新型肺炎緊急対策を 国会議員団が対策本部 共産党、加藤厚労相に申し入れ
神奈川県の80代女性が新型コロナウイルスに感染し死亡したことを受け厚生労働省は14日、感染経路の調査を始めました。女性は13日に感染が判明した東京都内のタクシー運転手の親族です。2人の接触の詳細な状況は明らかになっていません。和歌山県では病院を受診した患者の感染もわかりました。同病院では男性外科医の感染が確認されました。男性と外科医の接触はなく、病院側は「院内感染とは言えない」としています。いずれのケースも感染源や感染経路が不明ですが、国内感染の疑いが濃くなってきました。集団感染が発生し、横浜港に停泊しているクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」では80歳以上で持病のある乗客などが14日、下船しました。日本共産党国会議員団は同日、「新型コロナウイルス関連肺炎」対策本部を開きました。
対策本部では、新型肺炎による国内初の死者が出るなどの新たな局面を受け、国内での感染拡大防止と治療態勢を確立する緊急対策などの必要性を確認。会合後、小池晃本部長(書記局長)が加藤勝信厚生労働相に対して直接、緊急対応を申し入れました。
会合では、小池本部長が、「海外渡航歴のない方も発症しており、対策の重点を、国内での高齢者や糖尿病など基礎疾患を持っている方に対する診断・治療におくべきだ」と述べ、医療機関への支援も含めた万全の態勢をとることが重要だと提起しました。さらに、集団感染が起きたクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」船内に乗客・乗員を閉じ込めておくことは感染対策上も倫理上も大きな問題があるとし、公的機関だけでなく民間の力も総動員し、感染の有無を調べるPCR(遺伝子)検査を全員に対して急いでおこない、すみやかに下船対応を取ることが必要だとしました。
出席者から、深刻なストレスと不安が広がるクルーズ船の乗客・乗員の生の声を聞いて多様化する要望に対応していくこと、政府がまとめた予備費(103億円)を含む総額153億円の緊急対応策だけでは不十分だという意見も出されました。
これらを踏まえ、小池本部長が加藤厚労相に緊急対策として、▽PCR検査態勢の抜本的拡充▽治療態勢確立のための民間医療機関、自治体、大学等への支援▽感染症に対応できる病床の確保―など第2次補正予算を組むことも視野に入れた対応を要請。クルーズ船の乗客・乗員の不安に対し、しかるべき権限を持つ者が直接対応にあたる必要があることも求めました。
加藤厚労相は「申し入れは承りました」と回答。クルーズ船についても「コミュニケーション強化は課題だ。努力したい」との返事がありました。
以上2020年2月15日付赤旗日刊紙より抜粋