第16回「感染実態解明野党合同ヒアリング」 PCR目標示さず 医療現場支援を要求

 日本共産党と、立憲民主党、国民民主党などの共同会派は1日、国会内で新型コロナウイルス感染実態解明についての野党合同ヒアリングを行い、安倍晋三首相が8月28日の記者会見で1日20万件の検査体制を目指す方針を示したことについて追及しました。
 厚労省の担当者は「主に抗原検査の簡易キットを拡充し、20万件までまかなえるようにする」と説明。野党議員の「PCR検査の拡大目標はいくつか」との質問に、「設定していない」などと述べました。
 日本共産党の宮本徹衆院議員は「簡易キットでは発症前の無症状者は捕捉できない」と指摘。政府が医療機関や介護施設などに勤務する人には定期的な検査を行う方針を示していることに触れ、「こうしたことはPCR検査や抗原定量検査でないとできない。検査拡大の方針を出したのならそれに伴う目標を国として示すべきだ」と主張しました。
 新型コロナウイルス感染症の感染症法上の分類を「2類」から引き下げることについて議論に。引き下げに伴い想定される入院勧告の見直しについて厚労省の担当者は「今までも軽症・無症状の方は自宅療養などを行ってきた。もう少し柔軟な形でできるか検討する」としました。野党議員は「入院勧告をやめたら家庭内感染が増え、重症化リスクの高い高齢者への感染も危惧される。そもそも感染防止対策としてマイナスになる」と批判しました。
 また野党は、安倍首相が会見で「医療機関の安定的な経営を確保するための、さらなる支援を行う」と述べたことを取り上げ、支援を具体化するよう求めました。
 日本共産党から田村智子政策委員長も参加しました。

以上2020年9月2日付赤旗日刊紙より抜粋(写真は赤旗提供)