2020年2月25日予算委員会分科会 奨学金のさらなる救済措置を
重すぎる奨学金の返済に窮している人が少なくありません。
JASSOの貸与奨学金は、経済困難による猶予期間を5年前に10年にのばしました。しかし猶予期間が、9年をこえている人は1076人にのぼっています。猶予期間の延長など、さらなる救済措置を求めました。
≪第201回2020年2月25日衆院予算委員会第4分科会第1号 議事録該当部分抜粋≫
○宮本分科員 よろしくお願いしたいと思います。時間もなくなってまいりましたけれども、奨学金制度についてお伺いしたいと思います。五年前に、JASSOの貸与奨学金について、経済困難による返済猶予期間をそれまでの五年から十年に延ばしました。資料を配付しているものの裏面に、文科省につくっていただいた資料を配付させていただきました。十年に延びたわけですけれども、今、九年から十年の間に、九年以上ですね、猶予期間になっている方が千七十六人いらっしゃるということなんですね。千七十六人ですから、選挙区単位で見れば、どの選挙区にも三、四人いる、平均的にはそういうことなのかなと思います。私の地元の方でも、都内の有名私立大学に通っていて、博士課程まで進んで、奨学金を全部で一千万円借りた方がいらっしゃいます。若い未来ある研究者だったんですが、ただ、大学でパワハラに遭って体調を崩してしまって、働けなくなってしまった。体調はよくなったり悪くなったりして、今、返済猶予期間にあるわけですけれども。この返済猶予の期間が十年に及ぶという方というのは、やはりそれぞれさまざまな困難があるというケースが私は大変多いんじゃないかというふうに思うんですよね。十年過ぎたら、じゃ、一千万円ある人が返せと言われて返せるのか。それは、そういう道はなかなか実際にはなくて、自己破産だとか、そういう道を選ぶしかないのかなというふうになってしまうわけであります。これはやはり、さらなる救済制度がこの段階で必要ではないかというふうに私は考えております。猶予の期限を更に延長するのか、あるいは旧所得連動型の場合は、親御さんが年収三百万円以下、本人も年収三百万円以下だったら期限なく返済猶予が続くわけでありますが。どういうやり方がいいのかというのはありますけれども、この一千人ぐらいの方が、これからまた恐らく毎年こういう返済猶予期限が切れる方があらわれると思うんですが、この方々へのさらなる救済措置をぜひ検討していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○萩生田国務大臣 さまざまな事情によって、卒業後、厳しい経済状況に置かれ、奨学金の返還が困難な方に対してはきめ細かな対応が必要と考えており、これまでも、返還期限を猶予する年数制限の延長や、減額返還制度における期間の延長など、返還者の立場に立って制度の充実を図ってきたのは先生今御指摘のとおりです。一方、返還期限猶予制度については二〇一四年に年数制限を従来の五年から十年に延長したところであり、奨学金事業について返還金が次の世代の原資となるため、事業の健全性確保の観点からも猶予期限のさらなる延長は難しいと考えております。所得連動型の返還を制度導入以前の貸与者に適用することは、既に返還を完了している者との不公平が担保されないことや、返還金が大幅に減少し、事業の健全性が確保しづらくなることなどの課題があり、また、有利子奨学金を所得連動型の対象とすることについては、返還者の所得が低く、返還月額が低額となる場合、利息の支払いが増大し、より返還者の負担を増大させることになる懸念があります。経済困難による返還期限猶予の十年を超える場合であっても、条件を満たせば減額返還制度や他の猶予制度への移行も可能としており、このような制度も利用しつつ、少しずつでも返還をいただきたいと考えておりますが、今先生御指摘になったように、例えば病気などで実際に働くことができない環境にある人たちについては、個々の対応というのをしっかりしてまいりたいと思います。全く無防備で、収入がない中でその返済を求めるような制度ではないということだけは御理解をいただきたいと思います。
○宮本分科員 時間になりましたので、これで終わりにしたいというふうに思います。ありがとうございました。