「基本合意」完全実現を 障害者自立支援法違憲訴訟団 10年の節目の全国集会で連帯あいさつ

 障害者自立支援法違憲訴訟団は7日、国会内で全国集会を開き、400人を超える参加者は「『ひとかたまり』を大切にしながら、基本合意の完全実現をめざしてがんばりましょう」とのアピールを採択しました。同日は、訴訟団と国が和解に向けて「基本合意」を結んでから10年の節目にあたります。
 弁護団長の竹下義樹弁護士が主催者あいさつで、基本合意に基づき国との定期協議を10年間積み重ねてきたと指摘。「少しずつ確実に障害福祉施策を前進させてきたことを確信しよう」と呼びかけました。
 日本社会事業大学の名誉教授で厚生労働省の総合福祉部会長を務めた佐藤久夫さんが基調講演で、基本合意の意義について語りました。弁護団事務局長の藤岡毅弁護士は、国との定期協議の中で基本合意に盛り込まれた事項以外の施策に対しても声を上げ、改善を勝ち取ってきたと強調しました。
 討論「人権訴訟からみえる障害福祉施策の近未来」では、東京都の原告、家平悟さんが、安倍政権が社会保障改悪を進める中で、基本合意は障害者問題だけではなく幅広く人権保障として力を発揮すると述べました。兵庫県の原告、車谷美枝子さんは「家族依存ではなく障害者が社会に出ていけるような社会を」と訴えました。
 「基本合意の完全実現をめざす会」の藤井克徳世話人は「基本合意は応益負担や基本的人権、社会のあり方などを問うものであり、運動を続けることでいかすことができる」と話しました。
 閉会あいさつで「めざす会」の太田修平事務局長は「10年後もあきらめない運動を続けていこう」と力を込めました。
 各党国会議員が駆け付け、日本共産党からは宮本徹衆院議員と倉林明子参院議員が参加しあいさつしました。

以上2020年1月8日付赤旗日刊紙より抜粋