年金削減、介護の危機、医療改悪をくいとめ、高齢者の人権と尊厳を守るための緊急提言 発表

 日本共産党の山添拓政策委員長は26日、国会内で記者会見し「年金削減、介護の危機、医療改悪をくいとめ、高齢者の人権と尊厳を守るための緊急提言」を発表しました。宮本徹衆院議員が同席しました。
 50%から60%へ引き上げる▽へき地や不採算部門を担う介護事業所・施設経営を国と自治体で支える▽高齢者いじめの医療費窓口負担増をやめさせると紹介。「この提言は、危機的状況が進むもとでの処方箋だ」と強調しました。
 山添氏は、この夏の物価高と年金の実質削減により、電気代を苦にエアコン使用を控え熱中症で亡くなる高齢者が相次いだと指摘。「フードバンク」など食料支援の利用者も急増していると、高齢者の深刻な実態を告発しました。
 さらに山添氏は介護保険制度について、ホームヘルパーの人材不足と経営悪化で介護事業所の撤退・廃業・倒産が続出し、今年度の訪問介護の基本報酬削減で事業所が1カ所もない市町村が出ていると指摘。介護制度の危機が進んでいると述べました。
 75歳以上の高齢者の医療費窓口負担については、年収200万円以上の人の窓口負担が2割に引き上げられ、深刻な受診抑制が起きていると指摘。「年金、介護、医療という高齢者の暮らしを支える基盤の崩壊に各地で悲鳴のような声が上がっている」と強調しました。
 山添氏は政府が7月に発表した年金財政検証は、現在6万8000円の国民年金の実質的価値について40歳の人が65歳になると月5万2000円、20歳の人が65歳になると月4万8000円に下がるとしていると指摘。年金・介護・医療の機能不全は現役世代にとっても他人事(ひとごと)ではないとして、自身が17歳の高校生から「自分の年金はどうなりますか」と質問された経験にふれ「高齢になったときの年金が保障されない現実が将来不安をかき立てている。高齢者になっても人権と尊厳が守られ、人間らしい暮らしが送れるようにすることは政治の責任だ」と主張しました。
 山添氏は、公的年金は東京を除く46道府県で県民所得の10%以上を占め、26県で家計消費支出の20%以上を占めていると述べ「この社会保障を削ることは地域経済と消費に大打撃だ」と指摘。「来たる総選挙でも高齢者の人権と尊厳を守る政治に転換しようと大いに訴えたい」と強調しました。

以上2024年9月27日付赤旗日刊紙より抜粋