2018年4月11日 衆院国土交通委員会 危険な訓練禁止に
日本共産党の宮本徹議員は11日の衆院国土交通委員会で、米空軍横田基地(東京都福生市など5市1町)そばの東京都羽村市の中学校敷地に、米軍のパラシュートが落下した事故(10日)を追及しました。
宮本氏は、「昨年11月には30キロの貨物のパラシュートが外れて落下している。パラシュート降下訓練、物資投下訓練を人口密集地でやること自体が間違いだ」と批判しました。
山本朋広防衛副大臣は、「米側から地方協力局長に謝罪があり、事故原因を確認するまでパラシュート降下訓練を行わないと連絡を受けた」と答弁。訓練中止は、横田基地周辺だとしました。
宮本氏は、「大臣や政務三役で抗議しないのか。局長レベルですませば、また同じことが繰り返される」と指摘。「まったく同じパラシュート落下事故は1週間前に沖縄・伊江島で起こっている。日本全土で中止させるべきだ」と強調しました。山本副大臣は「米側が事故原因の確認をするのを待つ」と繰り返すだけでした。
宮本氏は、「パラシュート降下訓練は二つのパラシュートを着け、今回のような事故をもともと想定している。禁止すべきだ」と迫り、航空法で禁止されている物件投下などについて、米軍を適用除外としている航空法特例法を「廃止すべきだ」と求めました。
以上2018年4月12日付赤旗日刊紙より抜粋
≪2018年4月11日 第196回国土交通委員会第8号 議事録≫
○西村委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。質疑を続行いたします。宮本徹君。
○宮本(徹)委員 日本共産党の宮本徹です。冒頭、一点申し上げたいと思います。先ほど、公明党の委員から、前回の我が党の宮本岳志議員の質問に抗議なるものが表明され、訂正と謝罪が求められました。しかし、前回の配付資料は、神戸市議会の公表された議事録であり、事前の理事会で了承された上で配付されたものです。宮本岳志議員は、この議事録をみずからの議論の助けとして積極的に引用したのであって、この市議を攻撃する意図で紹介したものではありません。本日の理事会で公明党の理事の方からこの点について意見は出されましたが、謝罪は求められていないとのことです。突然、議事録に残る委員会の場で要求することは極めて奇異なことだと言わなければなりません。我が党は、そのような要求には断じて応じられないということを申し上げておきたいと思います。質問に入ります。きのう、米軍横田基地そばの羽村第三中学のテニスコートに米軍のパラシュートが落下をいたしました。米軍によると、降下訓練中に絡まったパラシュートを切り離したものだということです。一歩違えば大惨事ということです。横田基地では二〇一二年以降、頻繁に米軍のパラシュート降下訓練そして物資投下訓練が行われるようになっております。そして昨年十一月十五日には、物資投下訓練で三十キロもの貨物がパラシュートから外れて落下するということもありました。人命が失われかねない事故が相次いでおります。この間のオスプレイ飛来で皆さんも御存じのとおり、横田基地は人口密集地の真ん中にあります。住宅密集地の真ん中でパラシュート降下訓練や物資投下訓練をやること自体が、根本的に間違っていると言わなければいけないと思います。きょう、防衛副大臣に来ていただきましたが、これは米軍に厳しく抗議されたんでしょうか。そして、パラシュート降下訓練や物資投下訓練は中止させるべきではないですか。
○山本副大臣 お答え申し上げます。きのう、四月十日、東京都羽村市立羽村第三中学校へ米軍のパラシュートが落下した件でございますが、本件は、学校関係者を始め周辺住民の皆様に御心配をおかけする、あってはならないことであると認識をしております。米側からは、今回の件を重く受けとめ、在日米軍副司令官から防衛省の地方協力局長に対して連絡がありまして、事実の報告、そして謝罪がありました。また、局長からは副司令官に対して、今回の件に関してしっかりと対応をしてもらって、再発防止を徹底するようにと強く申し入れました。本日になりまして、それを受けて米側から、今回の事故原因が確認されるまではこのパラシュートの降下訓練は行わないという連絡を受けたところであります。この連絡は関係自治体にも報告をしてございます。本件による被害は幸い生じていないと承知をしておりますが、いずれにしましても、米軍の運用に当たって地域住民の方々の安全確保は大前提であり、事件、事故はあってはならないものであります。安全の確保については、最優先の課題として日米で協力し、引き続き取り組んでまいりたいと思っております。
○宮本(徹)委員 これは地方協力局長が抗議しただけですか。沖縄で先日事故があったときは大臣もみずから抗議されたと思いますが、政務の皆さんは米軍に対して、中学校にですよ、こういうものが落下したことに対して抗議もされないんですか。
○山本副大臣 副司令官から連絡がありまして、謝罪があった、そのときに局長から強く申し入れたというのが事実関係でございます。
○宮本(徹)委員 ですから、局長レベルで抗議して済ませていると、また同じことを繰り返されますよ。ちゃんと政務として対応すべきじゃありませんか。
○山本副大臣 繰り返しになって恐縮でございますが、局長と副司令官のやりとりの中で、米側から謝罪があり、局長が申入れを行い、それがきのうのことでありますが、本日になり米側から、しっかりと原因を確認をする、それまではパラシュートの降下訓練を中止するという連絡がございました。これが今の段階の事実関係でございます。
○宮本(徹)委員 これだけ私が何度も政務三役として抗議すべきだということを言っても、抗議しようともしない。何でそんなへっぴり腰なんですか。事故原因が解明されるまで訓練中止というのは、これは横田の話ですか、日本全土の話ですか。
○山本副大臣 横田の件であると承知をしております。
○宮本(徹)委員 なんでそうなるんですかね。実は、今回と全く同じ事故が一週間前に沖縄で起きております。つい一週間前の四月三日にも米軍は、伊江島でパラシュートを切り離して落下させる、今回と全く同じことをやっているわけです。飛んでいったのは、横田のC130を使って沖縄で訓練をやっていたわけですよ。同じことが一週間で二回起きているわけですよ。大体、このままでは本当に大惨事が起きますよ。日本全土で訓練は中止させるべきじゃありませんか。
○山本副大臣 お答えを申し上げます。先ほども申し上げましたけれども、米側が、事故の原因について確認をするという連絡を本日してきましたので、どういった事故の原因があったのか、米側がしっかりと確認をするという作業を我々としてはしっかりと待って、どういう確認作業をしたのかということを今まさに我々は待っているという状況であります。
○宮本(徹)委員 なぜ横田以外でも訓練はやめるべきだということが言えないのか、さっぱりわからないですよ。本当に日本国民の安全を守る、これが防衛省の本来の役割でしょう。日本国民の安全を守るんだったら、事故原因は究明されていないので横田ではやめますが、ほかではいいです、そんな論理は成り立たないじゃないですか。事故原因が究明されたとしても、大体、こういう事故は起きることがそもそもパラシュート降下訓練は想定されているわけですよ。だから二つのパラシュートをつけているわけですよ。一つが開かなくても、予備のパラシュートを使って降下するために二つつけているんですよ。もともとこういう事故は起きるというのを米軍は想定して訓練をされているわけですよ。そうである以上、私は、こういう訓練はやるべきでないということをしっかり求めていかなきゃいけないというふうに思いますよ。しかも夜間もやっているんですよ、パラシュート降下訓練は。石井大臣、航空法をよく御存じだと思います。航空法八十九条、「何人も、航空機から物件を投下してはならない。」九十条、「大臣の許可を受けた者でなければ、航空機から落下さんで降下してはならない。」とあります。ところが、米軍は航空特例法によってこうした適用が除外となっているわけですよ。この航空特例法については、やはり廃止しなきゃいけないんじゃないですか。いかがですか。
○石井国務大臣 通告のない突然の御質問でございますので、恐縮ですが、答える余裕がございません。
○宮本(徹)委員 我が党は一月にも赤嶺議員からその問題を予算委員会で提起をさせていただいておりますが、相次いでこういう事件が起きているわけですから、これは真剣に、国内法の改正でこうした訓練は規制できるはずです。ぜひ検討していただきたいというふうに思います。そして、CV22オスプレイの配備が通報されていますけれども、オスプレイも、横田基地でパラシュート降下訓練をやるということを米軍は数年前からもう通報しているわけですよ、横田に配備すればやりますよと。とんでもない話ですよ。横田へのオスプレイ配備の撤回を強く求めておきたいと思います。次に、森友問題についてお伺いしたいというふうに思います。一昨日、財務省は、あの例のごみの撤去についての口裏合わせについて、ごみの撤去費用は相当かかった気がする、トラック何千台も走った気がするといった言い方をしてはどうかと口裏合わせを依頼したことをお認めになりました。更にけさのNHKの報道では、この直前に近畿財務局の担当者が、ごみの撤去費用ははっきりしないなどと学園側が財務局側に報告する内容が記された文書をあらかじめつくり、学園側に署名を求めていた、また、財務省の職員が、籠池理事長がごみの撤去費用は一億円ぐらいなどと説明したとする新聞社の報道についても訂正を求めるよう学園側に依頼していた、繰り返し口裏合わせを行っていた、こういう報道がけさのNHKで流れました。これは事実ですか。
○富山政府参考人 お答えをいたします。御指摘の報道に関しまして事実関係を確認いたしましたところ、次のとおりでございます。昨年二月十四日、ごみ撤去費用一億円との報道がございました。この報道につきまして近畿財務局より森友学園に事実を確認いたしましたところ、ごみ撤去費用が一億円とは断言しておらず、全体としてはっきりしないとのことでございました。また、森友学園の弁護士は、この報道につきまして、記事を書いた記者に対して訂正依頼を申し出ていたということでございます。その後、こうした地下埋設物についての森友学園側の認識を明確に文書で確認しておこうと考え、二月十七日に、理財局が近畿財務局に依頼をして、それまでに聞いていた森友学園側の認識を記載した書面を作成して署名を求めたことがあったということでございます。これに対して森友学園側は、書面を残すと内容に全責任を負うということになり、口頭にしたいということでございました。以上が確認内容でございます。
○宮本(徹)委員 何のためにそういうことをしたんですか。
○富山政府参考人 お答えをいたします。まさに、地下埋設物についての森友学園側の認識というものを明確にしておこうという意図が、趣旨があったというふうに考えてございます。
○宮本(徹)委員 明確にしてどうしたかったわけですか。森友学園側から情報が発信されることが困るということがあったということですか。
○富山政府参考人 お答えをいたします。この報道についての確認という意味では、近畿財務局から森友学園側に事実確認をして、ごみ撤去費用が一億円とは断言していない、全体としてはっきりしないということは、口頭ではそうした確認を、近畿財務局は森友学園側から確認をしておったわけですけれども、その部分を明確にしておきたいという趣旨でこうした文書の確認という依頼をしたものと考えてございます。
○宮本(徹)委員 ごみ撤去費用ははっきりしないというのをなぜ明確にしておきたかったんですか。
○富山政府参考人 お答えをいたします。当方で事実確認をしている内容としては、繰り返しで恐縮でございますけれども、近畿財務局より森友学園に事実を確認し、ごみ撤去費用が一億円とは断言しておらず、全体としてはっきりしていないということを、当時、近畿財務局が森友学園から確認をしたということでございます。
○宮本(徹)委員 八億円の値引きを行ったという国会答弁に対してごみ撤去費用は一億円ぐらいだったということを発言したのに対して、一億という言葉だと国会での説明が成り立たないから、はっきりしないということで口裏合わせを求めたということなんじゃないんですか。
○富山政府参考人 お答えをいたします。今、委員の御指摘がございましたけれども、当方の確認といたしましては、近畿財務局から森友学園側に確認をし、ごみ撤去費用が一億円とは断言しておらず、全体としてはっきりしないという回答を森友学園からもらったという以上のことは、当方の事実確認でも確認ができていないところでございます。
○宮本(徹)委員 ですから、文章で当時の国会の議論を振り返ればわかりますけれども、森友学園側に、ごみ撤去費用一億円と言っていたのを取消しを求める、はっきりしないと言ってくれ、八億円の根拠を否定するようなことは言わないでくれ、そういう口裏合わせを依頼していたというのは明々白々ですよ。先日のNHK報道の、ごみの撤去費用は相当かかった気がする、トラック何千台も走った気がするといった言い方をしてはどうか、全部同じ流れの話じゃないですか。八億円のごみの値引きの根拠というのは、およそ国民に対して説明がつかないものだという認識を当時財務省の皆さんはお持ちであった。だから、こういういろいろな働きかけを森友学園側にしていたということですよね。それでもう一点お伺いしたいのは、財務省が森友学園側に対して虚偽の口裏合わせをお願いできると考えた根拠は何なんですか。普通は、悪いことを人に呼びかけるというのは、それは簡単にはできないですよ。何らかの、そういうことをやってもいい人だという根拠があったから虚偽の口裏合わせをお願いできると考えたんだと思いますが、その根拠は何ですか。
○富山政府参考人 お答えをいたします。先般、月曜日の決算委員会においても御答弁をさせていただいておりますけれども、根拠というところにつきましては、国会の答弁におきまして、当時、売却後でございますので、具体的な撤去の状況につきましては把握してございませんといった注釈はつけつつも、相手方において適切に撤去したというふうに聞いてございますとか、あるいは、適切に行ったというのは近畿財務局で確認してございますといった答弁をしていたところでございます。こうした状況のもとで昨年の二月二十日に理財局の職員が森友学園側の弁護士の方に電話で連絡をいたしまして、この今申し上げたような答弁との関係を気にしてということでございますけれども、森友学園が地下埋設物の撤去に実際にかけた費用に関しまして、相当かかった気がする、トラック何千台も走った気がするといった言い方をしてはどうかとの話があったというふうに我々としては認識をしているところでございます。
○宮本(徹)委員 聞いたことに一切お答えになっていないんですけれども、森友学園側に虚偽の口裏合わせをお願いしたわけですよ、財務省は。でも、普通の人と人との関係では、例えば私が富山さんに対して一緒に文書を改ざんしようよとか呼びかけようと思ったら、それは、事前にそういう関係がなければとても呼びかけられないじゃないですか。そういう関係が、財務省の側が森友学園側に口裏合わせをお願いできる関係というのは、いつ、何によってつくられたんですか。
○富山政府参考人 お答えをいたします。根拠というところについては先ほど御答弁させていただいたことと考えておりますが、そういった関係についての今の御指摘でございますけれども、学校法人の森友学園は、国有地の処分におけます売買契約の相手方でございました。基本的には、近畿財務局において必要なやりとりをし、協議を継続的に行ってきたところでございます。昨年の二月以降ということで考えますと、さまざまな報道が出る中で、連絡が必要であれば週末あるいは夜間といったようなこともございましたため、財務省本省からも相手方の担当弁護士であった方に必要に応じて連絡をすることがあった。そういう状況であったというふうに考えてございます。
○宮本(徹)委員 ですから、そういう連絡を普通にしているだけだったら、それはただの普通の連絡、やりとりする関係なんですよ。悪いことを一緒にやろうという関係は、普通に連絡しているだけではできないですよ。お互い悪いことをしようという共通の利益が、何らか、どこかの段階であったということなんじゃないんですか。
○富山政府参考人 お答えをいたします。先ほど来申し上げておりますように、森友学園側に事実と異なる説明を求めるという依頼をしたということでございます。一方で、そういった依頼について先方の森友学園側の弁護士の方は、この話を踏まえた対応はされていないというふうにも承知をしておりますので、ある意味で一方的に財務省側の方から、そういう、大変申しわけない、恥ずかしいことでございますが、そういった依頼をしたということだと認識しております。
○宮本(徹)委員 ですから、そういう恥ずかしいことを財務省の職員が、本当に考えられないようなことをやれる相手だと思ったわけですよ、森友学園は。どこでそうなったのか。私は、どう考えても、やはり、あの音声データに記されているところにこの関係が築かれた大もとがあると思わざるを得ないですよ。深いところにごみはない、こう言っているのに対して、国の側から、深いところにごみがあることにして八億円の値引きをしていった。そのところからこの共犯関係とも言える関係が築かれていったということだというふうに思いますよ。私は、この点、徹底的に調査すべきだと思いますよ。なぜこんなことをやったのか。どうですか。
○西村委員長 申合せの時間が経過しておりますので、簡潔に御答弁をお願いします。
○富山政府参考人 お答えをいたします。財務省といたしまして一定の確認をさせていただいて、国会でも御答弁をさせていただいているところでございますけれども、我々としましては、こういったことは本当に恥ずかしい対応だというふうに認識をしておりますし、こういったことがなぜ起きたかということについては、今後も何らかの形で新しい話が出た場合には、御報告させていただければと思います。
○宮本(徹)委員 時間になりましたので終わりますけれども、新しい話が出たらじゃないんですよ。毎日のように新しい話が出て、現在起きていることについて、なぜなのかという掘り下げを徹底してやっていただきたい。そのことを申し上げまして、質問を終わります。