2020年2月19日 予算委員会 雇用調整金緩和を 宮本氏に厚労相 要件「弾力的に」
日本共産党の宮本徹議員は19日の衆院予算委員会で、新型コロナウイルス感染症対策で、従業員を休ませる企業に休業手当を助成する「雇用調整助成金」の要件をさらに緩和するよう求めました。
政府の「雇用調整助成金」の特例措置では、対象が「日本・中国間の人の往来の急減により影響を受ける事業主」に限定されています。宮本氏は「中国人観光客を直接相手にしていない業者は、助成の対象にならない」として「雇用調整助成金の要件は、さらに緩和すべきだ」と求めました。加藤勝信厚生労働相は「状況をふまえ弾力的に対象を考えていきたい」と答えました。
また、宮本氏は国民健康保険料を滞納し無保険(資格証明書交付)の人に短期保険証を発行し「お金の心配なく医療機関にかかれる措置を」と要求しました。
資格証明書交付の人は、原則、医療機関で受診料を全額負担し、市町村窓口に行って納付相談をしないと保険証は発行されません。宮本氏は、納付相談で感染疑いのある人が役所を訪れ、感染が広がる可能性があると述べ「感染を広げない、健康と命を守る観点から短期保険証を発行して届けるべきでは」と求めました。
加藤厚労相は、2009年の新型インフルエンザ流行の際、感染拡大防止の観点から資格証明書を短期保険証とみなす措置をとったとしつつ、「当時とは状況が異なる」などと答弁。宮本氏は「先手先手を打つのは当たり前ではないか」と追及すると、加藤厚労相は「頭から否定しないが、状況状況の中で政策を打っていくことが必要」と述べました。
以上2020年2月20日付赤旗日刊紙より抜粋
≪第201回2020年2月19日衆院予算委員会第14号 議事録≫
○棚橋委員長 次に、宮本徹君。
○宮本委員 日本共産党の宮本徹です。きょうは、まず、新型コロナウイルス対策について加藤大臣にお伺いしたいというふうに思います。国民健康保険料を滞納されている方々は、手元に保険証がないという方も少なくありません。資格証明書しかないということなんですね。そうすると、今回の新型コロナウイルス、かなりの方が重症になる、こういう比率も出ているわけですけれども、本当にお金の心配なく医療にかかれるようにしていくというのは非常に大事だというふうに思います。そして、納付相談で市役所の窓口に疑いがある方が行くということになった場合に、それが逆に感染を広げていくという危険もあると思うんですね。そういう、感染を広げない、そして健康と命を守るという観点から、しっかり短期保険証を発行して届けるだとか、こういった対策が必要だと思いますが、大臣の認識を伺いたいと思います。
○加藤国務大臣 資格証明書、これは国税を滞納されている方に発行させていただいているわけでありますけれども、確かに、新型インフルのときは、資格証明書を被保険者証とみなす通知を発出したということではあります。もともと、この仕組み、もう委員もよく御存じでありますけれども、資格証明書が交付された場合、医療機関で受診した際には全額を支払って、後に保険者に償還払いを申請する取扱いで、その際に市町村の窓口に納付相談等のために訪れていただく、こういう仕組みになっているわけであります。新型インフルエンザのときには、確かに、接触の機会をいかに減らすかということで、先ほど申し上げた対応をとらせていただいたわけでありますが、ただ、当時の状況、あのときは、例えば大阪府で感染者が大変発生をして、府内全域の小中高校、特別支援学校、幼稚園、保育所、高齢者、障害者の通所施設の学校閉鎖、休業要請が行われていた、こういう情勢の中であります。今、通常の市役所等には、これ以外についても普通にいろいろな相談にはおいでになられているというふうに思います。そういった意味においては、当時の状況と今の状況とは少し異なっているのではないかなというふうに思います。
○宮本委員 しかし、フェーズが変わったという認識は加藤大臣もお持ちだというふうに思うんですよね。そういう中で、先手先手で手を打っていくというのは当たり前のことじゃないですか。
○加藤国務大臣 もちろん、フェーズが変わって、まさに次の状況を想定しながら対応を考えていくべきだということは専門家会議からも指摘をいただいております。したがって、そうした状況、もちろん、こうした政策、私、頭から否定しているわけではありませんけれども、状況状況の中で適切に政策を打っていくことが必要じゃないかというふうに思います。
○宮本委員 私は、もう先手先手に、否定しないんだったら、今からちゃんと手を打っていくべきだということを強く申し上げておきたいというふうに思います。それからもう一点、雇用調整助成金についてもお伺いしたいというふうに思います。今、もう既に希望退職を募っているだとか解雇だという話も、私のところにもいろいろ聞こえてくるわけです。政府の緊急対策で、要件が雇用調整助成金については緩和されました。しかし、特例の対象となる事業主は、日本―中国間の人の往来の急減により影響を受ける事業主であって、中国関係の売上高や客数、件数が全売上高等の一定割合(一〇%)以上である事業主に限られているわけですよね。私が聞いた話でも、例えば旅館に料理用の卵を卸している業者さんが、キャンセルが相次いで注文が来なくなって大変な事態になっているという話も伺っています。中国人の観光客を直接相手にしているわけではない業者は、今回の助成金の要件緩和でも、中国関係売上高等の割合を確認できる書類、こういうのは用意できない、助成の対象にならない、こういう声も上がっているわけであります。さらに、この間の屋形船の感染などを受けて、そもそも人が集まる行事を自粛しようという動きが出て、飲食店なんかの影響もかなり出てきているわけであります。そういう中で、やはり雇用調整助成金の要件は更に緩和していくということが必要じゃないかと思いますが、大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
○加藤国務大臣 現状は、今委員御指摘のように、中国関係の取扱い、これは売上高数とか客数などが一定割合、これは一〇%以上ある事業主を対象に雇用調整助成金の支給要件の緩和、いわゆる三カ月で見るところを一カ月にするという仕組みになっております。今、現場でいろいろな相談をさせていただいております。観光産業の方が比率的には高いところでありますけれども、今後、中国との取引以外での影響が増加していくということも想定されているところであります。そうした相談の中身を見ながら、これはまさに状況を踏まえながら、弾力的にこの対象を考えていきたいというふうに思っています。
○宮本委員 既に影響は出始めていると思いますので、しっかりと要件のさらなる緩和をお願いしたいというふうに思います。とりわけ、非正規の皆さんなんかは本当に首を切られやすい、雇いどめになりやすいという状況もありますので、しっかり手を打っていただきたいというふうに思います。加藤大臣はこれで御退席いただいて結構でございます。
○棚橋委員長 厚生労働大臣におかれましては、御退席されて結構でございます。
○宮本委員 きょうは菅官房長官に来ていただきました。けさほど来の議論を聞いておりました。私たちは、ANAインターコンチネンタルホテルと総理の答弁が食い違っている、やはり総理の側も書面で出すべきだということを繰り返し求めているわけですね。それに対して菅官房長官は、けさほど来のいろいろな答弁でもこう言っているわけですね。総理が答弁し、会議録に載っている事実は重い、こう繰り返すわけですよ。ですけれども、総理答弁は誰が見ても間違いを述べているんですね。繰り返し言っています。それはどこかといいますと、私の事務所が全日空ホテルに確認したところと、何度も繰り返してメモを読みながら答弁されていたわけですよ。このメモは、多分、事務所の方がつくったメモだと思うんですけれども、全日空ホテルってないですよね。ANAインターコンチネンタルホテル東京ですよ。全日空ホテルと呼ばれていたのは十五年も前のことなんですね。ですから、もう明確な間違いが書かれたメモを何度も何度も読まれていた。だからその総理事務所のやりとりというのは信憑性が感じられないわけですよ。だから、本当に、ANAコンチネンタルホテルのどういう責任のある方とどういうやりとりをしたのかというのは、やはり書面で出してもらうしかないんじゃないですか。違いますか。
○菅国務大臣 私も古くなったんですかね、全日空ホテルと言いました。ANAインターナショナルホテルですか。総理、委員から今お話ありましたけれども、この予算委員会で答弁をしている内容については、ホテル側から確認をとった上でお答えをしたものであるんです。このことは重いと思いますよ。この予算委員会の中で、責任ある答弁をしなきゃだめな場所でありますから、議事録に残るわけでありますから。それに尽きると思います。
○宮本委員 そのホテル側のホテル名すら間違っているわけですよ、それを何度も。しかも、古いから間違えたとかなんとかじゃなくて、どう見ても、メモを見て総理は繰り返し答弁されていたわけですよね。ですから、私たちは、極めて信憑性に欠ける、だから書面で出さなきゃいけないというふうに思っていますので、その点は総理に伝えていただきたいと思いますし、私はあのときの総理が読み上げていたメモも委員会に出してもらいたいと思いますよ。その上で、きょう通告しておいた問題に入りたいと思います。まず、桜を見る会の問題について、国会と行政府との関係の問題について伺いたいと思います。きょうは資料もお配りしております。私が桜を見る会の問題について調べて追及を始めたのはいつなのかということなんですが、ことしの桜を見る会というのは、桜を見る会をやった日から、安倍さんのお友達がたくさん来ているとか、あるいは野党批判のフェイクニュースのサイトをつくっている人物が招待されているだとか、インターネット上で大変問題になっていたんですよね。そういう中で、資料の一枚目、四月十六日の東京新聞、「「桜を見る会」何のためか…」、こういう報道がありました。参加者と支出が膨張して、与党枠が過半数に上るんだ、こういう報道があったわけであります。私はこれを見て、これは大変な問題だと思いまして、国会でただそうと思いました。そういう中で、五月十三日に決算行政監視委員会が設定されるという連絡がありました。そのために、質問通告のための資料要求を行ったのが五月九日であります。これは配付資料の二枚目。現物は、判こが押してあるのは別にあるんですけれども、それはちょっと余りにも書き込みが多過ぎて、もう一回、残っているデータそのものを打ち出させていただきました。この資料要求、五項目で、一、二、三、四、五とあります。私が一番関心があったのは、なぜ参加者がふえたのかという五項目めだったわけですね。「参加者が増加する理由を、具体的かつ詳細に説明されたい。」この五項目の要求を五月九日の十二時ごろに行いました。基本的な資料ですから、私は、ここに書いてあるとおり、その日のうちに出してくださいというお願いをしていたんですね。ところが、待てど暮らせど出てこなかったわけですよ。決算行政監視委員会は、土日を挟みますので、十日には質問通告しなきゃいけないから早く持ってきてくれと言っても持ってこなかった。それが事実経過だったわけであります。ですから、質問通告を終えるまで何一つ資料は出てまいりませんでした。ところが、ことしの一月二十一日になって招待者の内訳表というのが出てきたわけであります。これは資料をつけていないですけれども、これは、官房長官、ごらんになられていると思いますけれども、二〇一三年から一九年まで、それぞれ、総理大臣等の推薦だとか、省庁だとか、大くくりですけれども、どれぐらいの人が招待されたのか、下一桁までの数字が記されていたわけですね。それを見れば、なぜ招待者がふえたのか、参加者がふえたのか、それは、総理大臣等、政治家枠、与党枠がふえていったからだというのは一目瞭然だったわけですよ。ところが、その資料を八カ月にわたって隠蔽してきたわけですよ。私は、国会議員の資料要求、しかも、決算行政監視委員会で、まさに税金の使い方をたださなきゃいけない、そのための資料要求を行ったのに、それをずっと隠し続けたというのは許されない話だと思いますよ。官房長官も同じ認識じゃないですか。
○棚橋委員長 内閣府大臣官房長大塚幸寛君。(宮本委員「官房長官の認識を聞いているんだよ。あなたは官房長官か」と呼ぶ)その後、官房長官に。簡潔にお願いします。その後、官房長官に。
○大塚政府参考人 事実を御紹介させていただきたいと思います。委員御指摘の、今の配付資料の中にも五点ございましたが、このうちの、例えば招待者数の推移、参加者数の推移、予算額等々につきましては、その後の決算行政監視委員会で御質問、あるいはその後の個別の御説明等におきまして回答を差し上げているものと私ども承知をしてございます。それから、五点目の、参加者が増加する具体的かつ詳細な理由ということでございますが、こちらは、私どもとしては、これは該当する資料がなく、説明をしなかったということでございます。今御紹介のございました、内閣府が先般公にしたその内訳でございますが、これは当時も作成してございましたが、これは年によって分類や形式が少しずつ異なってございまして、対外的に招待者数の内訳を年を追ってきちんと御説明できるほどしっかりとした資料ではないと考えてございまして、当時の官房長にもこれは説明をしていなかったということだというふうに承知をしてございます。
○宮本委員 官房長官も資料をごらんになっていますよね、一三年から一九年、こういう招待者の内訳表があったんだということを。ことしの一月二十一日ごろか、私たちは一月二十一日ですけれどもね。今の説明で納得できますか。誰がどう見たって、総理大臣等の枠がふえている、与党枠がふえているというのを説明できる資料じゃないですか。それを隠蔽していたわけですよ。そうやって隠したことを、ああやってごまかそうとする。官房長官も、あの資料をごらんになったら、総理大臣等の推薦がふえたのは一目瞭然でわかりましたよね。なぜこれを出さなかったんですか。官房長官の言葉でお答えください。
○菅国務大臣 今官房長が答えておりましたけれども、基本的にはそのとおりであるというふうに思います。私自身は、この資料を見たのは一月二十日であります。これまでも国会等の場で、主に各省庁推薦以外の九千人の内訳について御指摘があり、当方から資料はない旨申し上げてきました。一方で、各省推薦分については、お求めに応じて内閣府から各省の推薦者名簿などをお示ししてきたのではなかったかと思います。
○宮本委員 いやいやいやいや、そんな答弁、だめでしょう。だって、あの資料を出さない理由はなかったわけですよ。説明できるじゃないですか。あるものすら出さない。詳細かつ具体的には説明できないけれども、総理大臣等がふえたことは説明できるじゃないですか。大まかには、なぜふえたのか説明できるじゃないですか。詳細じゃないから説明しない、出さなかったんだと。でも、大まかにでも説明できるものを何も、大まかに説明できるものすら出さなかったじゃないですか。そういうことを行政の側が立法府に対してやっていいんですか。問題でしょう。
○菅国務大臣 先ほど官房長が答弁したように、議員の要求の内容は、招待者数、参加者数の推移、予算額、主な内訳の推移、選考基準、参加者が増加する理由、そうだったというふうに聞いております。それらに対しては、五月十三日の決算行政委員会における議員の質問や、その後の個別の内閣府からのレクチャーなどにおいて回答しているものという報告を受けています。そして、先ほどのものについては、確かなものではないということで出していなかったということだったんじゃないでしょうか。
○宮本委員 いや、だから、出していなかったということじゃなくて、官房長官は、あれを見たら、なぜふえているかというのを説明できないと思いましたか、官房長官御自身は。彼らがそう説明しているかどうかという話じゃないんですよ。官房長官御自身は、あの内訳表、一三年から一九年までの残っているのを見たら、総理大臣等の推薦がふえているというのは判断つきますよね。判断つかなかったんですか。
○菅国務大臣 概略はわかったと思っています。
○宮本委員 そのとおりですよ。概略わかったものをなぜ出さなかったのかということなんですよ。やはり、概略がわかるものを出すべきだったんじゃないですか、官房長官。
○菅国務大臣 委員の要求資料の中に、具体的な、詳細なことということが書かれていたんじゃなかったでしょうか。そういう中で、そうでなかったから出さないと先ほど官房長が答弁したんだろうと思います。
○宮本委員 そんな恥ずかしい答弁をしないでくださいよ。具体的に詳細なものはないけれども、概略はわかるからこれを出しますというのが、本来、行政府がとるべき態度じゃないですか。しかも、国会で承認した予算とは全然違う金額を支出して、反省しなきゃいけなかったわけでしょう、桜を見る会は。そういうことをやっておきながら、そういう答弁は本当に情けないと思いますよ。次に行きますけれども、これは資料を隠蔽しただけではなくて、国会答弁でも隠し続けてきたわけですよね。配付資料の三ページ。五月二十一日の財務金融委員会で、私、この東京新聞の報道の中身を確認したわけですね。人数は与党絡みの方が多いというのは事実ですかと聞いたのに対して、当時の井野官房長は、詳細なプロセスにつきましては回答を控えさせていただきたいと答弁しているんですよ。今では皆さんも、与党枠がたくさんあるんですよ、こういうこともお認めになっているわけですけれども、答弁でも言われるわけですよね。記者会見でも、十一月から官房長官もおっしゃるようになりました。ところが、この五月の二十一日の時点では、人数は与党絡みが多いのですかという、今では皆さんも公然と説明することについて、回答を差し控える。国会に対して、明らかにできることを隠したわけですよ。一体、誰の判断で回答を差し控えるなんていう答弁をこの時点でしたんですか。
○大塚政府参考人 お答えをいたします。私の前任の官房長の話でもございますので、確認いたしましたところ、そのお話のあった委員会の場では、該当する資料が手元になく答弁を差し控えたという趣旨で申し上げたということでございました。それから、まさしくそのときの、委員の御指摘の内訳表ということでございますが、先ほど申しましたように、あくまでもこれはごく担当者レベルでつくっていたものでございまして、そのとき、当時の官房長に対してもこの内訳表の存在自体が説明をされていなかったということでございました。
○宮本委員 そんなことは成り立たないですよ。だって、私、五月九日にちゃんと資料要求しているんですよ。ずっとずっと私はただし続けてきているわけです、その後。手元になかったからこういう、回答を差し控えるという答弁をするんだったら、今手元にないからと言えばいいじゃないですか。そんなことは言っていないじゃないですか。手元にないから委員会が終わるまでに答えられるようにしますと言えばいいじゃないですか。そう言っていないわけですよ。そういう後づけの理由を言わないでいただきたいんですよね。本当にひどい隠蔽が行われました。さらに、この五月二十一日は、ほかにも虚偽答弁があるんですね。資料の四ページを見ていただきたいと思いますが、私が、招待状を発送するところがふえている省庁はどこですか、私は内閣官房だと思ってこういうことを聞いたわけですね。ところが、これに対して、特段、各省庁等に枠というものを設けているわけではございません。これは完全な虚偽じゃないですか。皆さん、各省庁に対して推薦枠を示して、毎年毎年やっているじゃないですか。誰の判断でこんな虚偽答弁をやったんですか。
○大塚政府参考人 お答えをいたします。これも当時の前任の人間に確認いたしましたところ、各省に対しましては、前年の人数などを参考にして、招待者数の目安は示しておりますが、例えば、その人数の範囲内であれば確実に招待できるというものでも、それから、その人数以下でなければならないというものでもないことから、そういった意味を込めて、枠を設けているわけではございませんと答弁したということでございました。
○宮本委員 目安と枠があたかも違うかのような、でたらめな説明をしないでくださいよ。(発言する者あり)
○棚橋委員長 御静粛に。
○宮本委員 これは、私は資料をつけていますよ。これは後ろの方、ちょっと後で使おうと思うんですが、九ページのところだって、各省庁推薦枠と、これは小泉内閣時代の公文書のところにありますけれども、枠という言葉を使っているじゃないですか。目安という言葉なんて使っていないですよ。皆さん、枠という言葉を昔から使ってきているじゃないですか。違いますか。枠という言葉を一度も使ったことはないんですか。言ってください。(発言する者あり)
○棚橋委員長 恐縮です、お静かにお願いします。
○大塚政府参考人 委員の今の御指摘の文書の中でも枠という言葉自体が用いられていることはもちろん承知をしてございます。ただ、その上で、まさしく、ここで枠というものを設けているわけではないというふうに答弁を申しましたのは、先ほど申し上げたように、その人数の範囲内であれば確実に招待できるというものでも、その人数以下でなければならないというものでもないことから、枠を設けているわけではございませんというふうなお答えをしたということでございました。
○宮本委員 そういうでたらめな詭弁ばかり言って、本当に恥ずかしい限りですよ。官房長官もそう思いませんか、今の話を聞いていて。隠そう、隠そう、隠そう、宮本は与党をやったことがないから与党枠の存在を知らないだろう、そう思って、いろいろなことを隠そう、隠そう、隠そう、そういうことでこういう答弁をやったんじゃないんですか。そう思いませんか。
○菅国務大臣 今の官房長の前の官房長が当時答えたことであります。私自身、当時の官房長がどういう認識で答弁されたのかということは詳細には承知しておりませんので、私自身の感想というものも、今、控えさせていただきたいと思います。(発言する者あり)
○棚橋委員長 御静粛にお願いいたします。
○宮本委員 私、そんなに難しい質問を五月九日の資料要求からしたわけじゃないんですよ。極めて簡単な、事実について確認する質問をやりました。五月二十一日、麻生大臣も財務金融委員会だから聞かれていたと思いますけれども、それをひたすら隠そうとしたわけですよね。結局、安倍政権のもとで、総理大臣等の与党の推薦枠はどんどんどんどんふえていった。これは知られたらまずいなとそんたくをして、役所の皆さんが初めから隠したんですよ。官僚の皆さんが隠したわけですよ。ですから、官僚の皆さんもとんでもないと思いますけれども、その大きな原因をつくったのは、桜を見る会、でたらめに参加人数をふやしていった総理と官房長官の責任も大きいと思いますよ。そのことは厳しく指摘しておきたいというふうに思います。そして、初めから私に対して資料は隠すということをやってきたわけですけれども、虚偽答弁を行う、やってきたわけでありますが、五月九日の私の資料要求の直後に、政府の説明では、シュレッダーで人事課の桜を見る会のファイル一式の中身を廃棄をし、電子媒体も同じころに廃棄したという説明でございます。ちょっと確認したいんですけれども、この人事課の桜を見る会のファイル、このときにシュレッダーで廃棄し、電子媒体も廃棄した、中は何が入っていたのか。招待者名簿、推薦依頼文書、招待区分六十を示す文書、ほかにもどういうものがあったのか、具体的に教えていただけますか。
○大塚政府参考人 お答えをいたします。御指摘の、昨年五月に内閣府人事課が廃棄をしていた文書でございますが、このファイルには、桜を見る会の招待者名簿のほか、各省庁に対する推薦依頼文書ですとか、それから各省庁から提出を受けた推薦者名簿、招待状の発送事務に関する文書、こういったものが入っていたということでございます。
○宮本委員 資料の六ページをごらんになっていただきたいんですけれども、これは、私が国立公文書館で確認した小泉政権時の内閣府人事課の桜を見る会の決裁ファイルに入っていたわけでありますね。招待区分六十など、招待区分がそれぞれどこに該当するのかという文書も入っていたわけですが、こういう招待区分が、それぞれの番号がどの招待区分を指すのかということがわかる資料というのも二〇一九年の桜を見る会はつくっていたということでいいわけですよね。
○大塚政府参考人 お答えをいたします。私どもも、この一八年の、桜を見る会に関する公文書館の資料ということで、私どもは廃棄いたしましたが、事実として、これが当時の資料として残っているものだろうというふうに考えております。
○宮本委員 違いますよ。二〇一九年の桜を見る会についても、招待区分のそれぞれの番号がどの招待区分を指すのかがわかる文書をちゃんとつくっていたのではないですかということを聞いているんです。
○大塚政府参考人 当然、そうした区分番号が何を指すかといったようなものにつきまして、例えば発送業務に関してつくっていたのではないかといったようなことも、私自身はちょっとそれ、ごくごく担当者レベルの作業にかかわる話でございますので、承知もしておりませんし、何か詳細に報告を受けたこともございませんが、そういった発送業務に関して、そうした区分番号は何を指すかということは一応承知をしていたというふうに伺っております。ただ、いずれにしましても、招待状の発送事務に関する文書は保存期間一年未満文書として既に廃棄をしてございまして、関係者に確認いたしても、それ以上のことはわからないということでございました。
○宮本委員 当然つくっているわけですよね。昨年、私が十一月に質問した際に、この人事課が、桜を見る会のファイルについて、二〇一八年も二〇一九年と同様のタイミングで廃棄したというふうに説明されています。そして、このファイルには、先ほどお話がありましたように、招待者名簿以外にも、推薦依頼文書だとか、あるいは招待区分の意味を記した文書などが入っていたわけですね。そうすると、私、どうしてもわからないことがあるんですよ。役所というのは前例主義、文書主義で仕事をされておられる。官房長官もよく繰り返されておられます。招待区分の番号は長年引き継がれているわけですね。推薦依頼の文書も当然引き継がれていると思うんですけれども、これは次の資料の七ページ目と八ページ目に載せています。二〇一九年の桜を見る会の推薦依頼、これは総務省宛てに出たものですね。各省庁宛てに子細に、どれぐらいの人をどう推薦してほしいのかというのを内閣府の人事課から各省庁宛てに発出されているわけです。この一八年と一九年を見てもらえばわかりますけれども、ほとんど変わらないんですよ。ほぼ同じですよ。問題は、二〇一八年のこうした文書なしに、どうやって二〇一九年のこの文書ができ上がったのかということなんですよ。毎年同じ時期に桜を見る会のファイルは捨てている、二〇一八年、一九年、捨てている。ところが、二〇一八年のものを捨てているのに、一九年に一八年と全く同じものができ上がってくる。全部一言一句頭の中に記憶しているのか、それとも、本当は廃棄していないのか、何らかの形で文書を残していたのか、どちらかなんですよ。どっちですか。
○大塚政府参考人 お答えいたします。その推薦依頼の作業に当たりましては、人事課自体がほかにも式典等を担当し、まずノウハウがございます。それから、基本的には毎年適宜作成しておりますけれども、例えばその前年の例を参照する必要がある場合には、内閣府の中でもそういった推薦依頼文書を一年以上保存している部署もありますし、また、場合によっては各省との間でもそうした確認が、必要があればできるということもございまして、そういったことを経て作成をしているものというふうに承知をしてございます。
○宮本委員 驚きですね。驚き桃の木山椒の木ですよ。ほかの省庁に、例えば総務省の文書は、総務省にお願いをして、昨年の分を出してもらってこれをつくったと。官房長官、政治家として判断していただきたいんですよ。本当にそんなことをやっていると思いますか。
○菅国務大臣 事務的な話であります。そういう意味で、今は官房長が答えたとおりじゃないでしょうか。
○宮本委員 いやいやいやいや、本当にそう思いますか。では、それぞれの全省庁に問い合わせたんですか。全省庁にいつ問い合わせたのか、そのやりとりの文書を提出していただきたいと思います、私の事務所に。きょうじゅうにお願いします。
○大塚政府参考人 お答えいたします。その推薦依頼に係る文書につきましては、先ほど申しましたように、一年未満文書として既に廃棄をしておるということを重ねて申し上げたいと思います。それから、余りにも不自然ではないかというお尋ねかと思いますが、もともと、その名簿自体をやはり一年未満としていることもございます。そうした文書について、では、推薦依頼は一年以上、推薦者名簿は一年未満という区別をしてしまいますと、それはそれでまたわかりにくく、その管理上の事務も煩雑となるということもございます。そうしたことも含めまして、全体を一年未満としているところでございます。
○宮本委員 私の質問に答えていないです。それぞれの省庁に文書が残っているから、それを参考にしたというふうにさっきおっしゃったわけですよ。だったら、その証拠を出していただきたいと思うんですよ。これ、どの役所じゃないですよ、全部の役所、それぞれ人数が違いますよ。ところが、毎年ほぼ同じ人数になっているんですよ。ですから、今の官房長の説明が本当だったら、全ての省庁に対して推薦依頼文書を取り寄せておかなきゃできないんですよ。それを出してくださいというやりとりをした記録を、きょうじゅうに私の事務所のところに出していただけますか。
○大塚政府参考人 繰り返しで恐縮ですが、推薦のそのプロセスにかかわるものは、その名簿とともにファイルにとじてございますけれども、その一件の資料につきましては、既に一年未満ということで廃棄をしているということでございます。申しわけございません、重ねて。先ほど申しましたが、各省に聞いたと申しますのも、一方で、いろいろな式典に関するノウハウもあり、また、必要に応じてそういう各省にも聞けるような状況にあったということでございまして、では、具体的にどういう形で聞いたかということは、現時点では記録は残ってございません。
○宮本委員 記録が残っていないと。記録が残っていないんですよ。記録がないことを何で答えられるんですか。官房長官、今のやりとりを聞いて、目を覚ましていただきたいんですよ。おかしいでしょう。こんな同じものができ上がる、各省庁に問い合わせていると言ったけれども、では、各省庁に問い合わせた記録はあるのかと言ったら、記録はありませんと。この答弁自体がでっち上げの可能性の方が強いんじゃないですか。こんなもの、全く同じものが今の説明ででき上がるはずがないわけですよ。官房長官、調査してくださいよ。(発言する者あり)
○棚橋委員長 御静粛にどうかお願いいたします。お願いいたします。
○菅国務大臣 極めて事務的な話であって、こうしたことについては私自身のところまで全く上がってきませんし、官房長のもとで処理されているんだろうというふうに思います。ですから、官房長が答えたとおりであると思います。
○宮本委員 私と官房長のやりとりを聞いて、私の方がおかしいと思いますか。多分、与党の委員の皆さんも含めて、官房長が言っている方がおかしいと思いますよ。私、聞かれている与党の委員の皆さんにも聞きたいと思います。私が言っている方がおかしいと思う方、手を挙げてください。一人もいないじゃないですか。(発言する者あり)だから、官房長官……
○棚橋委員長 宮本徹君に申し上げますが、質問者は挙手を求める場面ではございません。
○宮本委員 失礼いたしました。以後、気をつけます。官房長官、それが、このやりとりを聞いたら、普通の政治家が思う感覚です。今まで、全部、物は私の資料要求の前後に廃棄した、電子媒体もないということを説明してきました。政府はそう説明してきました。官房長官もその説明を繰り返してこられましたけれども、私は、その説明ではどうしてもみんなを納得させられない事実をきょうは提供しました。この推薦依頼の文書は、捨てていたら同じものはでき上がらないんですよ。だから、大きな矛盾があるんです。廃棄ということ自体がうそだったのではないのか。廃棄のログも含めて調べていただきたいと思うんですよ。本当にそこは政治家としての判断ですよ。
○菅国務大臣 宮本委員は、五月九日ですか、ファイルが廃棄をされた……(宮本委員「廃棄されたと思っていないです」と呼ぶ)ということでありますけれども……(発言する者あり)
○棚橋委員長 お静かに。
○菅国務大臣 五月九日の宮本議員の資料要求について、きょう御本人が出されていますけれども、招待者名簿というのはないんです。(宮本委員「別に招待者名簿なんて求めていないですから」と呼ぶ)求めていないです。そうしたことが、あたかも、資料要求があったので、それを逃れるためにこの招待者名簿を廃棄したかのような報道がなされていることは極めて遺憾であるというふうに思います。今、皆さんのところにありますけれども、この五項目の資料要求の中に招待名簿というのは入っていないんです。(宮本委員「私が聞いていることに答えてくださいよ」と呼ぶ)
○棚橋委員長 宮本君、答弁中ですから。(発言する者あり)御静粛に。お静かに。
○菅国務大臣 そして、実際には、資料要求が来ていることを知りながら廃棄したということでなくて、連休前の四月二十二日、シュレッダーの予約に基づいて、予定どおり廃棄を行ったということであり、その予約表も国会に提出しているものではないでしょうか。(発言する者あり)
○棚橋委員長 お静かに。
○菅国務大臣 今、これは、廃棄したのが、していないと言われたものですから、事実関係をやはり説明する責任があると思いますよ、これだけ大きな問題ですから。招待者名簿そのものは資料要求の対象になっていなかったんです。ぜひ、このことを私は皆さんにも知っていただきたいというふうに思います。ここは明確に求めていきます。ですから、私は、役所の人間が四月二十二日にシュレッダーの予約をして、そして五月九日、宮本委員から資料要求のあったのは十二時ごろですよ。そして、国会連絡室に資料要求があって、その日、四月二十二日の予約どおり、十三時二十分から人事課の職員がシュレッダー室でかけているのが事実でありますから、シュレッダーのことを、しているかどうかということを疑っているということでありましたので、事実関係をしっかり説明をさせていただきました。(発言する者あり)
○棚橋委員長 お静かに。
○宮本委員 私の質問に答えずに、関係ないことをべらべらべらべらしゃべって、本当にそういう不誠実な態度が役所の皆さんにまでうつってこういう事態になっているんじゃないですか。
○棚橋委員長 宮本君、申しわけないんですが、申合せの時間が大分過ぎておりますので。
○宮本委員 では、官房長官がべらべら言ったことに対して、反論だけやって終わりにさせていただきます。四月二十二日に予約がされました。それは何を廃棄するための予約だったかということについて記録は残っていません。私は、何が廃棄されるための予約なのかというのは大体わかりました。それは、桜を見る会の招待者名簿というのは、各部門でたくさん増し刷りして使っているんですよ。十何セットあるんですよ、担当者に聞きましたら。それは確かに膨大だから毎年同じ時期に捨てますよ。ところが、行政文書としての招待者名簿は、推薦依頼文書や各省庁から上がってきた名簿や、あるいは発送事務の作業のものと一緒に、ファイルに、これぐらいの厚さで、ちゃんと毎年とっていたわけですよ。
○棚橋委員長 申しわけない。もうちょっと簡潔にお願いできませんか。もう申合せの時間が大分過ぎております。
○宮本委員 それを、官房長官がおかしなことを言うから、多分役所から事実が伝わっていないから、私が事実であろうということを伝えているわけですよ。
○棚橋委員長 申合せの時間を大分過ぎておりますので、簡潔にお願いします。
○宮本委員 私は、時間切れを狙うような官房長官のやり方には厳しく抗議して、もう、きょう与党の皆さんも恐らくわかったと思います。廃棄したというのはうそだ、絶対何らかの形でデータは一式残っている、あるいは、捨てたとしたら割と近しい時期だとしか考えられません。重ねて、きょうのやりとりを真摯に振り返っていただいて、調査をしていただくこと、廃棄のログを提出いただくことを求めまして、質問を終わります。
○棚橋委員長 これにて宮本君の質疑は終了いたしました。次回は、明二十日午前九時から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。