと、年金の額が、今まで住民税非課税世帯だったのが、課税ラインになっちゃうという話だったんですね。結構そういう方も多いんだという話もお伺いしました。配付資料にありますように、住民税非課税世帯というのが要件になっている制度というのはたくさんあります。医療費の高額療養費の負担限度額も課税、非課税で大きく違います。入院時の食費、居住費、介護保険の高額介護サービス費の負担限度額も違う、特養などのホテルコストも違う。高額医療・高額介護合算制度など、多くの制度が住民税非課税世帯なら負担軽減がある、あるいは負担軽減の幅が大きいということがあるわけですね。さらに、資料の裏面、二ページ目を見てもらえばいいんですけれども、これは年金世帯じゃないですけれども、子育て世帯で見ても、ゼロから二歳の保育料の無料化、高校生等奨学給付金制度、高等教育の修学支援新制度の満額支援も住民税非課税世帯が支援のラインとなっています。義務教育の就学支援制度についても、七四・一%の自治体が住民税非課税を基準としているということなんですね。総務省にお伺いしますけれども、この二年余り、物価高騰、賃上げが進んでいる、また、年金額も、実質的には減っているんですけれども名目額は引き上がっているわけですが、こういう中で、住民税非課税世帯になる所得の基準額を引き上げている自治体というのはどれぐらいあるんですか。
○馬場副大臣 お答えします。個人住民税の非課税限度額制度は、できるだけ多くの住民がその能力に応じて広く負担を分かち合うという個人住民税の地域社会の会費的性格を踏まえつつも、特に低所得者層の税負担に配慮するため、所得金額が一定の水準以下である者については非課税としておるところです。具体的には、所得割については、生活保護基準額……(宮本(徹)委員「制度の仕組みはいいですから、どれぐらいあるかだけ答えてください」と呼ぶ)はい。最終的には、均等割については、生活扶助基準額を勘案して国が定めた金額を参酌して、各地方団体の条例で基準額を定めることとされており、足下の令和五年度の基準額について、前年度から引上げを行った団体は承知しておりません。
○宮本(徹)委員 引き上げているところはない、知らないと。ないのか知らないのか、今の答弁ではちょっと分からないんですけれども、ということなわけですね。先ほど言いましたけれども、年金世帯でいえば、マクロ経済スライドの仕組みがありますから、増えているといっても、実際は目減りしているという状況なわけですね。生活は厳しさを増している。だけれども、名目額が引き上がっているために、住民税課税世帯になることによって、医療や介護、様々な負担増になっているわけですね。こういうものに対しての対策というのが必要じゃないかと思うんですけれども、総務省と厚労大臣、双方にお伺いしたいと思います。
○武見国務大臣 住民税非課税世帯のみならず、低所得者の方々への配慮措置といたしまして、保険料の軽減措置、それから所得に応じた自己負担、利用者負担の上限額の設定を行っております。例えば、国民健康保険や後期高齢者医療制度におきまして、住民税非課税の所得基準を少し超えたとしても、住民税非課税世帯と同様の保険料軽減、これは均等割の軽減を受けることができるようになっております。引き続き、こうした負担能力に応じて支え合うという観点から、低所得の方々に対する必要な負担軽減を行ってまいりたいと考えます。
○馬場副大臣 委員御指摘の医療、介護を始めとした様々な制度の負担の在り方については、各制度の所管省庁においてそれぞれ適切に御判断をいただくものと考えております。
○宮本(徹)委員 ちょっとどういう答弁なのかな、そう思ったんですけれども。まず、総務副大臣にお伺いしますけれども、住民税非課税世帯の所得ラインを引き上げるように自治体と協議するとか、そういうことというのも、こういう物価も賃金も年金も上がる局面ではあるんじゃないかと思うんですけれども、いかがですか。
○馬場副大臣 今の御指摘である、基準を引き上げるというようなことにつきましては、条例で定める基準額は各地方団体が地域の実情に応じてそれぞれ判断されるものであること、個人住民税は地域社会の会費的な性格を有することなどを踏まえると、極めて慎重な検討が必要であると認識しておるところであります。
○宮本(徹)委員 何で慎重なのかがよく分からないんですよね。協議すればいいじゃないですか。だって、実際は生活水準は厳しくなっているわけですよね。それはお分かりですよね。生活は厳しくなっているのに住民税課税になっちゃうという事態が起きているわけですから、これをどうにかしようというのは本来自治体と一緒になって考えなきゃいけない話だと思いますよ。
○池田政府参考人 お答え申し上げます。先ほど副大臣から申し上げましたとおり、個人住民税の均等割の非課税限度額でございますけれども、これは、法律によりまして、生活扶助基準額を勘案して国が定めた金額を参酌して、地方団体の条例で基準額を定めることとされておりまして、この生活扶助基準額というのがデフレの時代に下がり傾向にあったんですが、個人住民税の非課税限度額は据え置いてきたものですから、実は、今段階で申し上げますと、生活扶助基準額よりも非課税限度額のラインの方が上にある、こういう状況にあるということでございます。
○宮本(徹)委員 じゃ、その基準そのものを、考え方そのものを改めた方がいいんじゃないですか。私は生活扶助基準額を引き上げるべきだと思いますけれども、それはそれでまた生活保護の議論になりますから。これはどちらですか。
○池田政府参考人 お答え申し上げます。先ほども申し上げましたとおり、個人住民税は地域社会の会費的な性格を有しております。ただ一方で、生活保護を受ける方並みの収入しかない方にまで負担を求めるのは、それは非常に難しかろうということで、この制度を設けてございます。
○宮本(徹)委員 ですけれども、実際、困る方が増えているわけですよね。今まで住民税非課税だった方々は、生活が厳しくなっているのに、課税になって医療や介護の負担が増えていく。どう考えてもこれはおかしいと思うんですよね。これは局長さんじゃなくて政治家が判断しなきゃいけない話ですから、是非御検討ください。
○馬場副大臣 再三のお話でありますけれども、各制度の所管省庁においてそれぞれ適切に御判断いただくものと考えております。
○宮本(徹)委員 ちょっとどうにもならない答弁ですね。これはちょっと与党の皆さんからも是非声を上げていっていただきたいと思いますね。今日は、文科省、あべ副大臣にも久しぶりに厚労委員会に来ていただきまして。同じように、教育関係も所得ラインでいろいろな支援制度が決まっているわけです。これは住民税非課税世帯に限らない、いろいろな制度もあるわけですけれども、賃金が上がると、物価が上がっていなければそれはいいんですけれども、実際は二十三か月連続で実質賃金は低下という中で名目賃金が上がっていることによって、支援の額が小さくなったり、支援が受けられなくなるという事態が起きている。これは対応を考える必要があるんじゃないかと思いますが、いかがですか。
○あべ副大臣 宮本委員にお答えいたします。文部科学省といたしましては、これまで幼児教育、保育の無償化、義務教育段階の就学援助制度、また高等学校等の就学支援金による授業料の支援と高等教育の修学支援新制度など、学校の段階の全体を通じた教育の無償化、負担軽減に取り組んできたところでございます。その上で、例えば高等教育費に関しましては、これまで対象となっていなかった中間所得世帯に関しましても、本年度から多子世帯及び理工農系への拡大を行うなどの取組を進めているところでございまして、引き続き、教育費負担の軽減を着実に進めていきながら、その実施状況、効果を検証しながら教育費の負担軽減に取り組んでまいります。以上です。
○宮本(徹)委員 それは上に広げたという話で、現に、高等教育の無償化では満額支援、住民税非課税世帯レベルだと。そこを最低賃金が上がったことによって超えた、だけれども物価には賃金は追いついていない、生活は厳しくなっているのに支援額は低くなるということがいろいろな問題で起きているんですよ。(発言する者あり)政府全体で考えるべきだと田村元厚労大臣から声が上がりましたので、これは政府全体で考えるという方向でちょっと、武見大臣、閣僚の中で少し問題提起していただけませんか。
○武見国務大臣 税、保険料を含めた負担と給付の問題というものについては、これは常に政府全体で考えながら、それぞれ各省庁、所管の中でまたさらに負担と給付についての議論を進めるという、こうした構図になってくるわけでございます。その中でしっかりと両者のバランスが取れるように、そしてまた持続可能性が高まるように努力をしていきたいと思います。
○宮本(徹)委員 そういう話を聞いたわけじゃないんですけれども、田村さんからも是非声を上げていただいて、よろしくお願いしたい。与党からも是非声を上げてください。これは本当に大変な事態が社会で起きている。うなずいている与党の議員の皆さんもいますので、超党派で取り組んでいきたいと思います。総務省と文科省、ここまでで、御退席していただいて結構でございます。続きまして、介護保険の利用限度額についてお伺いしたいと思います。認知症の人と家族の会の方の調査では、在宅介護サービスを利用する際に、利用限度額近くまでフルに使っている人が三九%、さらに限度額を超えて利用している人が一三%もいたということで、利用限度額基準の引上げは待ったなしの課題だというお話を伺いました。配付資料の三ページ目につけておりますけれども、これは認知症の方に限らず、居宅サービス給付について、支給限度額に占める平均費用額の割合がどうなっているのか。制度発足から大きく上がっているわけですね。要介護五でいえば、四九・三%から六六・九%に上がっております。そして下が、利用者に占める支給限度額を超えている者とほぼフル利用の者の合計の割合も、制度発足時から倍ぐらいに上がってきているということなんですね。これはちょっと、下の方はかなり粗っぽい試算なんですけれども。ちょっと厚労省にお伺いしたいと思いますが、こういう実態があると思うんですけれども、その原因についてはどう分析されているんでしょうか。
○間政府参考人 お答えいたします。委員御案内のとおり、介護保険においては、同じ要介護度であっても利用者のニーズは多様でありますので、一定の枠内で合理的にサービスの選択をし、生活に密着したサービスを公平に利用いただく観点から、要介護度別に区分支給限度額を設けております。その中で、最近伸ばしておりました処遇改善加算とかあるいは離島等に対する特別地域加算などは、区分支給限度基準額には含めない扱いとしてございます。その上で、まず、事実として、お尋ねの、介護サービスの利用者のうち区分支給限度基準額九〇%以上一〇〇%以下の単位数を給付されている方の割合は、先ほどの処遇改善加算を除いたものでございますが、二〇二〇年三月サービス提供分で一〇・五%、二〇二三年四月サービス提供分、約三年後でございますが、九・七%でございます。また、区分支給限度基準額を超えて一部自費で介護サービスを利用されている方の割合は、二〇二〇年三月サービス提供分で二・二%、二〇二三年四月サービス提供分で一・五%でございます。ちなみに、制度が施行されて二年後の二〇〇三年三月では二・二%でございます。なお、認知症の方に限ったデータは、要介護の中に含まれておりますので、それは承知していないところでございますが、こうしたように、近年、必ずしも御指摘のような方の割合が増えているとは認識をしていないところでございます。
○宮本(徹)委員 近年ということを聞いていないんですね。私、制度発足時からという話をしたんですけれども、何か全然違うところのお話をされているんですけれども。
○間政府参考人 失礼しました。今委員御指摘の点は制度発足から二年後のところでございますので、その間からもう二倍以上に利用者も増えているということで、制度が定着する中で利用が進んできたという面があるんだろうというふうに思います。その上で、今年は介護保険施行二十五年目、四半世紀を迎えるわけでございますけれども、そういった中で、定着する中では、この三年間の状況を見ますと、先ほど申し上げたような状況にあるということをお答えしたところでございます。
○宮本(徹)委員 制度が定着したから、フルに使う人が増えたというのが政府の分析なんですかね。それだけですか。
○間政府参考人 先ほど申し上げましたとおり、区分支給限度基準額につきましては、この間のいろいろな社会経済状況の変化もあるわけですが、とりわけ、今喫緊の課題になっております処遇改善などについては、この限度額に含めない形になっています。そういった中での御利用ということであれば、そのサービスが、提供してくださる方が、事業所も増えて、その御利用が進んだということが第一の原因だというふうに考えています。
○宮本(徹)委員 処遇改善加算以外の加算はかなり増えていますよね。支給限度額にカウントする加算もたくさん増えているというのが一因としてあるんじゃないですか。
○間政府参考人 お答えいたします。政策改定に関わるような加算の関係は、それを行うときには、必要な見直しも行って、そこの財源も確保しながら改善すべきものは改善するというような、凸凹をちゃんとつけながら、めり張りをつけながらやるということになっておりますので、新たな加算を充実してきたのは事実でございますけれども、それによって直ちに何か増えたということだけではないというふうに、そこが一番の理由ではないというふうに思っています。
○宮本(徹)委員 一番の理由じゃないということは、それも理由に入っているということをお認めになった答弁だというふうに思います。大体十年前ぐらいですかね、支給限度額についての厚労省の様々な分析されている資料も見ましたけれども、その中でも、様々な加算が、支給限度額目いっぱいになる、あるいは超える方が出てくる一つの理由だということで、いろいろ紹介されていますよね、これも。私はそういうのを見た上で質問しているわけですから、ちゃんと厚労省のこと、書かれていることは答えていただきたいと思うんですよね。私は、制度発足時から考えて、様々な加算をつくってきた、処遇改善加算は確かにカウントはしないですけれども、その他のいろいろな加算があることによって、実態として、同じサービスを使っている人でも、支給限度額いっぱい、あるいは超えてしまう、こういう事態が起きている。限度額を超えると一〇〇%自己負担ですから、負担は大変ですから、そうすると、そこを超えないようにということで、必要なサービスを我慢するということも起きてしまうわけですね。ちょっと、近年余りやっていないと思うんですけれども、支給限度額が介護サービスを必要としている方の実態に合っているのかという調査を是非やってほしいと思うんですよね。先ほどの局長の答弁を聞いていると、どうもちょっと、過去のものを調べているのかなという心配もありますので。どうでしょうか、大臣。
○武見国務大臣 この点に関しましては、まず、介護保険の区分支給限度基準額というものそのものが、要介護度ごとに標準的に必要と考えられるサービスの組合せ等を勘案して設定しているものでありますから、この点、実際にその施行状況について、既に各種のデータがございますので、それらをきちんと注視しつつ、地域において適切な介護サービスが安定的に提供されるように、実態を踏まえて対応をしていきたいと考えます。
○宮本(徹)委員 事業者だとか関係団体の聞き取りなんかもしっかり是非やっていただきたいと思います。十年前にはそうした調査もやっていると思いますので、お願いしたいと思います。次のテーマに行きます。看護師等の賃上げについてお伺いしたいと思います。先日、朝日新聞で見ました世論調査で、国民が人手不足で不安になっている分野の一番が医療、介護、八〇%の国民が不安だと答えているわけであります。ちょっと一例として、国立病院機構の二〇二四年四月採用の、募集した看護師数と採用実績、充足率、数字だけ紹介してもらえますか。
○浅沼政府参考人 お答えいたします。国立病院機構の二〇二四年、令和六年四月の常勤の看護職員の募集人数は四千五百七十人、採用者数は三千三百六十一人、充足率は七三・五%でございます。
○宮本(徹)委員 簡潔な答弁、ありがとうございます。そういう数字で、七割台ということで大変充足率も低いわけですね。人手不足を解消していくためには、労働条件の改善が非常に重要になっていると思うんですね。今年は、診療報酬改定で二・五%のベースアップをやるんだということで政府はやってきたわけですけれども、日本医労連、この分野の労働組合の全国団体に昨日段階で春闘の回答状況を聞きましたら、ベースアップは平均で一・六七%だという話でございました。厚労省として把握していますか。
○伊原政府参考人 まさに今回の賃上げにつきましては、改定による措置のフォローアップの仕組みで適切に把握することにしております。具体的には、今月より開始しましたベースアップ評価料の届出の際に賃金改善計画書の提出を求めておりまして、今後、それを踏まえて収集、分析をしたいと考えております。
○宮本(徹)委員 現状は把握されていないわけで、これから把握するということなんですけれども、春闘の状況ぐらいは是非把握をしておいていただきたいと思うんですね。なぜ上がらないのかということで、幾つかあるんですけれども、一つは、ベアではなくて手当で対応している医療機関があるというんですよね。なぜかと聞くと、厚労省の資料で、令和六年度の診療報酬改定では、賃上げに向けた取組として特例的な対応を行いますというのがあるわけですけれども、この特例的な対応の意味が二年限りの対応だというふうに読まれているんじゃないか。その後続いていく保証がないのならということで、ベースアップじゃなくて手当で対応している、こういう医療機関が一定あるという話を伺っております。二〇二四、二〇二五年度以降も、ベースアップした分はその後の診療報酬改定でも保証される、こういうことをちゃんと医療機関に明示的に示す必要があるかと思うんですが、大臣、端的にお答えをお願いします。
○武見国務大臣 診療報酬については、二年に一度の改定時に、その時点の医療費や物価、賃金の動向、医療機関等の収支や経営状況、保険料などの国民負担、それから保険財政や国の財政に関わる状況等を踏まえることから、現時点で、令和八年度診療報酬の内容、そこまで今申し上げることはできません。ただ、一般論として申し上げると、今般の診療報酬改定による賃上げが確実に実施されて、またそれが継続されるということが大変重要だというふうに考えております。
○宮本(徹)委員 何かそれだと本当に心配になっちゃうんですけれども。ちゃんとこの分は続くんですよとやはりちゃんと言わないと、一回上げたら下げられないですからね、医療機関は。(発言する者あり)続きますと。さっきから田村元大臣は外野からわあわあ言うんですけれども、政府がちゃんと言わないと医療機関に伝わらないですよ。そこはしっかり田村さんからも意見を出してください。最後ですけれども、もう一つ、診療所では、二・五%の賃上げにならないという声がたくさんあるんですね。配付資料の次のページに載せておきましたけれども、政府のシミュレーションを見ましても、二・五%に行かない、二%未満のところもたくさんあるわけですね。ですから、例えば、病院と診療所の両方を持っている法人からは大変苦悩の声が上がっております。私は、医療現場での追加の賃上げ支援策がなければ、例えばこうした診療所と病院を持っているようなところでは二・五%の賃上げになかなかならないんじゃないかと思うんですけれども、大臣、いかがでしょうか。
○新谷委員長 武見厚生労働大臣、簡潔にお願いいたします。
○武見国務大臣 はい。今般の令和六年度の診療報酬改定では、賃上げの対応として、ベースアップ評価料の新設のほか、初再診料や入院基本料等の引上げなどを行うとともに、入院時の食費の基準額を引き上げるなど、医療機関の経営にも配慮した対応を行っているところでもございます。これを着実に施行してまいりたいと考えているところであります。
○宮本(徹)委員 それでは二・五%にはなりませんので、政府としてもちゃんとつかんでいくということをおっしゃっていますので、つかんだ上で、二・五%になっていないということが分かったら、その段階で追加の支援策を是非具体化していただきたい、そのことを強く申し上げまして、質問を終わります。