野党合同ヒアリング『持続化給付金、GoToキャンペーン』 休業支援金進まぬ支給 野党が改善要求
新型コロナウイルスの影響で仕事を休まされた中小企業の労働者を支援する政府の「休業支援金・給付金」が、申請開始から3カ月たっても予算額の4%未満しか支給されていないことが分かりました。14日に国会内で開かれた野党合同ヒアリングで判明したものです。
ヒアリングで野党側は、企業側から休業させられたのに支給を受けられないという労働者の訴えを紹介。日本共産党と立憲民主党などの議員が制度の改善を訴えました。
休業支援金・給付金は中小企業の労働者が雇用者の指示で休業し、休業中に休業手当が支払われない場合に労働者個人に支給される制度。金額は休業前賃金の8割(日額上限1万1000円)です。
政府は第2次補正予算に5442億円を計上し、7月から申請を開始。ところが8日現在で支給決定額は約207億円で、予算額の3・8%にとどまっています。申請件数は13日現在で約51万1000件。うち支給が決まったのは約30万件で、約58%となっています。
ヒアリングには、式典のイベント会社でパート勤務していた30代の女性が電話で参加しました。5月以降に収入がほとんどなくなったにもかかわらず、事業主から「休業の命令はしていない。仕事があれば要請する」として申請書の企業記入欄に記入してもらえなかったと証言しました。
野党議員らは「このような事例は給付される数より多い」と指摘。立憲民主党の塩村文夏参院議員は「事業主が記入しなくても申請できるように」と求めました。
またイベント関連の大企業で非正規雇用として働く東京都の男性も電話で参加。平均25万円程度あった収入が3月後半から途絶え、最終的に退職したといいます。この男性は勤め先が大企業のため支給対象外です。「会社は何度求めても非正規雇用に休業手当を払わないという。できるだけ早く制度を拡充してほしい」と訴えました。
日本共産党の高橋千鶴子衆院議員は「大企業であっても労働者は困っているので、支援すべきだ」と主張しました。
以上2020年10月15日付赤旗日刊紙より抜粋