野党合同ヒアリングに参加 “条文変更なぜ“ プロセスの徹底検証を

 内閣法制局の幹部職員が2016年、公表前の臨床研究法案(17年4月に成立)の条文を製薬会社役員に漏らしていた問題で、野党は5日、国会内での合同ヒアリングで、同職員の出向元である厚生労働省の幹部らをただしました。
 厚労省は16年12月にこの職員を訓告処分(非公表)にしていたことがわかっています。
 問題を報じた3日付「毎日」では、職員が漏らした法案と国会提出時の法案には違いがあり、漏えい時の条文には、製薬会社に臨床研究に対する倫理的な責任を課すなどの規定もあったとしています。この部分は、国会提出時には削除されていました。
 野党議員は「法案が事前に製薬会社に漏れたことによって、なんらかの動きがあり、製薬会社にとって厳しい条項が骨抜きにされたのではないか」(山井和則衆院議員)と検証を要求。日本共産党の宮本徹衆院議員は、「法案が変わる過程で製薬業界からの働きかけはなかったのか。なぜ条文が変わったのか。誰が変えようと言ったのか」とただしました。
 厚労省の幹部は、「報道の事実関係は正確だが、われわれの調査では、法案への影響はなかった」などと主張。「(法案作成の)意思決定プロセスが明らかになると今後に影響する」などと述べ、法案作成の過程については答えませんでした。
 今回、公表前の法案の条文を入手した製薬会社の役員は、漏えいした職員とは厚労省の同期だったとされています。立憲民主党の長妻昭代代表代行は、「他にも、厚労省から所管業界に天下りした人物に、省内の内部情報がどんどん流れている可能性がある」と全省的な調査を求めました。

以上2019年9月6日付赤旗日刊紙より抜粋(写真は赤旗提供)