2021年4月14日 衆院厚生労働委員会 医療費2倍化 健康被害否定根拠ない

提出資料 厚生労働省資料
提出資料 全日本民医連加盟病院が実施したアンケート結果(2021年2月22日時点)
提出資料 内閣官房 AI等シミュレーション開発事業「室内CO₂濃度を換気の指標として利用する研究」
提出資料 東京都資料

 日本共産党の宮本徹議員は14日の衆院厚生労働委員会で、75歳以上の人に窓口2割負担を導入する「高齢者医療費2倍化法案」が患者の受診控え・重症化を増やす危険性をただし、‶ただちに健康に影響しない”との菅義偉首相答弁には根拠がないと批判しました。
 宮本氏が2割負担の影響をただすと、厚労省の浜谷浩樹保険局長は年10万円以上の負担増になる人は、激変緩和中の約5千人から3年後の緩和終了後の給付費削減分の年2190億円のうち1050億円が受診控えによるものだとの試算も明らかにしました。
 田村憲久厚労相が「負担能力がある人に分かち合ってもらう」と言い訳したのに対し、宮本氏は2割負担対象の年収200万円でも、すでに受診を我慢している事例があったとの民医連の調査を示し、「負担能力があるというのは間違いだ」と迫りました。
 宮本氏はどのような病気の患者に受診控えが多いかとただしましたが、浜谷局長は‶受診控えはマクロの数字”で、疾病ごとの影響は示せないとの答弁に終始。過去の負担増に伴う受診控えの影響も示せないとしたため、宮本氏は、菅首相の「ただちに健康への影響を意味するものではない」(8日の衆院本会議)との答弁には「根拠がない」と批判しました。
 糖尿病などで自覚症状が薄いと受診控えや重症化が起こりやすい実態を示し、「負担増の影響を分析もせず法案を押し通すのは無責任だ」と強調。負担は富裕層・大企業にこそ求めよと迫りました。

以上2021年4月15日付赤旗日刊紙より抜粋

≪2021年4月14日 第204回衆院厚生労働委員会第11号 議事録≫

○とかしき委員長 次に、宮本徹君。(発言する者あり)御静粛に願います。
○宮本委員 日本共産党の宮本徹です。七十五歳以上の医療費の二倍化法案について質問いたします。今朝から、この二割負担導入が受診抑制をもたらすんじゃないのかとずっと議論されております。私も本会議でその点を聞いたら、総理からは、直ちに患者の健康への影響を意味するものではないという答弁があったわけですけれども、負担を増やして、病院にかかれなくしておきながら、健康に影響しない、そういうはずがないわけですよ。それで、ちょっと幾つか、数字だとかだけお伺いしておきたいと思いますが、まず、二割負担の導入による受診行動の変化で給付費が九百億円減るという答弁があるわけですけれども、これは配慮措置中の額なわけですよね。配慮措置終了後の二〇二五年度の給付費の減額は二千百九十億円と政府は見込んでおりますが、このうち受診行動の変化によるものは幾らですか。
○浜谷政府参考人 お答えいたします。御指摘の二〇二五年度満年度の給付費減二千百九十億円につきましては、これは施行後三年間適用される配慮措置の影響も含めた財政影響でございますけれども、そのうち受診行動の変化による減少は一千五十億円と試算をいたしております。
〔委員長退席、門委員長代理着席〕
○宮本委員 つまり、三年間の配慮措置が終わったら、受診抑制の額は給付費で一千五十億円。かなり大きな金額ですよね。後期高齢者の今の給付費が十六兆円台だと思いますけれども、その中の一千五十億ということであります。あと、この二割負担の導入で十万円以上負担が増える方について、本会議では五千人という答弁があったわけですけれども、これも配慮措置中の数だと思うんですよね。配慮措置が終了したら、二割負担導入で十万円以上負担が増える方は何人見込んでいますか。
○浜谷政府参考人 お答えいたします。今回の窓口負担の見直しによりまして負担が年十万円以上増える方は、見直しの対象となる三百七十万人のうち、〇・一四%に当たる約五千人程度と見込んでおります。一方で、配慮措置を考慮しない場合には約一万二千程度と見込んでおりまして、これは、見直しの対象者三百七十万人の約〇・三%でございます。
○宮本委員 一万二千人もの方が、二割負担導入で十万円以上も負担が増えると。ちなみに、この十万円以上負担が増えるケースというのは、どういう病気にかかられているケースが多いでしょうかね。
○浜谷政府参考人 お答えいたします。外来につきましては配慮措置が設けられておりますので、外来のみでは年間の最大負担増加額は三万六千円でございまして、外来だけでは年間十万円には達しないわけでございます。このため、増加額が年間十万円以上となりますのは、外来に加えまして、入院による自己負担の増加が少なくとも年間六・四万円、つまり十万円から三・六万円を引いた額でございますけれども、これ以上あるケースでありまして、通常の外来に加えまして、一定期間以上の入院をする方となります。こうしたことを踏まえますと、増加額が年間十万円以上となりますのは、例えば、ふだん定期的に通院をしている方が更に入院をしたようなケース、あるいは一月当たりの医療費が比較的少ない入院が長期となっているケースなどが考えられるところでございます。なお、負担増となる方につきましては、入院、外来が今申し上げましたように組み合わさった事例も多くあるということでございまして、様々なケースが考えられることから、重立った傷病ということで取り上げるのはなかなか難しいものと考えております。
○宮本委員 外来最大三・六万円の負担増というのは、それは配慮措置中の話ですよね。配慮措置が終わったら、外来も更にもっと増える方がいるということだと思いますけれども。先ほど局長の答弁があったとおり、入院される方は十万円を超す負担になる方がかなり出るということなんですね。私のところにもこんな話が来ているわけですね。がんが見つかり入退院を繰り返しています、二割負担になると生活が成り立たなくなるのではと心配ですと。やはり、がんの治療が始まって入退院を繰り返す、こういう方はかなり大きな負担になっていくわけですよね。ただでさえ、がんで、いろいろな不安も抱え、治療でもかなり体に負担がある。精神的にも肉体的にも負担がある上に、財政的にも、治療を続けること自体が暮らしと両立しないんじゃないかという不安を与えるぐらいのことを今回やろうとしているということであります。あと、もう一点お伺いしますけれども、配慮措置が三年で終わりますけれども、そうすると、二割負担の導入で最も負担が増えるケースというのは、幾らぐらい本人負担が増えるんですか。
○浜谷政府参考人 お答えいたします。今般の改正の対象として検討しております一般区分につきましては、外来の自己負担の上限は年間で十四・四万円でございます。したがいまして、配慮措置終了後における外来のみの年間の最大の負担増加額は七・二万円でございます。一方、入院につきましては、自己負担の上限は月額五万七千六百円でございます。したがいまして、理論上はということでございますけれども、一月当たりの自己負担の増加額は最大二万八千八百円でございまして、これが仮に十二か月続く場合の額は約三十四・六万円ということでございます。
○宮本委員 相当な、最大、理論上の数字ということをおっしゃいましたけれども、本当に、入院しなきゃいけない大きな病気、先ほどがんというお話もしましたけれども、などとかということになって、治療が長引けば長引くほど、相当な負担が増えるということなわけですよね。それで、今日、資料をお配りしておりますけれども、配付資料の二枚目を見ていただきたいんですけれども、これは、西日本にある、ある医療機関、全日本民医連に加盟している病院がいろんな患者さんだとかに取ったアンケートのうち、七十五歳以上の方についてのものをいただいたものであります。収入ごとに聞いているアンケートです。ちょっと収入は答えていないという方もかなりいらっしゃるわけですが。これを見ると、医療費を理由に受診をためらったり我慢したことがあるのかということを聞くと、五百一人の回答された方のうち、我慢したことがあると答えた方が七十三人いるわけですね。それは、これを見たら分かりますけれども、収入が多いほどそういう比率は低いわけですけれども、二百万円の収入の方でも、当然そういう方は現状でもいらっしゃるわけですよ、現状でも。田村大臣、今でも、医療費の負担を理由に、年収単身二百万円以上の方でも受診をためらう、こういう現実がある、そういう認識はありますか。
○田村国務大臣 その医療費というのがどれぐらいの医療費を意識されておっしゃっておられるのかというのがなかなかちょっと分からないものでありますから、ここでにわかに、具体的な対象、つまり、どういう治療なのか、どれぐらいかかる医療なのかということが分からないので、このアンケート自体の、どう分析したらいいのか、ちょっとここではコメントのしようがないということであります。
○宮本委員 この手のアンケートはたくさんいろんなところでやられていますけれども、どれもこれも同じような傾向ですよ。今でも、やはり年金生活者の皆さんはそう収入が増えていくわけじゃないですから、未来にわたって年金は削られていくというのが見えている中で、できるだけ、医療費も含めて、我慢できるものは我慢しようということはあるわけですよね。私のところに来ている声でも、少しの痛みや我慢できそうな痛みは、医療費を考え、行くのをためらうというような声がたくさん来ているわけであります。今でもそういう状況。にもかかわらず、窓口負担を一割から二割、二倍にしていく。これはどう考えても、必要な医療を我慢しなければいけない、こういう事態になることは明々白々じゃありませんか、大臣。
○田村国務大臣 日本の制度は、例えば高額療養費があったりでありますとか、今回の場合は、今ほど来委員がおっしゃっておられるとおり、当初三年間は、外来に関しては増加分三千円という上限を組ませていただきながら、緩和措置等々を踏まえておるわけであります。いずれにいたしましても、必要な医療をしっかりと受けていただかなきゃならないということは我々も念頭に置きながら、一方で、やはり、この医療保険制度、後期高齢者医療保険制度も含めて、持続可能性という大きな課題、これは、人口構成が変わる中において、どうしても今よりはそれぞれが、これは今回、言うなれば負担の若干緩和になる若年者層、つまり現役世帯層も、これからまだ負担はそれでも上がっていくわけでございますので、その負担というものをどのような形で負担能力のある方々に分かち合っていただくかということの中においての今回の御提案であるということを御理解いただければというふうに思います。
○宮本委員 負担能力が本当にある方に負担をしてもらうというんだったら分かるわけですよ。立憲民主党さん、後期高齢者の保険料の賦課限度額、上限を上げようと。これは、負担能力がある方に負担してもらおうという議論ですよ。だけれども、現状でも、年収二百万円の年金生活者の方も、今でも医療費の負担が気になって、我慢できるところは我慢しようというのが起きているわけですよ。そういう方に負担を求めるというのは間違いですよ。その方々は負担能力があるという考え方自体が私は間違いだと言わなければならないと思います。ちょっとお伺いしますけれども、二割負担の導入で受診行動が変化すると皆さん試算されているわけですが、これはどういう疾病が多いんですか。
○浜谷政府参考人 お答えいたします。受診行動の変化につきましては、いわばマクロでの受診行動の変化ということでございまして、個々の疾病でどのような影響があるかということが示されるものではないということでございます。
○宮本委員 今、長妻さんから無責任だという話があったと思いますけれども、極めて無責任ですよ。だって、総理は、この受診行動の変化について、直ちに健康への影響を意味するものではないという答弁をされたわけですよ。ところが、これはマクロの話であって、個々の疾病については分からないと。個々の疾病については分からないのに、健康への影響を意味するものでないなんて、断定なんてできないじゃないですか。
○浜谷政府参考人 お答えいたします。先日の衆議院の本会議におきまして、総理より、令和四年度満年度の給付費減のうち、受診行動の変化による減少は九百億円と試算しているが、このことが直ちに患者の健康への影響を意味するものではないとお答えしております。これは、窓口負担割合の変更による受診行動の変化に伴う医療費水準の変化は、経験的に調べましたマクロで見た医療費水準の変化でありまして、直ちに患者の健康への影響を意味するものではないということでございます。そもそも、個人の健康につきましては様々な因子があるということでございまして、受診行動のみを取り出して健康状態に影響を与えるかどうかといった分析は難しいものと考えております。
〔門委員長代理退席、委員長着席〕
○宮本委員 難しいからといって、分析が難しいということと、本会議で、受診行動が変化した、受診抑制が起きても健康に対しての影響を意味するものではないと。全然違うじゃないですか。ちゃんと、過去の負担増によってどういう受診行動の変化が個々の疾病であったのか、これを出してくださいよ。
○浜谷政府参考人 お答えいたします。先ほど申し上げたことと繰り返しになる部分もありますけれども、個人の健康には様々な因子がありますことから、受診行動のみを取り出して健康状態に影響を与えるかどうかの分析は難しいと考えております。また、過去の調査研究を参考にいたしましても、幾つか論文など出ておりますけれども、政策面で参考にできる程度の学術的調査研究は今のところ確認をされていないというふうに考えております。
○宮本委員 総理の答弁には根拠がないというのがはっきりしたと思います。マクロのことしか見ていない、個々の疾病についての影響については見ていない、論文はいろいろ出ているけれども、それが政策に反映できるようなものではないというのが今の答弁だったわけですよね。いろいろな論文、出ていますよね。いろいろな論文は出ていますよね、そうは言っても、これまでの負担増で。例えば糖尿病だとか、こういうものについては受診抑制が起きているんではないのかとか、そういう論文は出ていますよね。少なくとも、ちょっと、この間、皆さんがいろいろ目にしてきた論文で、どういう受診行動の変化があるということがこれまでの論文では指摘されているのか、まとめて、本委員会に是非出していただきたいと思いますが、いかがですか。
○浜谷政府参考人 お答えいたします。過去の論文につきましては、今委員御指摘の論文は私は承知しておりませんけれども、例えば七十歳から七十四歳の方につきまして、引上げ前後における健康状態とか、死亡率などとの関係を調査したような研究とか、幾つかあるものと承知しておりますけれども、網羅的に現時点で把握しているものではございません。
○宮本委員 ですから、その七十から七十四以外もありますよね、現役世代の一割から二割に上げた、あるいは三割に上げたというときのいろいろな分析の論文はあるわけですから。だって、これは本当に大事な問題ですよ。受診抑制が起きて、それが健康に影響を与えるということになったら、こんな法案は許されない。みんな、与党だってそうなるわけですから、是非そこははっきりさせていただきたいと思うんですね。まとめて資料を出していただけますか。
○浜谷政府参考人 お答えいたします。繰り返しになりますけれども、いわゆる散発的なといいましょうか、そういう論文は幾つか多分あるだろうと思いますけれども、いわば、しっかりしたと申しましょうか、学術的に参考にできる程度の調査研究等については承知をいたしておりません。
○宮本委員 厚労省が参考になる、参考にならないと勝手に判断するんじゃなくて、一定のことを分析したものというのはいろいろあるわけですから。委員長、ちょっと、是非理事会で、この受診行動の変化、過去の負担増において、どういう影響があったのかということについてのまとめたものを厚労省から出していただきたいと思います。
○とかしき委員長 ただいまの件につきましては、理事会で協議いたします。
○宮本委員 よろしくお願いいたします。ちなみに、自覚症状が薄くて、受診が遅れれば重症化する病気というのは、どういうものがありますか。
○田村国務大臣 自覚症状というのは、それぞれ個人によって違いますので、自覚症状あるなしにかかわらず、早期に発見すれば、それだけ重症化を防いでいけるわけでございます。そういう意味では、ちょっと、今、自覚症状云々という話、個別具体的にここで申し上げるというのは難しいということであります。
○宮本委員 一般的に、自覚症状が強いものについては、みんな結構、やはり当然、病院に行くわけですよね、慌てて。そういうのは受診抑制は起きにくいと言われているわけですよね。でも、自覚症状が比較的薄いものというのは、ちょっと我慢すればすぐ治るかなというので受診抑制が起きやすいということを、私が読んだものでは書いてあるわけですよね。ですから、そういうところもしっかり、どういう影響が負担増で出るのかというのをしっかり分析しないと、本当に私は無責任だと思いますよ、そういう分析もまともにやらずに、とにかく財政的な理由だけでこういう法案を押し通そうという考え方は。やはり、厚労省らしい考え方では、私はないと思いますよ。財政的な問題でいえば、本当に力があるところからもっと負担をしていただくという道だってあるわけですから。それは税金の問題にしたって、本会議でも申し上げましたけれども、金融所得課税だってもっと強化した方がいいという問題もありますし、バイデン政権は法人税の増税だってやるわけだから、そういうことだって考えるというのもあるわけですし、いろんな方法はあるわけですよ。ところが、それはやらずに、健康への影響についてまともな調査もしないまま二割の負担増をやっていくなんて到底許されないということを申し上げておきたいというふうに思います。これは、次回も引き続きやりたいというふうに思います。あと、ちょっとコロナ対策で幾つかお伺いしたいと思います。一つは、検査のことなんですけれども、この間、アドバイザリーボードやあるいは分科会なんかでの議論なんかでも、発症前の無症状者が二日前からうつすということをよく言われているわけですけれども、本当に無症状なのかというのはよく言われているわけですよね。尾身さんの記者会見なんかでもそういう話が最近よく出てきます。先日の厚労省のクラスターのことで、私も気になってお話をお伺いしたら、やはり発熱前に、そういえば、せきがこんこん出ていたとか鼻水が出ていたとか、そういう症状があったというお話をお伺いしました。ということですから、私は、発熱の前から、もう本当に、これはちょっと検査に行かなきゃという、わあっと高熱が出る前から、うつす感染力を持っているわけですから、発熱の前にせきや鼻水、あるいはごくごく微熱、ごくごく軽い症状があるんだということを国民に広く知らせていく。そして、医療機関にも知らせて、国民には検査を積極的に受けていただく、医療機関にも検査を積極的にしていただく、これが非常に大事じゃないかというふうに思うんですけれども、大臣、いかがですか。
○田村国務大臣 委員おっしゃられるとおり、軽いせきだとか、ちょっとしただるさであるとか、また、ちょっとした息苦しさ、さらには味覚障害、ちょっと味が変だなみたいな、そういう味覚障害でありますとか、そういうものが初期症状というふうに言われているわけでありまして、これは厚生労働省も、ホームページ、いろいろなSNSを通じて、いろいろな形で広報しておるわけであります。こういうものを見つければ、なるべく早く医療機関にかかっていただいて、その上で検査をやっていただきたいということでありますが、今委員おっしゃられたことは、先般の分科会でもやはり同じような意見が出まして、どうも見落とされているような初期症状があるのではないか、そこを早く見つけていくことがクラスター等々を広げない一つの方策ではないかというような御意見を委員の中からもいただいております。そういう対策をやらなきゃならないということでありますので、今までもそういうことを我々としてはPRしてきておりますけれども、更に徹底をしてまいりたいというふうに考えております。
○宮本委員 国民に広く知らせると同時に、やはり医療機関も大事だと思うんですよね。医療機関、第一波は、そもそも、いろいろな基準があって、保健所も破綻して、いろいろあって、ちょっと検査にかかれないということがありましたけれども、第二波、第三波は、私もいろいろなところで話をしてきましたけれども、実は、医療機関に熱があって行っても、いや、それはただの風邪だよといって検査をしてくれないというのはたくさん聞いたんですよ、私、あちこちで。ですので、医療機関も含めて、ごくごく本当に初期の軽い症状であっても検査をするというのを徹底しなきゃいけないと思いますので、その点もお願いしたいんですけれども。
○正林政府参考人 医療機関向けに診療の手引というのを、厚生労働省として学会の御協力もいただいてお示ししています。そこには、新型コロナウイルスの感染症の症状として代表的なものに、発熱、せき、倦怠感、呼吸困難、味覚症状、嗅覚症状、そういったものがあるということを示しています。また、昨年秋以降、発熱等の症状のある方については、かかりつけ医等の身近な医療機関に直接電話相談して、地域の診療・検査医療機関を受診する、そういう仕組みも導入しているところです。
○宮本委員 ですから、発熱とか分かりやすい状態じゃなくても、こんこん、こんこんと。全然熱もないわけですよ。だけれども、ちょっと鼻水が出てきたとか、花粉症かどうか分からないというのも含めて、できるだけ積極的に検査をやはり医療機関にもしていただく、国民にもお願いするということが私は必要だということを言っていますので、よろしくお願い申し上げます。それから、あと、資料をお配りをしておりますが、私がこだわっている換気の問題なんですけれども、資料の四枚目、一番最後のところに、見回り隊というのを今各自治体で取り組まれているわけです。見回りというよりも、しっかり飲食店の皆さんに、こうすれば感染リスクが下がりますよというアドバイスをして支援をしていくというのが非常に私は大事なことだと思っております。これを見ると、チェックポイントが二十あって、換気の徹底というのもあるわけですけれども、書いているのを読むと、換気について以下のいずれかを行っている、CO2濃度測定器を使用してCO2を一〇〇〇ppm以下になるような換気を行っている、若しくは、窓の開放による換気を行うため、三十分に一回、五分程度、二方向の窓を全開するなどして十分な換気を行っているなどなどとあるわけですけれども、三十分に一回の換気でリスクがちゃんと下がるのか、そういう根拠はあるのかというふうに思うんですよね。学校では、今、授業中は常時窓開け換気というのをやっているわけですね。それから、前回紹介した高齢者施設、沖縄では、これも共用スペースについては常時窓開け換気が大事だということがありました。それから、資料を少し遡っていただいて、資料の三のところに、これは内閣官房のAI等シミュレーション開発事業というので、いろいろなことを、内閣官房が研究者の皆さんにいろいろ提案してもらって取り組んでいるわけですけれども、これは産総研の原史朗先生がやっていたものなんですけれども、実測で、あちらこちらでCO2モニターで測ってやったということなんですけれども。ちなみに、定員いっぱいの状況で一〇〇〇ppm以下に抑制するために求められる換気回数というので、食堂、レストランは一時間当たり十五と書いてあるんですね。これは別に十五回ドアを開けなさいということじゃなくて、十五回空気が入れ替わるということなんですよね。それで、やはり基本は、今はもう寒くないわけですから、極力常時二方向の窓開け換気をやっていただくということが、やはり感染リスクを下げるために、最もリスクを下げる方法を、飲食店の皆さんには何なのかということで、丁寧にアドバイスをしていくということが私は必要だと思います。あわせて、こういう話をするだけでは、やはりCO2モニターを持って回って、前もお話ししましたけれども、豊橋の保健所なんかは飲食店を測っているわけですよね。このお店ではこの隅っこの方は換気が悪いですね、ここはちょっとこうした方がいいですよとアドバイスもやっているわけですね。そういうやはり懇切丁寧なアドバイスと支援というのが私は必要だと思うんですね。これは本当は内閣官房が答えなきゃいけない話だと思うんですけれども、何か内閣官房と厚労省でどっちだどっちだといって、一晩中やっていたのかどうかは分からないんですけれども、今日、結局、厚労省が答えるんですかね、これは。お願いします。
○田村国務大臣 換気はもう以前からずっとお願いしておりまして、見回り隊に関しましても、委員先ほど、三十分ごとの換気、一時間に二回未満ですと。これは結核等々の事例で、空気感染が広がるというような事例がありますので、こういうものから引いて、三十分に一回は換気をしてもらいたいでありますとか、今言われた二酸化炭素濃度を一〇〇〇ppm以下にするだとかというようなことを一応お示しをさせていただいて、こういうものを見回り隊に御認識をいただいて回っていただいているということでありますが。いずれにいたしましても、見回り隊だけではなくて、我々としては更にこれを広報していかなきゃならないと思っておりますし、これもうちではないんだと思いますが、測定器に関しては持続化補助金等々を使いながら対応いただけるという話も我々もお聞きしておりますので、いろいろなことを対応していただきながら感染を防ぐための努力をいただくということで、我々は換気も含めてしっかりPRしてまいりたいというふうに思っております。
○宮本委員 三十分に一回って、だって、今、濃厚接触者の定義というのはもうずっと、マスクなし、会話十五分で濃厚接触者なんですから、それが感染リスクがあるということなんですから、三十分に一回だったら当然感染リスクは高い状況になっているわけですよ。ですから、やはり極力常時だというのをもっと徹底する必要があると思います。
○田村国務大臣 これは、内閣官房の方と、コロナ本部の方としっかりと議論をさせていただいて、いずれにいたしましても、何らかの証左という話になると思いますので、コロナ本部ともいろいろと調整させていただきたいというふうに思います。
○宮本委員 学校なんかでも、やはり窓を閉めたら三十分たてば一五〇〇ppmを超えるというのが教室の状況だというのは文科省なんかも調べてなっていますので、しっかりお願いしたいと思います。続きまして、ちょっとワクチンのことを少しだけお伺いしますけれども、前からお伺いしていることなんですけれども、前回、脳出血になった方が八人いらっしゃって、うち四人が亡くなられたという話がありました。この八人の方々について、血小板の減少などが見られたのか、あるいは既往症など特徴的な傾向があるのか、教えていただけますか。
○鎌田政府参考人 お答え申し上げます。御指摘の八事例につきましては、医療機関からの報告によりますと、血小板が減少したという情報はございませんでした。また、既往症でございますが、八例中四例に記載がございまして、お許しいただければ幾つか御紹介しますが、くも膜下出血を発症され亡くなられた六十一歳の女性の場合には、頭痛、骨粗鬆症、衰弱。脳出血を発症され亡くなられた七十二歳の女性につきましては、肝臓病、C型肝炎、脂質異常症、虫垂炎。それから、脳出血、被殻出血を発症された四十三歳の女性につきましては、子宮筋腫。それから、脳出血を発症された五十八歳の男性につきましては、高血圧症、高脂血症といった基礎疾患を有していたとの報告を受けているところでございます。
○宮本委員 分かりました。あと、亡くなられた方は全員女性でしたけれども、それ以外の四人の方の性別というのは分かりますか。
○鎌田政府参考人 亡くなられた方以外の四人の性別でございますが、男性が二名、女性が二名という報告を受けているところでございます。
○宮本委員 あと、国内で接種している他のワクチンでは、接種後、脳出血が見られる頻度というのはどの程度なんでしょうか。
○鎌田政府参考人 ワクチン、接種者ですとかによって異なりますので、単純な比較は難しいのでございますが、国内で接種している新型コロナワクチン以外のワクチンの接種後に、出血性脳卒中、脳出血ですから被殻出血、くも膜下出血などでございますけれども、報告された頻度については、例えば成人などや高齢者を対象といたしております肺炎球菌ワクチンにつきましては、延べ人数が二千百万人のうち、くも膜下出血が二件、それから脳出血が四件との報告を受けているところでございます。
○宮本委員 単純に比較するというわけにはいかないですけれども、ほかのワクチンに比べて、ファイザーのワクチンも高いのかなというふうに言ってよろしいんでしょうか。
○鎌田政府参考人 この報告がございました審議会、いわゆるワクチン反応部会と安全対策調査会の合同部会におきましては、こうしたことにつきまして、特段、一定の傾向があるとかそういった御指摘はございませんで、引き続き副反応疑いの事例の収集に努め、そうした因果関係、副反応の傾向の評価を速やかに行うべしという御意見でございました。
○宮本委員 引き続き、一つ一つやはり丁寧に事例を追っかけていただいて、前回も申し上げましたけれども、何らかのこういう傾向の方がなりやすいとかそういうのがあれば、是非国民への注意喚起をお願いしたいというふうに思います。それから、あと、ワクチンの接種に関わって、週末に聴覚障害者の皆さんの集まりに行きましたら、この申込みが、電話かパソコンで接種の予約と言われたけれども、自分は電話はできないし、インターネットも使えないんだ、こういうお話がありました。また、聞きたいこと、いろいろ質問したいことはあるけれども、市の案内にはコールセンターの電話番号だけだった、これだけでは困るという話を伺いました。三月三日に障害者への合理的配慮を求める通知というのが出ていますけれども、もう少し丁寧に徹底をしていただけたらなというふうに思っています。ちなみに、ここの自治体は、障害者の皆さん、別個、その後、会場を設けてやるということにもなったわけですけれども、ちょっと全体、多くのところはこれからのところが多いと思いますので、具体化は。徹底をお願いしたいんですが。
○正林政府参考人 お答えします。新型コロナワクチン接種に関する障害特性に応じた合理的配慮の提供については、御指摘のように、三月三日に厚生労働省から各都道府県に対して事務連絡を発出しており、聴覚障害者に関しては、電話により相談することが困難な場合もあることから、コールセンター等の相談窓口では電話以外にもファクスやメールなどによる相談対応を可能とすること、それから、自治体のホームページ等における聴覚障害者向け字幕映像の提供などについて検討することなどをお願いしたところであります。また、障害者に対する新型コロナワクチン接種を迅速、円滑に行うため、議員御指摘の三月三日付事務連絡を参考として適切な対応を行うよう、改めて、昨日、四月十三日付で留意事項をまとめた事務連絡を発出し、周知を行ったところです。障害者の方が円滑に接種を受けることができるよう、自治体の状況も踏まえつつ、引き続き周知を行ってまいりたいと考えております。
○宮本委員 ありがとうございます。じゃ、通告を受けて早速仕事をしていただいたということで、感謝申し上げたいというふうに思います。あと、残り時間がなくなってきましたけれども、高齢者施設での頻回の検査、私も昨年から、週一、二回が必要だということをずっと申し上げてまいりました。蔓延防止等重点措置の地域は週一回程度というのは国が方針を出し、東京も、四月から六月までは週一回程度、高齢者施設と障害者施設の職員の検査というのを決めました。それぞれの施設にも連絡が今行っているところであります。基本は入所施設なんですよね、これは。一方で、お話を伺うと、ケアマネやヘルパーさんなど、定期検査を自費で続けている事業所もあるんですよね。これは、それぞれやはりショートステイとデイサービスとホームヘルプと、高齢者も職員も行き来がありますので、一緒に暮らしていなくても、入所施設でなくても大きなクラスターになりかねないというのもありまして、そういうことを続けているところもあります。是非、在宅領域の職員についても頻回検査の財政的支援を行っていただきたいと思いますが、いかがですか。
○田村国務大臣 これは委員も今お話をいただいたと思いますが、やはり入所施設ということで、そこが住まいになっておられる、集団で暮らしておられますから、クラスターのおそれが非常に高いということがありますので、ここに関しては定期的に頻回検査という形であります。やはり在宅サービス等々をやられている方々は、自宅に行かれるというような対応でございますので、そういう意味では、そこでクラスター、そこに何十人も高齢者の方々がおられるということはないので、そういう意味では対象外という形にしておりますが、ただ、感染拡大地域におきましては、これは様々な施設、対象の方々が行政検査の対象になりますので、そういう地域であれば、それは、介護事業者の中において在宅サービスをやっておられる方々も対象になり得るということであります。
○とかしき委員長 宮本徹君、申合せの時間が経過しておりますので、御協力をお願いします。
○宮本委員 時間切れになっちゃって、もうちょっと確認したかったんですけれども、後で厚労省に確認をします。時間になりましたので終わります。ありがとうございました。