2018年4月18日 衆院外務委員会 研究本部に南スーダン日報存在
防衛省は18日の衆院外務委員会で、陸上自衛隊の南スーダンPKO(国連平和維持活動)派兵部隊の「日報」が陸自研究本部(現・教育訓練研究本部)に保有されていることを初めて認めました。日本共産党の宮本徹議員への答弁。
山本朋広防衛副大臣は、特別防衛監察で「南スーダンPKOの日報は『過去の保有』にも『現在の保有』にも該当するものがあった」と明らかにしました。
南スーダンの日報をめぐっては昨年2月以降、日本共産党の笠井亮議員と宮本氏が陸自研究本部にあったのではないかと追及していました。昨年7月の特別防衛監察の結果でも、南スーダン日報が陸自研究本部にあったか存否を明らかにしませんでした。
今年4月5日に防衛省が公表した陸自研究本部が保有する日報一覧でも、カンボジア、ゴラン高原、東ティモール、ハイチなどのPKO日報が記載されている一方、南スーダン日報は記されていませんでした。
宮本議員は「昨年3月29日の外務委員会で陸自研究本部にないのかと質問をした。なぜ、あると答えなかったのか。虚偽答弁をしたのではないか」と追及。山本副大臣は、当時の若宮防衛副大臣の答弁について「全体としてはしっかりと答弁をしていなかった。曖昧な答弁になっていた」と弁明しました。
以上2018年4月20日付赤旗日刊紙より抜粋
≪2018年4月18日 第196回外務委員会第9号 議事録≫
○中山委員長 次に、宮本徹君。
○宮本(徹)委員 日本共産党の宮本徹です。BEPS防止措置実施条約について質問します。まず、PEの定義拡大について伺います。今国会で成立した二〇一八年度の税制改正では、国際課税の分野で、BEPSプロジェクトに従い、恒久的施設、いわゆるPEの定義を広げる改正が行われました。本BEPS防止措置条約にもその内容が含まれております。これまでは、商品の保管や展示、引渡しをする倉庫などはPEの対象外となっておりましたが、日本で活動する外資系企業の中には、PEに認定されない活動のみを行うことでわざと課税を回避する企業があり、特にネット通販企業に課税しにくいといった課題が指摘されてきました。改正後は、支店や事務所、工場などがなくても、事業の根幹を担う大規模倉庫があれば課税できるようになる、本内容についてはそういう理解でよろしいですね。
○吉田政府参考人 お答えを申し上げます。平成三十年度税制改正におきまして、BEPSプロジェクトの合意事項や、御審議いただいておりますこのBEPS防止措置実施条約の規定等を踏まえまして、PEの定義を国際的なスタンダードに合わせるための見直しを行ったところでございます。委員御指摘のとおり、物品の保管のみを行う場所でありましても、それが企業にとって準備的、補助的な活動ではなく、本質的な活動であると認められる場合におきましては、PEの認定上、課税し得るように規定を見直したというところでございます。
○宮本(徹)委員 しかしながら、アメリカはBEPS防止措置実施条約を保留しているため、本条約が発効され、日本の国内法が整備されたとしても、米国の企業には今回の改正は適用されない。つまり、インターネット通販業のアマゾンなどの米国企業に対しては、新たなPEの基準は適用されない、こういう理解でよろしいですね。
○飯島政府参考人 お答えいたします。BEPS防止条約を締結していない国、地域との二国間租税条約には、本条約の適用によるBEPS防止措置の導入は行われません。したがって、委員御指摘のとおり、BEPS防止条約を締結していない国、地域の居住者である企業には、本条約の適用により導入されるBEPS防止措置は直接には適用されないことになります。
○宮本(徹)委員 ですから、米国に対して、BEPS防止措置実施条約への参加、さらには日米租税条約の改正を求めていかなきゃならないわけですが、なぜアメリカはこのBEPS防止措置実施条約に反対しているんですか。
○河野国務大臣 アメリカは、BEPSプロジェクトに参加し、この交渉に参加していたものの、現時点で本条約には署名をしておらず、その理由は明らかにされておりません。BEPS防止措置はより多くの国が実施することで真価を発揮することから、日本としては、米国を含む本条約の未参加国に対して、国際会議の場などを通じて署名を呼びかけているところでございます。政府としては、引き続き、国際社会と協調し、租税回避の防止に向けて不断に取り組んでまいりたいと思います。
○宮本(徹)委員 なぜ参加しないのか、理由を明らかにしていないということなんですけれども、これはアメリカとの詰めた議論が行われていないということなんですか。
○飯島政府参考人 お答えいたします。米国は、BEPSプロジェクトに参加しておりますし、本条約の交渉にも参加してきておりますので、基本的な論点については米国も理解をしていて、これを米国として今いろいろと判断をしているところと承知しております。
○宮本(徹)委員 米国として判断しているところとか、理由は明らかにされていないというので、何か、聞いていると、詰めたやりとりをアメリカとやっているような雰囲気が感じられないんですけれども、河野大臣自身は、このBEPS防止措置実施条約へ参加すべきだと御自身がアメリカに対して働きかけたことというのは、どういうレベルでやられていらっしゃいますか。
○河野国務大臣 米国とはさまざまなレベルで働きかけをやっておりますが、私のレベルではやったことはございません。
○宮本(徹)委員 ぜひ大臣のレベルでも、もちろん、担当は麻生さんのところだとか、税務当局のレベルとか、いろいろなところでもやられると思いますけれども、日本そして世界が税収を大きく失っている大きな要因の一つが、やはりアメリカのIT、多国籍企業が租税回避しているという問題がありますので、ぜひ大臣のレベルでも働きかけをやっていただきたいと思いますけれども、いかがですか。
○河野国務大臣 大きな論点だと思いますので、しっかり検討していきたいと思います。
○宮本(徹)委員 しっかり働きかけていっていただきたいというふうに思います。それと、アメリカが参加を表明していないもとで、現状では、アマゾンのような米国企業に課税するためには、現条約のPEの定義を厳密に適用して課税していくということも私は重要だというふうに考えますが、その点、国税庁の認識をお伺いしたいと思います。
○金井政府参考人 お答え申し上げます。個別にわたる事柄についてはお答えを差し控えさせていただきたいと存じますが、国税当局といたしましては、恒久的施設、PEの存否につきましても、租税条約及び国内法令の規定に基づきまして、個々の納税者の実態を踏まえ、あらゆる機会を通じて情報収集を行い、課税上問題のある取引が認められれば、税務調査を行い、事実関係を見きわめました上で適正、公平な課税に努めているところでありまして、今後ともこれに努めてまいります。
○宮本(徹)委員 かつて国税庁は、アマゾンの子会社の倉庫については、これは課税できるPEに当たるとして追徴課税処分を出したことがあるわけですよね。ところが、アマゾンがアメリカに納税していると主張したことから、両国の税務当局による二国間協議に委ねられて、そして、日米当局間の協議の結果、日本にあるアマゾンの倉庫は米国アマゾンのPEと認定されなかった。そのことで、日本国内で米国アマゾンが上げている収益についても課税できなくなった。こういう経過があるわけですよね。ですけれども、当時国税庁が、課税しようとした当時ですね、厳密にPEの定義をやっていけば、アマゾンの国内の子会社の倉庫には、当時でもアメリカ関連会社のパソコンや機器類が設置され、米国側のメールによる指示を受けていたということですから、私は当時の国税庁の判断というのは正しかったというふうに思いますので、アメリカが本条約に参加しないもとでも積極果敢に、これは厳密にPEの定義を適用して取り組んでいっていただきたいというふうに思いますし、河野大臣も、国税庁がそういう判断で更に課税したときに、また二国間協議に持ち込まれる可能性もあるわけですけれども、やはり実体があるところでしっかり課税をしていくというのがこのBEPS防止措置実施条約の趣旨ですから、そういう立場に立って今後の二国間協議には臨んでいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○河野国務大臣 本来課税されるべき経済活動に係る税負担が課税されていないということは、租税に対する納税者の信頼を損ないかねない深刻な問題であるというふうに認識しておりますので、国際社会と協調し、租税回避の防止に向けて不断に取り組んでまいりたいと思います。
○宮本(徹)委員 ぜひよろしくお願いしたいと思います。それから、次の議題に移ります。今回も山本防衛副大臣に来ていただきました。毎回ありがとうございます。前回の質問の宿題です。自衛隊日報隠蔽問題で、出発点は南スーダンの日報隠しだと。昨年、我が党は、南スーダンの日報は陸自研究本部にあったのではないかとただしておりました。今回、陸自の研究本部からは、過去のPKO日報、カンボジア、ゴラン高原、東ティモール、ハイチなどが見つかった。ところが、なぜか南スーダンのPKO日報がないということになっているわけですよね。私は前回指摘しましたけれども、国会で問題になったのに合わせて捨てちゃったんじゃないのか、こういう疑いもあるわけですね。それで、改めて前回と同じ質問をさせていただきます。特別防衛監察で陸自研究本部にもあったことが確認されたということが先日答弁でありましたけれども、特別防衛監察の区分けでいうと、過去保有何人、現在保有何人とあるんですが、これは陸自研究本部にあったというのは、どっちに入っていたんですか、あるいは倉庫にあったんですか。
○山本副大臣 お答えを申し上げます。宮本委員御指摘の件でございますが、先般のこの委員会でも御議論をさせていただきました、特別防衛監察の結果の中で九ページに記載のある、陸上自衛隊における本件日報の保有状況の表のことを御指摘されていると理解しております。その表の中に、「その他の部隊等」において研究本部が含まれるという、その「その他の部隊等」は、前回のときにどういう部隊かというのはお答えを申し上げましたけれども、その中で、過去の保有のものと現在の保有のもの、どちらに入っているのかということでございますが、研究本部にありました南スーダンのPKO日報の問題ですが、過去の保有にもありましたし、現在の保有、いずれにも該当するものがございました。
○宮本(徹)委員 過去の保有にも現在の保有にもあったということだったわけですね、特別防衛監察だと。ということは、その時点で、これは三月三十一日時点での話ですよね、私は、一年前の三月二十九日に、陸自研究本部に日報があったんじゃないかという話をしましたけれども、そのときの答弁との関係というのはどう説明されますか。
○山本副大臣 お答えを申し上げます。お尋ねの件でございますが、昨年三月二十九日の外務委員会において、研究本部に南スーダンの日報が存在しているのではないかという御指摘をいただいた、その中で、ないというふうに答弁があるということの認識だと思います。私も、宮本委員から、委員会室外でありましたけれども、去年の議事録をちゃんと読むようにと御指摘をいただきましたので、議事録をさかのぼって拝読をさせていただきました。その際、研究本部に物がなかったというふうな話ではなかったと承知をしております。当時の若宮防衛副大臣が答えておりますけれども、宮本委員から御指摘をいただいたのは、研究本部の教訓センターのデータベースにはないのかというふうにお尋ねを受けまして、当時の若宮副大臣が、研究本部の教訓センターのデータベースには保存されていないということを答弁していると承知をいたしております。
○宮本(徹)委員 私はその後に、ちゃんと私も議事録を持ってきましたけれども、教訓データベースでなくても、陸自研究本部にはデータは保存されていたことなんじゃないんですかという質問をしていますよ。初めに教訓センターデータベースにないと言ったから、じゃ研究本部にはあったんじゃないですかという質問をしたわけですね。私がなぜそのときそういう質問をしたかというと、陸上自衛隊研究本部がつくっている教訓をまとめたものに、日報がなければつくりようがないデータが記載されていたので、これは電子データが陸自の研究本部にも保存されていたんじゃないのかということで、データベース以外のところも含めてあったんじゃないんですかということを私は質問しました。そうしたら、若宮当時の防衛副大臣は、日報がなくてもできる仕事なんです、こういう答弁をされているじゃないですか。なぜ、あったんだったら、あったというふうにそのとき答えずにそういう答弁をしたんですか。
○山本副大臣 お答えを申し上げます。先ほども申し上げましたけれども、私も委員から御指摘をいただきましたので、さかのぼって議事録を拝読いたしました。確かに、再度、宮本委員が、研究本部にはないのかということをもう一度お尋ねになっておられて、若宮副大臣は、その際答弁に立たれていますけれども、その答弁の中では、研究本部そのものにあったかなかったかということは言及をされていないと承知をいたしております。
○宮本(徹)委員 ですから、なぜ言及しなかったのかということですよ、あったのか、なかったのか。そして、言及せずに、日報がなくてもそういう教訓要報はつくれるんですという説明をやったわけですよ、日報を使ってやっていたにもかかわらず。全く虚偽答弁を私に対して当時やっていたということじゃないですか。当時、陸自研究本部がどういう隠蔽行動をとっていたのかというのは、イラクの日報問題でもこの間明らかになっているわけですよ。三月二十七日にイラクの日報が見つかっていたのに、当時の情報開示請求に対して、そのすぐ三日後にイラクの日報はありませんというふうに答えているわけですよね。文字どおり隠蔽を陸自研究本部もやっている。同じことを私たちに対しても、この委員会で一年前、私質問しましたからね、やっていたということなんじゃないですか。なぜ、あるならあると答えずに、日報がなくてもできる仕事なんですというふうに答えたのか、これは徹底した調査が必要じゃないですか、うみを出すと言っているんだから。
○小波政府参考人 お答えいたします。先週の金曜日、先生からこの御指摘をいただきまして、私ども、副大臣の御指導のもと、議事録を一言一句確認させていただきました。その上で、ただいま副大臣から御答弁いただきましたように、若干、ですから、先生の御質問の意図との関係で、あくまでも質問の流れの中で、教訓データベースに日報は保存されていないということを累次、若宮当時の副大臣はお答えするとともに、質問の流れの中で、ではどうやって教訓担当者は教訓収集のレポートというものをつくっているのか、どういうふうな形でやっているのかという趣旨のお尋ねがありましたので、恐らく若宮当時の副大臣はその部分についてのお答えを重ねて申し上げていたということではないかというふうに私どもとしては考えております。いずれにいたしましても、本日、私どもの副大臣の方から、研究本部につきましては、特別防衛監察の、今回お尋ねありました表の中で、過去保有、それから現在保有、どちらもあるというふうに、説明責任をしっかり果たしているというふうに考えているところでございます。
○宮本(徹)委員 私の質問時間が一年前無駄になったわけですよ。しかも、当時、私の質問前から予算委員会で問題になったわけですよ、陸自研究本部にあるんじゃないのかということが問題になっていたわけですよね。それに合わせて、陸自研究本部にあるということにしちゃいけない、だから、そこは、日報があるということは絶対に言わないでおこう、そういう線でペーパーを準備した、そうとしか思えないじゃないですか。いまだに、いまだに、隠蔽ではなかった、そんな説明をやるんですか。そういう姿勢だと、また隠蔽は起こりますよ。本当に、シビリアンコントロールしっかりやっていくんだ、今度の問題でうみを出し切るというんだったら、なぜ、私が何度も何度も聞いたのに対して、日報がある、研究本部にあると答えなかったのか。こここそ調査すべきじゃないですか。
○山本副大臣 我々防衛省・自衛隊としては、もちろん、隠蔽をする、隠し事をするというつもりは毛頭ありませんし、そういったことをしているつもりも今現在もございません。きちっと出せと言われたものをしっかり探索をして出している。そういう意味合いでは、先ほどの委員と当時の若宮副大臣の質疑の中で、少しやりとりの中で行き違いがあったのかもしれませんが、若宮防衛副大臣としては、教訓センターのデータベースにあるかと聞かれて、その際には、そのデータベースにはないので、ないと言った。全体としてどうかというところ、宮本委員、確かにお尋ねになっていたんですが、その際は、その前後のやりとりの中で、結局、しっかりと答弁をしていなかった、曖昧な答弁になっていたということであるとは思いますけれども、我々としては、隠し立てをする必要性もありませんし、先ほども答弁したとおり、過去の保有もありますし、現在の保有もあると。それは、今まさしく我々がしっかりと調査をして出すべきものを出すという作業をやっているわけでして、それが文民統制やシビリアンコントロールに疑義があるということには私はならないと思っております。
○宮本(徹)委員 ですから、今、山本副大臣がおっしゃったように、なぜ曖昧な答弁をしたのかということなんですよ。曖昧な答弁だと山本副大臣も思うわけでしょう。なぜあえて。私はもう延々同じことを聞いていますからね。大体、政務三役は研究本部に行って調べるべきだという話まで私はしているわけですよ。研究本部の方から上がってきた情報をそのまま信じるんじゃなくて、調べに行く、それぐらいやらなきゃだめだという話をしている。そんなことも何にもやらなかったわけですよ。これは、曖昧な答弁をなぜしたのか。隠し事をする必要がないから今答えているというんだったら、特別防衛監察を発表したときに、なぜ陸自の研究本部にありましたと発表しなかったのか、これも問われるわけですよ。特別防衛監察が発表になったときに、私、陸自の研究本部にあったのかと聞きましたら、お答えできませんというのが防衛省の当時の説明でしたよ。イラクの日報問題の隠蔽問題がここまで出てきて、やっと出してきた話じゃないですか。ずっと隠していたのに、何という答弁をしているんですか。しっかりと調べていただきたいと思います。それから、イラクの日報についてもお伺いしたいと思います。四百三十五日分が公表されました。ところが、全体の四五%でしかありません。二〇〇四年の日報がほとんどないわけですね。二〇〇四年というのは大変、派遣直後で緊迫していた当時です。三夜連続、陸自の宿営地に対する迫撃砲の攻撃があったりだとか、いろいろしたわけですね。それから、二〇〇五年についても、あるところ、ないところ、あるわけですね。とりわけ、ロケット弾が宿営地内に着弾した日だとか、こういう日は、ないということになっているわけですが、これは一体、どうして発表されたイラクの日報というのは欠けている日があるんですか。二〇〇四年はすっぽり抜けて、自衛隊の宿営地が緊迫状況に置かれた日のものはないのか。教えていただきたいと思います。
○鈴木政府参考人 お答えを申し上げます。防衛省の情報管理、情報公開につきましては、昨年、南スーダンPKOの日報問題に関しまして非常に厳しい御指摘を受けまして、再発防止ということで、この取組を昨年の七月からやっておりましたけれども、その中で今回のイラク日報が見つかったということでございます。ことしに入り、さまざまな部署から日報が見つかったということなどを踏まえまして、防衛省として再発防止をより一層徹底するために、四月六日に防衛大臣から全国二十五万人の隊員に特別訓示を行って、さらには、四月七日には、大臣から、全ての部隊、機関において、海外に派遣された自衛隊の活動に関し、全ての日報を含む定時報告の探索作業を徹底して行って、統幕への集約作業を原則四月二十日までに終えるように通達しました。その上で、四月十六日でございますけれども、十六日朝までに確認したイラクの日報については、同日、十六日に公表させていただいたところですが、今後、現在行っている探索作業、これもございます、この中で新たにイラクの日報が確認される場合におきましては、同様に、開示、不開示の確認作業を行った後、必要な対応をさせていただきたいということで、適切に対応してまいりたいと思ってございます。今の時点でイラクの日報が見つかった分については、今の時点というのは四月十六日の朝までに確認されたものについては、現在公表させていただいているところですが、今後出てくる場合につきましてはまた改めて適切に対応させていただくということでございます。
○宮本(徹)委員 いや、まとまって持っていた部隊もあったわけですよね。そこでは、なぜ欠けている日があるのか。これはどういうことなんですか。
○鈴木政府参考人 まとまって持っているというところで今回イラクの日報が出てきた部署といたしましては、例えば陸上幕僚監部衛生部でございます。ここについては、イラク復興支援活動における自衛隊の主な活動の一つが医療支援であったことから、衛生業務の資とするために持っていたのではないかと考えられる。それから、陸上自衛隊の研究本部においては、部隊の運用等の任務遂行の資となる教訓資料を作成するために持っていたのではないかと思われる。それから、情報本部においては、日々の業務の資とするためということで、そういうことが考えられるわけでございますけれども、イラクの日報について、それぞれ見つかった部署で、これ以外のものは破棄されていたのか、それとも、もともとそれしか持っていなかったのかにつきましても、現時点では確たることは申し上げることはできません。ただ、今後こうしたことが繰り返されないように、統幕の方で一元的に管理をしまして、きちっと、さまざまな情報公開請求等々の外からのお問合せに対して、自分たちが持っているものは何であるのか、そして、それに迅速に対応できるようにしているのが今のいわゆる統幕への日報等の一元化だということを御理解いただきたいと思います。
○宮本(徹)委員 もともとそこしか持っていなかったのか破棄したのかもわからないという話なんですが。これは、もともと全部持っていた、普通だったら全部そろえて、日報は飛び飛びじゃなくてまとめて持っているのが普通だと思いますよ。ところが、欠けているところがある。例えば二〇〇五年でいえば、七月四日に百七ミリロケット弾が宿営地に向けて五発発射され、宿営地に一発、宿営地近傍に四発の着弾があったと。二〇〇五年七月一日、二日、三日、そして五日というふうに日報はなっているんですね。もちろん、五日の日報には四日の事案についても触れてありますけれども、肝心の四日がないとか、何かおかしいなと。これは、戦闘地域に事実上なっていたことを隠すために、危険な活動にサマワの宿営地が置かれている部分は破棄しちゃったんじゃないか、こういう疑念すら私は持たざるを得ないわけですけれども。これは、欠けている部分について、一体なぜ欠けているのか。破棄したんだったら、いつ破棄したのか。ここをはっきりさせないと、これはイラクの活動の実態を隠すためにそういう部分を破棄したんだというふうに思われても仕方がないというふうに思いますので、なぜ欠けているのか、破棄したのであれば、いつ破棄したのか、これは調べていただきたいと思いますが、いかがですか。
○鈴木政府参考人 お答え申し上げます。先ほど申し述べましたように、現在保管されていたものにつきまして確認されたものについては、先日公表させていただきました。また、この作業自身は四月の二十日まで継続して全国の部隊、機関で行われますので、そこまでに確認されたものについても同様な対応をさせていただくということは先ほども述べたとおりでございますけれども、今回それぞれ確認をされた部署におきまして、いかなる形で文書が保存されていたのか、それはきちっと文書管理上のファイルに登録されていたものもございますが、他方で、文書管理ということにおいては、そういう登録がなされていなかったということもございます。そうしたことも踏まえまして、そういった文書がどの時点でそこに保管され、御指摘のような、もし仮にその一部分が破棄されているとすれば、それがいつ破棄されたのかは、現時点ではなかなか調べることも困難であるという状況でございます。
○宮本(徹)委員 調べることは困難かもわからないですけれども、それは、でも、さかのぼって調べなきゃいけないんじゃないですか。調べるのは困難ということで済ませるわけにいかないと思いますが、もう時間が来ていますので。副大臣、困難だと言っていますけれども、困難であっても調べる必要があると思いますが、ぜひ調べるようお願いします。
○中山委員長 山本防衛副大臣、時間が来ておりますので、答弁は簡潔にお願いします。
○山本副大臣 まず、先ほどの委員との議論の中で、曖昧な議論があったと私も発言を申し上げましたけれども、その意味は、委員と当時の副大臣、質疑者と答弁者での間の意思の疎通の中で、仮に委員が、研究本部全てにおいての中で日報があるかないか、南スーダンの日報があるかないかということをお尋ねになっていたという、そこの問題意識一点においては、結果的には、その質疑の中で、ある、ないという有無が確認されずにその質疑が進行していったという意味合いでは、その質疑自身が曖昧な質疑で終わっていたのではないかと私の所見を述べさせていただいたところでありまして、議事録をきちっと私も読みましたけれども、当時の若宮防衛副大臣の答弁は全てしっかりとした答弁であったということを確認させていただきたいと思います。その上で、お尋ねの、欠けている部分、イラクの日報の欠けている部分については、見つかった部署で破棄されたかどうか、あるいは、いつ、どうやっていたのか、データもありますし紙媒体のものもあります、いろいろなものがありますので、現時点で確たることを申し上げることは残念ながらできないという先ほどの内局からの答弁、繰り返しになりますけれども、そういうような状況であります。ただ一方で、これは、今、統幕参事官において一元的に管理し、大切なものでありますので、十年間保存した後に国立公文書館へ移管することとしております。これにより、今後はより適切な文書管理が行われるとともに、情報公開等にも適切に対応できるように一層努力をしてまいりたいと思っております。
○宮本(徹)委員 曖昧な答弁で逃げたのは当時の若宮さんだということを指摘して、終わります。