2018年5月15日 決算行政監視委員会 私立大学定員管理厳格化方針見直せ

 5月15日の衆院決算行政管理委員会で、宮本徹衆院議員は、私立大学の定員管理の厳格化による弊害がおきている問題について取り上げました。

 私学助成の不交付となる定員超過率は、定員八千人以上の大学で二〇一六年度から二〇一八年度にかけ、定員の一・二倍以上から一・一倍以上に引き下げられました。そのため、一・一倍を超えないよう、大規模大学は、それぞれ数千人単位で合格者数を絞る事態となり、大学の合格ラインが引きあがり、受験生にとっても、受験生を抱える家庭にとっても大変な問題になっています。また、大学にとっても、合格者数を絞った事により、定員まで行かなかったということで、追加合格を出し続け、三月末ぎりぎりまで続いてしまう大学もでました。

 こうした弊害が起きている中、文科省はさらに、入学定員充足率が一倍を超えたら、補助金減額措置をおこなおうとしています。

 宮本氏は、こうした方針は見直すべきと文科省に求めました。

 義本博司高等教育局長は、弊害が起きていることを認め、林文部科学大臣は「どういうことが実際起きているかということをふまえ、適切に措置を講ずる」と答弁。宮本氏は、「一人一人の受験生の人生がかかっているとの視点で、学ぶ権利をしっかり保証する観点で検討する」よう強く求めました。

≪2018年5月15日 第196回決算行政監視委員会1号 議事録≫

○荒井委員長 次に、宮本徹君。
○宮本(徹)委員 日本共産党の宮本徹です。まず、私立大学の定員管理の厳格化についてお伺いしたいと思います。二〇一六年度から二〇一八年度にかけて、私学助成が不交付となる定員超過率が、定員八千人以上の大学では、定員の一・二倍以上から一・一倍以上に引き下げられました。一・一倍というのは、実際は私立大学にとっては大変厳しい数字だと思うんですよね。この間、いろいろなメディアでも報じられているとおりですが、私立大学は、合格者数のうちどれだけ実際入学してくるのか、この歩留りを読むのは難しいわけですよね。そういう中で、一・一倍を超えたらだめだということで、この二年間で、大きな大学はそれこそ、それぞれが数千人単位で合格者数を絞るということが起きています。そのために、ほかの大学まで含めて大学受験が大変難しくなる、あるいは、去年は合格ラインはこれぐらいだと思ったのがぐっと上がって、大学受験に全部失敗してしまう、こういう事態がことしは相次いで、社会問題化しているのは大臣も御存じのとおりだというふうに思います。
〔委員長退席、青柳委員長代理着席〕
私も、ことしの春はあちこち歩いていまして、悲鳴のような話を聞きました。あるAさんは、考古学を勉強したいと思って、私、東京選出ですから、都内の史学科のある大学を受けました。希望校もだめだった、ここなら大丈夫だと予備校の先生が言ったところもだめだった、念のために受けた滑りどめの大学もだめだったということで、どうするかということで、浪人の道を選ぶ。そうすると、家庭の負担も大変なんですね。聞いたら、一科目五万円の塾に行って、来年こそは絶対という話をされておりましたけれども、いろいろな雑誌なんかでも、浪人生がこの間ふえているということにもなっております。ですから、受験生を抱えている家庭にとっても受験生にとっても大変ですし、大学の側からしても、実際は合格者数を絞ったら定員までいかなかったということで、追加合格をことしはいっぱい出したわけですよね。そうすると、難関大学が追加合格を出したら、中堅大学のところが難関大学のところに、中堅大学がもうちょっと入れられるということで玉突きで追加合格を出し続けて、それが三月末ぎりぎりまで続くということもあったわけですね。大学にとっても大変難しい問題が今生じております。ところが、文部科学省の通知では、二〇一九年度からは、入学定員充足率が一倍を超えたら、超過入学者数に応じた補助金減額措置ということをやろうということになっているわけですよね。私は、こういう道をこのまま突き進んだら絶対まずいと思っています。やはり学生の学ぶ権利にもかかわる、人生も左右する。受験生を抱えている家庭にとっては本当に大変大きな問題。もし経済的な余裕がない家庭だったら、浪人させられなくて進学自体を諦めるということすら起きかねない事態だというふうに思っております。まず、きょう、高等教育局長にも来ていただきましたけれども、この間の私立大学の定員管理の厳格化について、弊害について実態をどこまでどう把握されているのか、そして、来年度更に厳格化するという方針は見直しが必要ではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
〔青柳委員長代理退席、委員長着席〕
○義本政府参考人 お答え申し上げます。大学における在学学生数につきましては、大学設置基準の第十八条三項におきまして、大学は、教育にふさわしい環境の確保のため、在学する学生の数を収容定員に基づき適切に管理するものとされておりまして、この規定に基づきまして定員管理を行うことによりまして、教員一人当たりの学生数などの教育条件を維持向上させることが重要と考えております。このため、私立大学等経常費補助金、私学助成でございますけれども、そこにおきまして、教育条件の維持向上を図り、かつ、大都市圏における入学定員超過の適正化を図るという観点から、平成二十八年度より、入学定員充足率が一定の基準を超えた場合には不交付とする基準を段階的に厳格化しているところでございます。この厳格化を導入した平成二十七年七月の通知におきましては、平成三十一年度から、入学定員充足率が一・〇倍を超える入学者がいる場合、超過入学者数に応じた学生経費相当額を減額する措置を導入するというふうなことを委員御指摘のとおりした上で、平成三十一年度以降の取扱いにつきましては、平成三十年度までの状況を勘案しつつ、詳細の基準につきましては引き続き検討するというふうにしているところでございます。今御指摘のとおり、報道において、受験生においてなかなか読めないとか、あるいは大学においても、直近の定員の充足率あるいは歩留りを読むことが、想定より超えたということにおきまして、いろいろな形でのお話をいただいているということは承知しているところでございます。一方、適切な管理をし、教育環境を維持するということは非常に大事でございます。文科省としましては、この通知に基づきまして、平成三十一年度の取扱いにつきましては、三十年度までの厳格化を受けた三大都市圏の大規模大学、中規模大学におけます定員超過の状況ですとか各大学における実態を踏まえながら、そのあり方について検討してまいりたいと存じます。
○宮本(徹)委員 弊害の声は文科省にも届いているとは思うんですが、やはり、大学や予備校や、あるいは高校にも、どうなっているのかというのを文科省としてしっかりつかんで、それで、弊害がこれだけ起きているのにこのまま突き進むというのは絶対やってはならないというふうに思うんですけれども、その点、大臣、いかがですか。
○林国務大臣 今、政府参考人からも答弁をいたしましたとおり、私立大学等経常費補助金における平成三十一年度からの定員管理の取扱いについては、二十七年の七月、今説明があったように、通知に基づきまして、平成三十年度、今年度までの定員管理の状況、それから各私立大学等における実態も踏まえて、適切な措置を講じてまいりたいと思っております。
○宮本(徹)委員 確認しますけれども、この方針をそのままいくのではなくて、まずしっかりと弊害の実態、何が起きているかつかむ、そこを直視する、そこをお約束していただきたいんですけれども。
○林国務大臣 いろいろな声が届いているというのは局長が答弁したとおりでございますし、今申し上げましたように、平成三十年度までの定員管理の状況、どういう数になっているかということや、それから各私立大学等における実態、どういうことが実際起きているかということも踏まえて、しっかりと適切に措置を講じてまいりたいと思います。
○宮本(徹)委員 各私立大学で起きているだけじゃなくて、やはり一番大きな問題は、私は、一人一人の受験生にとっての問題、そして受験生を抱えている家庭の問題、ここは本当に大きな問題が今生まれておりますので、一人一人の受験生の人生がかかっているという視点で、学ぶ権利をしっかり保障する観点で検討していただきたいということを重ねて求めておきたいというふうに思います。次に、談合の再発防止についてお伺いしたいというふうに思います。昨年、当委員会で、私、外環道建設工事をめぐる談合問題について取り上げさせていただきました。石井大臣とも議論させていただきました。私の指摘のとおり、談合の疑義が払拭できないということで、入札中止をその後NEXCOが判断するということになりました。そして、ことしは、リニア工事をめぐる談合事件は、これは起訴されたわけですね。顔ぶれは同じ、スーパーゼネコン四社ということになっております。ゼネコン業界は、かつて、談合決別宣言というのを出されたわけですが、それ以降、課徴金が課されたような談合事件も繰り返し繰り返し起きているわけですよね。まず、石井大臣にお伺いしたいのは、やはり談合事件が繰り返し起きている、このことについての政治の責任についてどうお考えでしょうか。
○石井国務大臣 談合などの不正行為は、あってはならないことと認識をしておりまして、国土交通省ではこれまでも、入札制度改革等に取り組み、不正行為の排除の徹底を図ってきたところであります。具体的には、国土交通省発注の公共工事における取組といたしましては、一般競争入札や総合評価落札方式の拡大、入札監視委員会の設置、指名停止の厳格化、内部通報制度の整備などの対策を講じてきたほか、公共工事、民間工事を問わず、不正行為を行った業者に対しまして営業停止処分の厳格化を図っております。国土交通省といたしましては、今後とも不正行為の排除の徹底に努めてまいりたいと考えております。
○宮本(徹)委員 いろいろやってきたけれども、スーパーゼネコンによる談合が繰り返されているわけですね。これを私たち国民は皆、目の当たりにしているわけですよね。じゃ、なぜこの談合は繰り返されているというふうに国交省としては分析されているんですか、大臣。
○石井国務大臣 平成十七年十二月に、当時の日本建設業団体連合会、それから土木工業協会及び建築業協会におきまして、「公正な企業活動の推進について」、これはいわゆる談合決別宣言と言われているものでありますが、これが決定をされたところであります。大成建設、鹿島建設、大林組、清水建設のいわゆるスーパーゼネコン四社について確認をいたしましたところ、この談合決別宣言以降において各社が国土交通省の指名停止措置を受けました独占禁止法及び刑法違反が確定した談合事件のうち、実行行為の時期がこの談合決別宣言以前と見られる案件は七件、宣言以降を含むと見られる案件が一件あったと承知をしております。
○宮本(徹)委員 外環道の談合疑惑は、私は昨年国会で取り上げましたけれども、去年、疑義は払拭できないと。それはカウントしていないですよね。そして、今回のリニアの話もカウントしていないわけですよね。また繰り返されているわけですよ。なぜまた繰り返されるようになっているのか、ここの分析と対策を政治はやらなきゃいけないと私は思います。それで、一つの原因は、やはり課徴金が日本は低過ぎる、これはあると思いますよ。公取の試算を、まとめているのを見させていただきましたけれども、公取の試算によると、談合による不当利得の平均は売上げの一四%だと。一方、今の制度では、課徴金は売上げの一〇%ですから、課徴金と不当利得を見たら不当利得の方が多いというのが平均の現状なわけですよね。こういう現状では、もし見つかっても、めったに見つかることもないんだから、談合をやった方がもうかるじゃないかという仕組みになっているんじゃないかと思いますよ。ちなみに、少し前ですけれども、スーパーゼネコンが談合で摘発された名古屋市営地下鉄の談合では、不当利得は売上げの三七・九%と公取は試算されているわけですよね。ですから、私は、現状の課徴金の水準では談合を抑止する力としては非常に不十分じゃないかと思います。きょうは公取にも来ていただいていますが、談合をまたスーパーゼネコンで繰り返されているという事態になっております。課徴金の引上げを検討すべきじゃないですか。
○杉本政府特別補佐人 お答えさせていただきます。入札談合は、市場経済秩序の基本ルールに違反する行為でございまして、発注者の利益を損ないまして、ひいては納税者である国民や消費者の利益を損なうものでありまして、反競争的行為の中でも最も悪質なものの一つとして国際的にも位置づけられているものでございます。公正取引委員会としては、そのような行為に対しては厳正かつ積極的に対処しているところでございます。お尋ねの課徴金の水準につきましては、抑止強化の観点から、平成十七年に、課徴金算定率の引上げ、一般的には六%から一〇%に引き上げたわけでございますが、さらに、違反を繰り返した事業者に対する課徴金割増制度の導入、それから課徴金減免制度の導入、さらに平成二十一年には、主導的な役割を果たした事業者に対する課徴金割増制度の導入等を内容とする独禁法の改正を行っているところでございます。さらに、現在の課徴金制度が硬直的であるため、調査に対して事業者から十分な協力が得られない、違反行為の実態に応じて適切な課徴金を課すことができないとの問題意識のもと、公正取引委員会は、平成二十八年二月以降、独占禁止法研究会を開催して、同研究会は平成二十九年四月にその報告書を取りまとめたところであります。現在、その内容を踏まえまして、課徴金の見直しの検討を行っているところでございまして、課徴金制度全体としての水準が違反抑止に必要十分となるように更に検討を進めてまいりたいと考えているところでございます。
○宮本(徹)委員 ということは、課徴金の水準の引上げも含めて検討されているということでいいわけですね。
○杉本政府特別補佐人 お答えしたいと思います。先ほど申しました報告書がございまして、報告書の内容に沿いまして課徴金の水準を上げたいと思っておりまして、それには、課徴金率を上げるだけじゃなくて、課徴金の対象期間を引き上げるとかそういう点もございますので、そういうものを踏まえまして課徴金全体としての水準の引上げということを検討してまいりたいと考えているところでございます。
○宮本(徹)委員 その報告書を私も拝見させていただきましたけれども、おっしゃるとおり、期間を延ばすというのはあるわけですけれども、率の引上げはないですよね、一〇%から引き上げるというのは。率の引上げも含めて考えるべきじゃないですか。課徴金の一事業者平均額で見ると、日本は一・三億、EUは四十四・七億、アメリカは八十・五億と、桁が全く違うというのはその報告書の資料に書かれているじゃないですか。欧米に比べて日本は余りにもやはり課徴金が低過ぎる、だから談合が繰り返されていると思うんですよ。あの報告書は、このスーパーゼネコンの談合、外環道あるいはリニアと繰り返される前の話ですよね。この事態を受けて、やはりもっと突っ込んだ検討が必要だと思いますが、いかがですか。
○杉本政府特別補佐人 委員御指摘のとおり、課徴金の実際にかかった水準というのが、欧米諸国に比べて日本の水準は低いというのが実態だと認識しております。ただ、その基本的な算定率につきましては、そんなに相違はないと思っておりまして、むしろ、課徴金のかかっている額の多寡は、算定期間の、すなわち、違反で課徴金の対象期間となる期間の差異等に大きく依存しているところもございますので、そういったことを踏まえて、課徴金水準の引上げというものを今後検討してまいりたいと考えているところでございます。
○宮本(徹)委員 今の趣旨では、欧米並みまで引き上げるということですか、そういう水準になるまで。そういうことをやろうと思えば、私は、率まで踏み込むしかないというふうに思いますよ。算定期間もそんなに延ばすことになっていない。それは私も報告書を読んでいますから存じていますけれども、欧米並みまで考えることも含めて、しっかり検討していただきたいというふうに思います。もう一点、加計問題も質問したいと思いますので、次に移らさせていただきます。石井大臣、公取も退席していただいて。ありがとうございました。
○荒井委員長 石井大臣と杉本さん、結構です。
○宮本(徹)委員 加計問題について質問いたします。加計学園と内閣府の藤原さんが四月二日に会った面談の記録はない、会ったという日も確認できないという話がこの間されているわけですが、きのう予算委員会でも指摘しましたが、藤原審議官が京都側と会ったと確認された日付というのは、既に昨年、資料提供を私たちは受けております。テーマも記されているわけですね。そうすると、京都側と藤原審議官が会った日付やテーマというのは、何を根拠に確認されたんでしょうか。
○梶山国務大臣 昨年、確認の上で御報告したのは、平成二十八年一月二十六日、同じく二十八年六月七日、同じく二十八年十月五日、これらについてはいずれも、京都府側からの申出を受けて相談に応じたものであります。昨年七月、宮本議員よりお問合せのあった際には、これらの情報を御報告したわけでありますけれども、これらは当時、昨年の七月時点、メール等も含む手元の資料と当時の担当者からの聞き取りによって確認できた範囲のものであると聞いております。
○宮本(徹)委員 そうすると、京都側のものは残っていて、加計学園側と会ったときのものは確認がなかなかできないというおかしな状況なんですかね。ちょっと、加計学園側との面談の日付もわかるんじゃないかと思いますが、藤原氏と加計学園側の面談の日付及びテーマ、どれだけわかっておりますか。
○村上政府参考人 お答え申し上げます。お尋ねでございますので、わかっている範囲のことを御説明させていただきます。今治市等との打合せにつきまして、当時の担当に聞いて確認ができた範囲で申し上げますと、まず、よく御存じの、規制改革提案を伺った平成二十七年六月五日のワーキンググループヒアリングまでの間ということでいいますと、四月ごろに、過去の経緯と特区の提案、検討状況について一度お伺いをしてございます。その後、春の特区提案の集中受け付け期間の締切り前、六月上旬ごろということでございますけれども、提案内容をよりよくしたいとの強い思いで、今治市が当時、そのころ来訪されているということでございます。六月五日の提案ヒアリングの当日には、提案者である愛媛県と今治市、さらに、提案者である今治市の判断で加計学園が説明補助者として同席をしていたということでございます。このまま御説明してもしよろしければ、続きまして、そのヒアリングの後でございます。同年八月六日、今治市の大学予定地を視察するとともに、今治市からの紹介もあり、岡山理科大の教育現場、この際に、構造改革特区時代の経緯等をお伺いしております。また、わかっている範囲ということで言いますと、同年十二月十日、第三次指定ワーキンググループのヒアリングに県と市が出席をし、十二月十五日に特区の第三次指定が決定した後は、他の特区と同様、日々連絡を密に電話、メール等の形でとってございましたが、二十八年三月三十日の区域会議に向けた打合せをその前のころに、また、九月二十一日の今治市分科会に向けた打合せなどについても、その前後、前ごろに行っているということでございます。十一月九日の諮問会議の前にも、日付ははっきりしておりませんが、その前日かその前のころにお会いをしているということでございます。このように、日付がわかっているものもございますし、そのころというようなものもございますけれども、当時の担当と確認をいたしまして、以上のような日付等、今治の関係につきましても承知をしているという状況でございます。
○宮本(徹)委員 当時の担当者の手帳だとかメールだとかを確認してわかるという話でしたら、私、大体全ての日は特定がつくはずだと思いますよ。だって、皆さん、手帳だとかいろいろなもので確認されているわけでしょう、メールだとかで。結局、四月二日という話だけは、これはないことにしようということになっていたから、ごろという話をいいかげんにされているというふうにしか本当に思えないですよ。大体、京都の側は全部日付はわかっているわけですから。本当、おかしな話ですよね。去年は具体的に日付は説明できたものが、ことしになったら非常にアバウトなものにして出てくる、そういうやり方は国民の不信を招くだけだということを言っておきたいと思います。それから、あともう一点、きょうお伺いしたいのは、この間の総理の答弁を聞いていると、加計学園の側が早く準備してきたから熟度が高くてそっちを選んだんだという話をされるわけですけれども、京都産業大学も早くから構想を準備しておりました。お伺いしますけれども、加計学園、京都産業大学それぞれが獣医学部の構想の検討を真剣に開始したのはいつか、まず内閣府にお伺いします。端的にお答えください。
○村上政府参考人 お答え申し上げます。それぞれがいつ検討を真剣に開始したのかということにつきましては、別組織の内閣府でありますので、知るべき立場にはない、確実にということではお答えは難しいということを、恐縮でございますが最初に申し上げさせていただきます。その上で申し上げればということでございますが、今治市につきましては、これまでも答弁させていただいておりますとおり、平成十九年から十五回にわたり構造改革特区の提案を続けており、うち、初回から五回までの提案には、特例措置の適用を受けようとする者として加計学園の名が記されているということでございます。また、京都産業大学につきましてでございますけれども、平成二十八年十月十七日のワーキンググループヒアリングの資料、これは提出されたものでございますが、その提出された資料の中に、「二〇〇六年に本学に鳥インフルエンザ研究センターが新設され、鳥インフルエンザ撲滅のための国際的な活動が始まり、更なる社会的貢献を目指して獣医学部設置が真剣に検討された。」との記載がございます。こういった記載が提出された資料の中にあるということにつきましては、その当時、内閣府としても把握をしているという状況でございます。
○宮本(徹)委員 つまり、京都産業大学は、西暦では二〇〇六年から、そして加計学園は、国家戦略特区に提案した二〇〇七年からと。加戸さんも、二〇〇七年の一月か二月に話があったという話を先日の参考人招致で言われていますから、ほぼ同時期、若干、京都産業大学の方が早かったというのが事実ですね。そして、京都産業大学は政府に対して働きかけをすぐに開始しております。農水省と文科省、京産大から獣医学部新設をしたいという話が一番最初にあったのはいつですか。
○齋藤国務大臣 京産大学から農水省への働きかけ、一番最初はいつかということですが、これはなかなか、一番最初を特定するのは困難なんですが、私どもが有している京都産業大学の獣医学部新設に関する行政文書のうち最も古いものというのは、平成二十八年六月の京都府からの要望書、この中に、平成二十七年十二月に、京都府等から農林水産省等に京都産業大学の獣医学部設置に関する要請書が出された、そういう記述がございます。そして、御指摘の二〇〇六年ですか、平成十八年度の相談につきましては記録が残っていないわけでありますけれども、平成二十八年六月の京都府からの獣医学部新設の要望書の中に、京都産業大学は平成十八年度に鳥インフルエンザ研究センターを設置した、そういう記述がございます。そして、その当時、当該センター長が実は農林水産省の審議会の専門委員でもあったということで、農林水産省と接点がございましたものですから、そのころにそういった相談があった可能性というものは否定できないかなというふうに思っております。
○林国務大臣 文科省の方でございますが、文科省において把握している限りでは、京都産業大学から事前の相談がありましたのは平成二十七年十二月である、こういうふうに承知をしております。それ以前の事前の相談に関しては確認ができておりませんが、京都産業大学のホームページにおきまして、平成十六年、二〇〇四年ですが、獣医学部の設置を構想し、文部科学省に対して継続的に設置を求めてきたという記述がございますので、そのころから文部科学省に対して相談があった可能性もあるものと考えております。
○宮本(徹)委員 双方記録がないということですけれども、文科省に対しては相当前から働きかけを、ずっと獣医学部をつくりたいということでやっていた。私の持っている資料よりも、先ほどの文科大臣の答弁の方が古いです。私が持っている資料では、二〇〇七年度、専門教育課に出向き、当時の課長補佐の○○さんと面会して話したという資料を持っております。農水省についても、二〇〇六年、消費・安全局動物衛生課の当時の課長さん、畜水産安全管理課の課長さん、それから獣医師会の会長さんなどに集まっていただいて会議を持ち、京産大に獣医学部を設置したいという希望を出した。もう退職されているのかもわからないですけれども、当時の方に確認をすれば、もし在職しているんだったら、確認すればわかる話だと思います。きのう、担当の方々には名前も全部含めて伝えてありますので、文書として記録がないんだったらぜひ御確認していただきたいと思います。きょう文科大臣からお話がありましたように、正面突破で獣医学部をつくりたいということで京都産業大学は働きかけていたわけですよね。ところが、政府の側は、加計さんのところが早くから準備してきたから、加計さんのところが熟度が高くて、加計さんのところを選んだという説明をするんですよ。こんなおかしな話はないですよ。加計さんのところが、文科省から、二〇一八年度四月開学、お尻を総理の意向で切っていると、このスケジュール感を共有していたから、早く教員集めをすることができて早く準備ができただけの話で、京都産業大学で当時、獣医学部設置で中心的な役割を果たした大槻先生のインタビューは、この間、いろいろな話が新聞に出ていますけれども、大槻先生も、加計が先生を集めているからうちも集めたいというふうに学長に言ったら、いや、まだ何も政府の方針が決まっていないから集められないよという話をされたという話なんですよ。この加計問題は、極めて不公平なやり方で獣医学部の選定が行われたのは、一番初めに政府にどの段階から働きかけているのかという記録を見ても、私ははっきりしていると思います。公平公正にやらなきゃいけないと思いますので、また続きは別の委員会でやらせていただきたい。質問時間が参りましたので、終わります。