2018年4月18日 衆院財務金融委員会 福田事務次官のセクハラ追及

取材のために情報をえなければならないという女性記者の立場につけこみ、許しがたいセクハラをおこなっていたと告発された福田事務次官。本人は音声データが自分の声かわからないというので、一人一人にききました。上野副大臣も長峰政務官も矢野官房長も福田事務次官の声だと聞こえたということです。本人だけが自分の声かわからないとすっとぼけ、セクハラをしたことを認めないのですから、悪質です。

以下2018年4月20日付赤旗日刊紙より抜粋
日本共産党の宮本徹議員は18日の衆院財務金融委員会で、財務省の福田淳一事務次長のセクハラ疑惑について、矢野康治官房長が「人事院の規則によるセクハラは、職場の外で職員でない人であればセクハラにあたらないというルールになっている」として、本来は対応しなくていいのに特別に調査しているという態度を取っていることなどを批判しました。
宮本氏は、福田次官が「お店の女性と言葉遊び」と述べたり、「仲間内の会話」で同様の発言をしていたことを示唆していることについて、「相手が女性記者でも、職場の女性でも、『お店の女性』でもセクハラにあたるのが常識ではないか」と追及しました。
麻生太郎財務相は「どのような女性でも不快に感じるのならセクハラとしては許されない」と認めながら、「会話の流れで受け止めが違う」と福田次長をかばいました。
矢野官房長は「それがハラスメントにならないことを前提としている店の女性だ」と福田次官を代弁しました。
宮本氏は「問題にならない店があるというのが理解できない」と批判。「職場の仲間内での日常的セクハラを示唆しているのだから、周りの職員への調査なども行うべきだ」と強調しました。また、被害女性に対して財務省顧問弁護士に名乗り出るよう求める調査方法についても見直しを求めました。

≪2018年4月18日 第196回財務金融委員会第12号 議事録≫

○小里委員長 次に、宮本徹君。
○宮本(徹)委員 日本共産党の宮本徹です。福田事務次官のセクハラ疑惑について質問いたします。十六日午前の報道では、財務省の福田事務次官が内部調査に対して、公開された音声は自分のものであると認めていた、こういう報道がJNNでありましたが、この時点での報道というのは事実ですか。
○矢野政府参考人 音声データに関する福田次官の認識としましては、先ほど来よりお答えさせていただいていますけれども、一般に、自分の声というものは、録音された声は自分でわかりにくいものであって、音声データが、声色が自分のものであるかどうかはちょっとよくわからないというふうに本人としては言っておりまして、報道されたという十六日の報道、それ自体は事実ではございません。
○宮本(徹)委員 一旦認めていたけれども、後から大臣なりあるいは官邸なりと相談して、自分のものかよくわからないというふうに言いかえよう、そうしたという経過は一切ないということでいいわけですね。
○矢野政府参考人 お答え申し上げます。本人は単に、声色の部分というのは、短いんですけれども、その部分自体が自分のものであるかどうかについて定かではないということを言っているだけでございまして、あとは公表物に書いてありますように、流れ、その場、相手といったことについて不可解な部分が多いということを申し上げているわけです。
○宮本(徹)委員 じゃ、一度も自分の声であるということは認めたことはないということでいいわけですね。麻生大臣は、十七日朝の閣議の後の記者団の質問に対して、音声データの声について、自分は聞いていて福田次官じゃないかという感じがしたと述べられ、福田次官の声のように聞こえたという認識を示されました。きょう、声紋鑑定するのかしないのかという話もずっと議論になっておりますが、ちょっとほかの方の認識もお伺いしたいと思います。きょう、副大臣、政務官に来ていただきました。うえの財務副大臣、あの音声データに出てくる声はどのように聞こえましたか。
○うえの副大臣 昨日の大臣の御発言は大臣が個人の印象を述べられたものと認識をしておりますが、私も同じように感じました。先ほど来答弁がありますとおり、本人の声であることを前提に徹底して調査を進めるということだと思います。
○宮本(徹)委員 木原副大臣は、音声データ、福田次官の声に聞こえたでしょうか。
○木原副大臣 個人の印象ということでよろしいでしょうか。私も聞かせていただきましたけれども、最初、聞いた段階では、男性の声だということはわかりましたけれども、それが誰の声かということは特定できませんでした。
○宮本(徹)委員 今枝政務官にも来ていただきました。音声データを聞かれまして、福田次官の声に聞こえましたか。
○今枝大臣政務官 私も大臣と同様に、福田次官の声のような印象を受けました。
○宮本(徹)委員 長峯政務官にもお伺いしたいと思いますが、あの音声データは福田次官の声に聞こえましたか。
○長峯大臣政務官 聞いた限りでは、なかなか断定することは難しいなというふうには思っておりますが、先ほどから官房長もお答えしているとおり、そのことを前提に今回の調査を進めるということで認識しております。
○宮本(徹)委員 あと、調査に当たっている官房長にもお伺いしますが、あの音声データ、個人の感想として、福田事務次官の声だと聞こえましたか。
○矢野政府参考人 お答え申し上げます。そう思いました。
○宮本(徹)委員 ですから、聞き取りができた方、はっきり聞こえた方、うえの副大臣、今枝政務官、そして矢野さんも福田事務次官の声と聞こえたということじゃないですか。何でそれが、本人だけが、自分の声かどうかわからない、すっとぼけたことを言っているのか。全く不思議ですよね。福田事務次官自身も、自分の声ではない、こう完全否定はできていないわけですよね。
○矢野政府参考人 御指摘のとおりです。福田次官が申しておりますのは、声色の話と、相手方、場所、そして流れというものが腑に落ちないということを、公表物にも書いているとおりでございます。
○宮本(徹)委員 つまり、場所と流れについてはいろいろな意見を持っているけれども、声については否定をしていないと。こういう発言があったこともあり得るということなわけですよね。やはり、先ほど来議論になっていますように、皆さんも聞かれて判断されているように、これは福田事務次官の声だと、ここから確定して出発するというのは非常に大事なことだと思いますよ。これは、ほかの局長の方にも本当は通告をしたかったんですけれども、局長を全部並べてやるのはちょっと勘弁してくれと言われてあれですけれども、多分、ほかの局長の方も、日常接している方は、間違いないというふうにおっしゃるんだと思いますよ。本人だけが自分の声かどうかわからないと言い続けること自体が、これ自体が本当に許しがたい言い逃れだと私は言わなければいけないというふうに思います。それで、先ほど声紋鑑定のお話もありましたので、それは法律事務所にも意見をしっかり伝えるということでしたので、しっかりやっていただきたいというふうに思います。その上で、この話している内容、場所について、この聞き取りの中では、お店の女性と言葉遊びを楽しむようなことはあると聞き取り調査で福田事務次官は述べられています。当初、麻生大臣は、事実とするならば、セクハラとすればアウト、こう述べられておりました。私は、相手が女性の記者であっても、職場の女性であっても、新聞記者であっても、女性が接客をしているお店の女性であっても、セクハラとすればアウトだ、これは常識だと思うんですが、大臣自身の御認識はどうですか。
○麻生国務大臣 私としては、福田次官が報じられているようなセクハラのやりとりをしたのだとしたら、これは問題だ、こう最初から申し上げております。また、御指摘のように、相手がどのような女性であっても、いわゆる相手が不快に感じるという話ですから、そこはセクハラの発言としては許されるものではないというのは、これも申し上げてきたとおりです。他方で、これは、全く同じ発言内容であったとしても、どのような場で、どのような相手に対して、どのような会話の流れで発言したのかによって受けとめ方が違うということはよくある話なのではないかというふうに考えております。したがいまして、今回のような疑惑というものが浮上してきたという場合には、これは、先ほども申し上げましたように、デュープロセスというものをきちんとして、事実関係をきちんと押さえておかないと、公平性を欠くということになりかねぬということを申し上げてきておりますので、適正な手続というものを我々としてはきちんと踏まえにゃならぬと思っております。
○宮本(徹)委員 相手がどのような職の女性であっても、相手が不快に感じる、性的な嫌がらせだと感じると、これであれば、これはもうセクハラであることは間違いないわけですよね。お店の女性と言葉遊びを楽しむようなことはあると。こういう福田事務次官の聞き取り調査に対する発言自体が、私は、お店の女性なら問題がないかのような姿勢で、こういう認識自体を私は問題にしなきゃいけないと思いますが、大臣、いかがですか。
○矢野政府参考人 お答え申し上げます。これは、財務省としてのお答えというよりも聞いた内容の事実でございますけれども、今、委員はお店の女性とおっしゃいましたけれども、ウエイトレスさんとかそういう意味で彼は言ったのではなくて、女性が接客をしているお店の女性というような言い方をしていたところでございます。
○宮本(徹)委員 女性が接客しているお店の女性とお店の女性と、どこがどう違うのかよくわからないんですけれども、女性が接客しているお店の女性だったらいいという話ですか、今は。そうしか聞こえなかったですよ。
○矢野政府参考人 そういう接客をしているお店の女性という意味です。
○宮本(徹)委員 そういう接客という意味がさっぱりわからないんですけれども、私には。
○小里委員長 質問ですか。
○宮本(徹)委員 だから、そういう接客と言われても私には全く理解ができないので、ちゃんと説明してください。
○矢野政府参考人 そもそもそれがハラスメントにならないような接客を前提としているお店という意味でございます。
○宮本(徹)委員 私は、そういう店の類いがどういうものがあること自体が、世間知らずなものですから、全く今の説明では理解できないわけですけれども。だけれども、相手が嫌がる、性的に嫌がる発言をするということは、これはセクハラに当たるわけですよ。そういうことが全く問題にならない店というものが大体存在するのかどうかというのが、私には理解できません。それから、もう一個お伺いしますけれども、仲間内の会話で相手から話題を振られたりすればそのような反応をするかもしれないと。仲間内の会話でもこういう会話をやっていると受け取られるというような発言をされているわけですけれども、これは、仲間内というのは、職場の仲間内を指しているのかどうかわからないんですけれども、日常的に仲間内でこうしたセクハラ発言をしているというのをお認めになっているということなんじゃないんですか。
○矢野政府参考人 私が次官から聞きました中には、そのような発言はございませんでした。先ほど来より答えておりますように、人事院の規則におけるセクハラは、職場の外、そして職員でない人であればセクハラには当たらないというルールになっておりますので、何が何でもセクハラということにはなっておりませんが、それをもう広く解して、女性が性的に不快感を覚えたらそれを広く……(発言する者あり)いや、そうなんです、ルールは。そうなんですけれども、それを大臣は、もう最初からそのようなことはあってはならない、それはアウトだという言い方をして、広い意味でも不快感を与えたことがなかったかということを調査しているわけです。
○宮本(徹)委員 ですから、この発言で、仲間内の会話で相手から話題を振られたりすればそのような反応をするかもしれないと。本人がそう言っているじゃないですか。これは、日常的に、仲間内の会話でそういう発言をやってきたということを事実上お認めになっているということじゃないですか、違いますか。
○矢野政府参考人 次官の日ごろの素行をよく承知しておりませんので、申しわけありません。
○宮本(徹)委員 別に次官の日ごろの素行について私は聞いているわけじゃないわけですよね。本人が、仲間内の会話で相手から話題を振られたりすればそのような反応をするかもしれないと言うのは、しょっちゅう自分はそういうことをやっていますよと自白しているような話なんですよ。大臣にもちょっとお伺いしたいと思いますが、問題発覚後の十二日の審議の中で、麻生大臣は、同次官について注意したということと、本人からも反省もあった、こういう趣旨の答弁をされましたけれども、大臣は福田次官に対して何を注意して、そして福田次官は一体何を反省されたんでしょうか。
○麻生国務大臣 今回の報道について、これは次官の方から報告を受けた際に、私から福田に対しては、次官としてこのような報道が出ること自体が問題なんであって、財務省が現在置かれている状況も踏まえて、緊張感を持って行動するということに厳重注意したものであります。次官としては、報道に対して言い分もあるようでしたので、財務省が厳しい状況に陥っている中にあって、更に自分のことでこのような報道が出てしまったこと自体が不徳のいたすところなんだとして、反省という形を述べており、おわびを申し上げますと申しておりました。
○宮本(徹)委員 不当な報道だったら、おわびを申し上げるとその段階ではならないと思うんですよね。やはり何らかの根拠があったから、その段階で私は福田次官がおわび申し上げるという姿勢を大臣に対してとった、普通はそう考えると思いますよ。次に行きますけれども、今回、先ほど来議論になっていますけれども、財務省が記者に対して名乗り出るよう求める対応をとられましたが、これはもうセクハラ事案への対応としては私は根本的に間違っていると言わなければいけないと思います。セクハラ事案では、二次被害を防ぐ、被害者をしっかり守るというのが対応では大前提でなければならないと言わなければならないと思います。財務省は、顧問弁護士に調査を委ねるということをしているわけですが、顧問弁護士の事務所ですから、日常的に法律相談に応じ、財務省の代理人となることだってある立場ということであります。これが公正な調査というふうに被害者から見えるのかといったら、そうならないんじゃないですか、どう考えても。
○矢野政府参考人 お答え申し上げます。これは先ほど来よりも御答弁しておりますように、人事院の規則によりますると、各省に置くこととされておりますセクハラの担当官、相談官のところにその仕事が舞い込んでくるわけでございます。それは省の中であれ、省の外であれ、同じでございます。ただ、それではよろしくあるまいということで、今回、私どもは、職員ではない者にその調査を委託して、できるだけ客観性を担保して調査しようとしておるところでございます。至らぬ点もあるかもしれませんけれども、委託した弁護士事務所の名誉にかけても申しますけれども、非常に多くの項目を並べて、プライバシーであるとかいうことを保護できるように、あるいは敷居が高いと言われないようにという工夫をしていただいているところでございます。
○宮本(徹)委員 その事務所がいろいろなことをやるにしても、その事務所自体が財務省からの委託でやられているわけですよ。財務省から、国から税金をもらってやられる調査なわけですよね。やはりそれは、被害者から見たら第三者には決してならない。財務省からすれば第三者のつもりかもわからないですけれども、被害者から見た場合は、財務省から委託を受けて、財務省からお金をもらっている。そして、いろんな裁判で財務省の代理人ともなり得る方が、それは第三者には決してならないんじゃないですか。
○矢野政府参考人 第三者性とおっしゃいますけれども、第三者性ということは、人事院規則の中では、先ほど申しましたように、セクハラの相談員というものがやれば、やればよいという言い方は失礼ですけれども、でも、ルール上はそうなっているんです。セクハラ相談員が、それはすなわち当該役所の職員ですよ、それがやればいいということになっているわけですけれども、それではよくないだろうと。勝手な深謀遠慮だったかもしれませんけれども、私どもはそのようなことをさせていただいているつもりでございます。
○宮本(徹)委員 その深謀遠慮が配慮になっていないんですよ。被害者の人権への配慮、被害者の立場の配慮になっていない。だから、広範なところから、今回の財務省の調査のやり方については批判が上がっているわけですよ。これはちゃんと世論の批判に耳を傾けて、調査のあり方を見直すべきだと思いますよ。
○矢野政府参考人 お答え申し上げます。今回の調査でございますけれども、被害を受けた、アとされる方が、匿名ですけれども、週刊誌にかぎ括弧つきで、御自身が不快な思いをしたということを述べておられる、それを世の中に述べておられる、公言しておられるわけでございます。その事実を教えてくださいという調査にとどまっております。財務省における調査は、福田の言い分から始まっているのではなくて、週刊誌において、世の中じゅうに公言された、その被害を受けたという方が、第三者によって通報されたのではなく、御本人がそう言っていたという記事に端を発しているものでございます。私どもが公平性を欠いているということがないように、二次被害というものが必ずつきまとうこの問題について、それがないように、細心の注意を払っていきたいと思っております。
○宮本(徹)委員 ですから、二次被害がないようにする、そして被害者に配慮した調査をやるという点でいえば、やはり、財務省が顧問契約を結んでいる事務所に依頼してやるというやり方は再考すべきだということを重ねて申し上げておきたいと思いますし、あとは、加害者側からの聞き取りについても、先ほど別の委員からも指摘がありましたが、加害者の周りの職員の方も含めて、いろんな調査もやられるべきではないですか。
○矢野政府参考人 お答え申し上げます。そもそも福田に対する人事院のルールにのっとった調査を始めたところ、本人が、ここに書かれていることは事実と違うという申立てをしたところから始まって、この第三者に委ねるというプロセスに移っていったわけですけれども。したがいまして、いわゆるセクハラがあったかどうか、その加害があったかどうかというところに、一方の当事者とされている者が疑義を呈しております。それゆえに、加害者、被害者と断定した表現をとること自体、私どもはいたしておりませんけれども、加害者とされる側、それから被害者と主張される側、その双方の主張をきちんと事実認定をしなければ、この話は処分という話に突き当たらないと思っております。
○宮本(徹)委員 ですから、福田事務次官の素行については先ほどよく知らないというお話がありましたけれども、知られている職員だとか、いるかもわからないわけですよ、その日の福田事務次官の行動だとか、報道されている日の。あるわけですから、そういう情報も含めて、こういうものがあったのか、なかったのかという省内の調査も私はやるべきだと思いますが、いかがですか。
○矢野政府参考人 この週刊誌報道の中には、日付があるものとないものと、いろいろ混濁しておりますけれども、四月六日と明言しておられるところについては相手方がわかっていて、相手方の参加しておられる方には女性の方とその上司の方がおられて、それぞれの方がそんなことはなかったというふうに否定的なことを言っておられます。それ以外の日付がないところについては、いつどこの話なのかがよくわからないということがございますので、省内で調査するという話ではなくて、その方に、いつどこでどういう状況だったかということを言っていただかないと、その話が煮詰まらないということだと承知しております。
○宮本(徹)委員 本人自身が、仲間内でそういう話もやっているということを調査で述べられているんだから、その仲間内というのは誰なのか、そういう調査だってできるじゃないですか。本人が述べているわけですよ、仲間内で言われたらそういうことを話すかもわかりませんと。そういう仲間がいるということなわけですよね。だから、そういうところの調査も私はしっかりやらなきゃいけないと思いますよ。野田総務大臣の記者会見を見ていましたら、こういうことを言われているんですね。実は私のところにも、時々女性の方から、記者さんから、そういう目に遭ったという話を聞くことがあります。こういう話も出てきます。結構、野田大臣が聞かれているということは、役所の皆さんが、俺は情報源を持っているんだ、その情報をちゃんととりたいんだったらという、そういう立場を利用して、相手が情報をもらわなきゃいけない立場である、そういうことを利用して、セクハラ発言というのは、ほかの役所でも含めて、やられているという話ですよね、野田大臣の記者会見というのは。私は、こういうことが霞が関の中でほかにもやられているというのは本当に深刻な事態だと思いますよ。絶対に許されないことですよ。ですから、本当に、省内の調査も含めて、これはしっかりとやっていただきたいというふうに思います。あと、きょう、太田理財局長にも来ていただきました。残りの時間で森友問題についてお伺いをしたいというふうに思います。先週の朝日新聞の報道で、近畿財務局が大阪航空局に対して地中のごみの撤去費用の見積りを増額するよう依頼した、こういう報道があって、調査をするということを言われたわけですが、この調査結果、出たでしょうか。
○太田政府参考人 お答えを申し上げます。他の委員会でも、御党の先生からも、調査結果はまだか、早くしろというふうに御指摘をいただいたのは重々承知をしております。鋭意、一生懸命やっております。まだ結果が出せておりません。出せ次第、御報告させていただきたいと思います。
○宮本(徹)委員 不思議なんですよね。今までいろいろなことを、メディアで報道があった場合、大体すぐ、この場での質疑でも、調査結果が出てきて、申しわけなかったとか、ここはこうだったというのがいつもいつも来るわけですが、なぜこの案件ではそんなに調査に時間がかかっているんですか。
○太田政府参考人 お答えを申し上げます。今委員がおっしゃられたようにといいますか、委員がいつも早く出るとおっしゃっていただけるのは大変ありがたいんですが、いつもは、いつも遅いとしか私は大体怒られたことがなくて、早いと言われたことは本当に初めての経験なので、大変ありがたいお言葉だったんですが。その中で、基本的に、関係者の数が少ない場合は、割とその関係者に聞くのが少人数で済みますということがあるのと、それから、今回の場合は、これまでのことは割と本省理財局においてなされたことが多かったものですから、そういう意味では近いところにいたんですが、今回のこのお話は、平成二十八年、二年前の春の話でございまして、基本的には、近畿財務局、本省はある意味では余りよく知らない近畿財務局での話でございますので、しかも、国土交通省というお相手方もあるところの話ですので、いろいろな意味で確認に時間がかかっている。あるいは、委員は御案内ではございますけれども、相当捜査当局の捜査もいただいているという中でやっております。ただ、早くきちんと正確なことを報告せよという御指摘は、委員のお気持ちもそうだと思っていますので、きちんと御報告をさせていただきたいと思っております。
○宮本(徹)委員 近畿財務局と本省とは違うんだというお話がありましたけれども、あと人数が多い少ないという話がありましたけれども、これにかかわっている人数というのはそんなたくさんいる話ではないんじゃないんですか。近畿財務局の職員で森友案件にかかわっていた方というのは、そんなにたくさんいらっしゃるんですか。
○太田政府参考人 数の多寡ということもあるわけですが、要すれば、基本的に割と一人ないし二人でやっているということであればというので、非常に早く、割と、こうであるという結論が出せて御報告できたものはあります。ただ、それにかかわった人が一人、二人ではない。一人、二人というのは、中心人物というか、それだけではなくて、ほぼ一人ないし二人に近い世界でやっていたものを早くできているということでございます。いずれにせよ、近畿財務局でございますので、近畿財務局に行って話をいろいろ聞いたりということも含めてやらないといけないので、こういう状況になっています。早くせよという御趣旨はよくわかりますので、よく承知をして、やらせていただいております。
○宮本(徹)委員 この朝日の先週の報道というのは、今までの財務省の説明が全部ひっくり返る、国土交通省の説明も全部ひっくり返る。まさにごみの増量を財務省の側が国交、大阪の航空局に対して求めていた、積算をし直せということをやっていた話ですから、これがはっきりすれば、あの八億円の値引きの不当性、私たち野党が追及してきたことがはっきりするわけですから、早急に調査結果を出していただきたいということを申し上げまして、質問を終わります。