関東大震災 朝鮮人・中国人虐殺101年追悼集会 記憶埋もれさせない

 関東大震災時における朝鮮人・中国人虐殺から101年となるのを前に、犠牲者追悼大会が31日、東京都の文京区民センターで開かれました。韓国、中国から遺族や関係者が駆けつけるなど、会場には約450人が集まりました。主催は関東大震災朝鮮人・中国人虐殺100年犠牲者追悼大会実行委員会です。
 献花と黙とうの後、犠牲者の遺族として韓国のチョ・グァンファンさんが登壇。祖父の兄が関東大震災惨殺されたことを話しました。「祖父の兄は両親と妻、娘息子を残して東京に行っていた残された家族は帰りを待っていた。知らせてくれた人は近所に住んでいた人で、虐殺は逃れたものの、後頭部に大きな傷を受け、事件トラウマを抱えて一生苦労した」と語りました。
 「今もどこでどのように殺されたのか、資料も探せずわからないまま」で、記憶が埋もれてしまうことを懸念するチョさん。「私たちがこのような追悼行事を続けていくことが大事だ」と訴えました。韓国政府にも虐殺の実態を明らかにするよう求めています。
 中国人犠牲者の遺族を代表して周松権さんは、「中国人は800人近くが虐殺の犠牲になった。計画的な虐殺がおこなわれた。日本政府に何度も不満を表明し、実態を明らかにするよう求めてきた」と20年以上の運動を振り返りました。「昨年日本の外務省と交渉したが、黙ったままだった。憤りを感じた。悲劇を二度と繰り返さないために未解決の歴史問題を解決していくことを求める」と述べました。
 「関東大震災の虐殺にいたる歴史的な構造」と題して山田朗明治大学教授が講演。ジャーナリストの有田芳生氏がヘイトクライムとレイシズムについて、関東大震災朝鮮人虐殺の国家責任を問う会事務局長の田中正敬専修大学教授が国家責任追及の課題について講演しました。サンフランシスコ「慰安婦」正義同盟の金美穂さんがアメリカでの活動を報告しました。
 群馬の森追悼碑を守る会・共同代表の川口正明さんが特別報告をしました。日本共産党の宮本徹衆院議員があいさつしました。

以上2024年9月1日付赤旗日刊紙より抜粋