2020年2月18日衆院予算委員会 休める職場環境に 新型肺炎抑止へ提起

 日本共産党の宮本徹議員は18日の衆院予算委員会で、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、発熱などの病床のある労働者が休みやすい職場環境の整備を促進するよう求めました。
 宮本氏は、厚生労働省の「相談・受診の目安」には「発熱等の風邪症状が見られるときは、学校や会社を休み外出を控える」とあるが、現実には「休めない」「収入が心配だ」といった声が多いと指摘。同省は「病気休暇制度の活用」を挙げるが、導入している事業所は25%にすぎないとし、「企業に、賃金が保障される同制度の導入を緊急に促すなど、休みやすい環境の整備へ政府が旗を振るべきだ」と迫りました。
 加藤勝信厚労相は「今回の事情を踏まえ、休みやすい環境を、しっかり経営者側等にも働きかけていきたい」と答えました。

以上2020年2月19日付赤旗日刊紙より抜粋

≪第201回2020年2月18日衆院予算委員会第13号 議事録≫

○棚橋委員長 次に、宮本徹君。
○宮本委員 日本共産党の宮本徹です。きょうは、新型コロナウイルス対策について質問いたします。きのう、厚労省が受診の目安を発表されました。読みますと、冒頭に、「発熱等の風邪症状が見られるときは、学校や会社を休み外出を控える。」、こう書いてあるわけですけれども、この発表に対して、私は休めないよという声がネット上であふれております。かわりの人がいないという声、手取りが十三万円なのに一週間も休んだら生活に困るという声、その程度で休んだらもう来なくていいと言われてしまう、こういう声など、たくさん出ております。休みやすい職場環境をつくることは、当人にとっても、そして感染拡大防止にとっても極めて重要な課題になっていると思います。そこで、厚労省の「新型コロナウイルスに関するQ&A」を見ましたら、「新型コロナウイルスかどうか分からない時点で、発熱などの症状があるため労働者が自主的に休む場合は、通常の病欠と同様に取り扱っていただき、病気休暇制度を活用することなどが考えられます。」と書いてあるんですけれども、しかし、実際に病気休暇制度を導入しているところは厚労省の調査でも二五%程度であります。更に言えば、国保なんかでいえば、傷病手当がないわけですよね。ですから、休んだときの給与の保障というのが全然ないという事態であります。ですから、ここで加藤大臣にぜひ旗を振っていただきたいのは、やはり有休とは別に、企業、事業所に、賃金が保障される病気休暇制度の導入を緊急に促すだとか、労働者が休みやすい環境を整えるよう全力で働きかけをしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○加藤国務大臣 委員御指摘のように、今回、風邪症状があったらまず休んでいただきたい。これは、もちろん御本人のためでもありますし、感染防止、防ぐということになります。また、今回の件に限らず、体調が悪くなって治療をしっかり受けていただくということは、働く方がその力を十二分に発揮をしていただくためにも非常に大事だと思っておりますので。私ども、これまで、企業独自の制度として、病気休暇制度の普及、これを促進をしてきたところであります。現時点では、先ほど委員御指摘のように、平成三十一年で二五・七%ということですから、これは常用労働者三十人以上の民営法人でありますけれども、四分の一という数字になりますので、引き続きこうした取組の促進を図っていきたいと思っておりますし、今時点においても、今回のこうした事情を踏まえて、働く方、要するに、国民の皆さんが休める、休みやすい環境、これをしっかり経営者側等にも働きかけをしていきたいというふうに思っています。
○宮本委員 しっかりお願いしたいというふうに思います。それから、きょう、経産大臣にも来ていただきました。きのうの発表のGDPは消費税増税の影響で大変大きなマイナスでありましたが、それに加えて新型肺炎ということで、日本経済も大変深刻な影響が出ております。中国から物を輸入する日本の企業は二万社。中国のサプライチェーンが長期にとまれば、このままでは倒産する会社がばたばた三月に出るんじゃないか、こういう懸念も広がっております。そして、影響は、国内で見ても、インバウンド以外にも出始めております。例えば、この一月にバス運転手の感染が確認された奈良県の旅館・ホテル生活同業組合の要望書というのを、きのう出ているのを、私、見てびっくりしたんですけれども、インバウンド宿泊客を喪失しただけでなく、風評による邦人宿泊観光客も激減しておりますということで、データを見たら、国内の観光客の方がよほどキャンセルがたくさん出ているという状況にもなっております。そして、こう書いているんですね。この危機を解決するため、国内観光客向けの誘客対策の実行をお願いします、さらなる緊急資金繰り支援をお願いしますと。こういう要望があちこちから政府に対しても、あるいはそれぞれの地方自治体に対しても出ているというふうには思いますが、大変悲鳴が上がる状況だと思います。先日、緊急対策も発表されましたが、これだけで十分万全というわけにはいかないと思いますが、大臣の認識をお伺いしたいと思います。
○梶山国務大臣 今回のコロナウイルス感染症の拡大により、観光関係事業者を始めとして、これまで幅広い業種の皆様から資金繰りを懸念する声があり、二月十三日に取りまとめた緊急対応策において、事業者の資金繰りを支援するべく、五千億円の規模の融資、保証枠を確保したところであります。セーフティーネット保証については、都道府県からの要請に基づいて、地域を指定した上で、売上高が前年同月と比べて二〇%以上減少する事業者に対して、通常とは別枠で借入債務の一〇〇%を保証するセーフティーネット保証四号を実施し、また、重大な影響が生じている業種については、通常とは別枠で借入債権の八〇%を保証するセーフティーネット保証五号を実施することで、売上高が前年同月と比べて五%以上減少する事業者についても広く支援対象としてまいりたいと思います。これら二つの保証を組み合わせることにより、幅広い支援を可能とし、徹底的に事業者に寄り添った機動的な資金繰りの支援を講じてまいりたいと考えております。
○宮本委員 セーフティーネット保証五号も一〇〇%にしてほしいという意見もきのうも委員会で出ていましたけれども、もっとやれることはいろいろあると思うんですね。あるいは、利息に対しての支援だとかですね。やはり現場で出ている声にしっかり応える、これで十分とせずに、対策を打っていっていただきたいというふうに思います。それから、きょう、小泉環境大臣にも来ていただきました。先週末、次から次へと新しい感染者が確認される中で、二月十六日日曜日、新型コロナウイルスの対策本部の会議が持たれました。午後四時からですかね。この新型コロナウイルス対策本部は大臣全員が構成員だというふうに思うんですが、小泉環境大臣は欠席をされておられるわけですよね。もちろん、ほかにも、茂木大臣や河野大臣など公務で欠席されている方はいますが、環境省にお伺いしましたら、小泉大臣はこの日は一日政務だったという説明を受けました。インターネット上を見ましたら、同じ日に、よこすか平安閣で小泉進次郎さんの後援会の合同新年会が行われているという情報が出ているわけですよね。升を持って乾杯しているところだとか、升に一生懸命小泉進次郎さんがサインをしているところだとか、そういういろいろな写真がインターネット上ではあるわけですけれども。小泉大臣は、新型コロナウイルス対策よりも後援会行事を優先された、こういうことなんですか。
○小泉国務大臣 今、宮本先生から御指摘をいただいた新型コロナの対策本部、これは、環境省の本部、そして政府の新型コロナウイルス感染症対策本部、両方あります。今御指摘の点につきましては政府の対策本部のことですが、一月三十日から計十回開催をされておりまして、一回目から九回目まで私が出席をし、今御指摘の第十回、これは八木環境大臣政務官に代理として対応をお任せをした次第です。これは、政府として危機管理上踏まえるべきルールにのっとった対応であります。(発言する者あり)
○棚橋委員長 御静粛に。
○小泉国務大臣 大臣が東京を離れる場合には、あらかじめ副大臣又は大臣政務官が代理で対応できるよう、各省庁などにおいて調整しておくと定められています。今般の対応はこれに基づくものでもありますし、私自身は、環境省の対策本部の本部長です。政府の感染症対策本部の本部員という形になっています。そういった中で、環境省での対策本部において必要な対策の指示も行っておりますし、事前事後において副大臣や政務官などとも……(発言する者あり)
○棚橋委員長 恐縮ですが、御静粛にお願いします。お願いですから、お静かに。
○小泉国務大臣 情報の共有など、しっかりしていますので、危機管理は万全であります。(発言する者あり)
○棚橋委員長 お願いします。お静かに。
○宮本委員 反省の声も何もないんですけれども、この時間帯は地元で何をやられていたんですか。
○小泉国務大臣 宮本議員から御指摘があったとおりでして、この第十回ウイルス感染症対策本部、これにおいて、一回目から十回目までのうち九回目まで私が出席をして、今回のこの十回の会議については政務官に代理出席をお願いをしたところであります。これは、日ごろから、大臣、副大臣、政務官、そういった中での役割分担というのは非常に重要なことだと考えていますし……(発言する者あり)
○棚橋委員長 済みませんが、ちょっと御静粛にお願いします。
○小泉国務大臣 危機管理には万全を期すというのは当然のことです。そして、政府としての危機管理上踏まえるべきルールにのっとった対応をしていますので、危機管理上万全の対応をしております。(発言する者あり)
○棚橋委員長 宮本徹君、もう一度聞いてください。
○宮本委員 もう一度だけお伺いしますが、その時間帯、何をされていたんでしょうかということを小泉大臣にお伺いしております。(発言する者あり)
○棚橋委員長 環境大臣小泉進次郎君。なお、与野党の皆様にお願いします。どうか、お静かなところでお願いいたします。
○小泉国務大臣 今、宮本先生がおっしゃるとおりと申し上げたとおりでありますし、今回、この十回目の会議の際は環境大臣政務官の八木政務官に代理出席をお願いをしたというところであります。そして、この政府としての危機管理上の踏まえるべきルールにのっとった対応というのは、緊急事態発生時における政府の対応に係る取決めでありまして……(発言する者あり)
○棚橋委員長 頼むから、静かにしてください。
○小泉国務大臣 大臣が東京を離れる場合には、あらかじめ副大臣又は大臣政務官が代理で対応できるように、各省庁等において調整しておくと定められています。日ごろから、この危機管理は万全にということで対応しておりますので、今回の対策の指示を省内でも行っておりますので、危機管理は万全に行っております。
○宮本委員 おっしゃるとおりというのは、新年会に出られていたということでよろしいわけですね。
○小泉国務大臣 先ほどから私は同じようにお答えをしているわけで、先生がおっしゃるとおりで、十回目の会議については八木政務官に代理対応をお願いをしている。そして、日ごろから、大臣、副大臣、政務官、こういった中での役割分担、こういったことは常に大切なことだと思っていますので、私は、こういった会議の事前事後につきましてもしっかりと情報共有をしております。危機管理上踏まえるべき政府のルール、これにのっとって対応させていただいております。(発言する者あり)
○棚橋委員長 まず、お願いいたします。御静粛にお願いします。
○宮本委員 何度聞いても同じペーパーしか読まれず、おっしゃるとおりと、私が言っているとおりということで、後援会の新年会行事に参加していた、イエスかノーかそれだけ、参加していたということでよろしいわけですね。
○小泉国務大臣 私、先ほどから答弁は変わっておりませんで、宮本先生のおっしゃるとおりで、第十回のこの会議において、一回目から九回目まで私は出席をしておりますが、十回目の会合において、八木環境大臣政務官に代理としての対応をお任せをしたというところであります。そして……(発言する者あり)
○棚橋委員長 御静粛に。
○小泉国務大臣 この政府の対策本部において、私は本部員です。そして、環境省内における対策本部については、私は本部長です。(発言する者あり)
○棚橋委員長 御静粛にお願いいたします。
○小泉国務大臣 こういった中で、環境省として必要な対策についてしっかり指示を行っておりますし、危機管理には万全を期しております。
○宮本委員 はっきり答えていただければいいんですが、おっしゃるとおりの後いろいろ言うと、私の発言のどこがおっしゃるとおりなのかというのがだんだんだんだん曖昧になっていくように聞こえていくわけですよね。私の次のバッターもいますので……(発言する者あり)続けろと言われても、我が会派も質問時間が長いわけじゃないですので、これでやめざるを得ないわけですけれども、厚労省の職員なんかは本当に寝ずに頑張っているんですよ。政府を挙げて一生懸命やっているんですよ。そういうときに、対策本部のメンバーが会議に出ずに、地元で新年会で一杯やっていた、こういうことになったら、これは政府全体の士気にかかわるじゃないですか。そのことを厳しく指摘させていただきまして、私の質問を終わります。
○棚橋委員長 これにて宮本君の質疑は終了いたしました。