2022年10月26日 衆院厚生労働委員会 研究者の無期転換 財源を 宮本徹議員が雇い止めただす

配布資料 出典:朝日新聞2022年10月23日付
配布資料 出典:文部科学省提出資料
配布資料 出典:日本学術会議ホームページ
配布資料 出典:SCIENCE 2022年7月8日付
配布資料 出典:nature 2022年7月19日付
配布資料 出典:内閣府ホームページ

 日本共産党の宮本徹議員は26日の衆院厚生労働委員会で、国立大学・研究機関の研究者大量雇い止め問題についてただしました。
 研究者は、有期雇用期間が10年を超えると無期雇用への転換を求めることができます。今年度末、最初の10年目を迎えますが、「無期転換逃れ」の横行等で、国立大学や国立研究機関の任期付き研究者数千人が雇い止めになる恐れがあります。
 宮本氏は、文部科学省がずさんな聞き取り調査で実態を把握できていないと批判し、「無期転換逃れを是正するために、国立大学法人や国立研究開発法人などを、もっと真剣に指導しなければいけない」と迫りました。
 加藤勝信厚労相は「無期転換ルールの適用を意図的に避ける目的で無期転換申込権が発生する前に雇い止めを行うことは、労働契約法の趣旨に照らして望ましくない。文科省をはじめ関係省庁と連携しながら、研究者の雇用の安定に向けて政府全体で取り組んでいきたい」と答弁しました。
 日本学術会議は7月、「政府とアカデミアが一体となって、この深刻な事態を解決するための取り組みを早急に行う必要がある」との声明を出していますが、政府はこの3カ月、具体的な取り組みを行っていません。
 宮本氏は「一番のネックは財源だ。無期転換のため、国として財政的な支援を政府全体で考える必要がある」と主張。「補正予算を組むなら、無期転換を進める雇用の財源を打ち出してほしい」と要求しました。

以上2022年10月27日付赤旗日刊紙より抜粋

≪2022年10月26日 第210国会衆院厚生労働委員会第2号 議事録≫

○宮本(徹)委員 日本共産党の宮本徹です。まず、紙の保険証の廃止問題についてお伺いいたします。大臣の考えるマイナ保険証のデメリットは何ですか。
○加藤国務大臣 これまでも申し上げているように、マイナンバーカードで受診していただくことで、健康医療に関する多くのデータに基づいたよりよい医療を受けていくことが可能になるなど、カードと健康保険証の一体化は様々なメリットがあるというふうに考えており、それを踏まえて、多くの皆さんにそのメリットを共有していただく、そういった思いから、令和六年秋に保険証廃止を目指すこととしたところであります。もちろん、保険証とマイナンバーカードということになると、例えば紛失したときの対応等、基本的には大体一緒だと思いますけれども、あと、やはりシステムとの絡みもありますから、その辺はいろいろあろうかと思います。
○宮本(徹)委員 紛失の際のことをおっしゃいましたけれども、紛失の際一つ取っても、紙の保険証なら保険者によっては行けばその日のうちに再発行してもらえますけれども、マイナンバーカードだと一か月はかかるということになるんじゃないですか。
○加藤国務大臣 まず、マイナンバーカードを紛失したら、当然、資格情報照会を行うことができなくなりますが、同じことは健康保険証を紛失しても起きてくるということであります。ただ、再発行の手続等それぞれ制度が違っておりますので、デジタル庁、総務省を中心に、新規取得、紛失等の際にカードが手元にないことで不便が生じないよう、速やかな交付方法の検討を行っていただいていると承知をしているところであります。
○宮本(徹)委員 不便が生じないように検討しているといったって、何にも答えがないわけですよね。現に一か月以上マイナンバーカードはかかるわけですね。さらに、マイナンバーカードの更新は十年に一度ということになっています。未成年は五年に一度の更新ということですね。電子証明書の更新も五年に一度と。全部、区役所だとか市役所だとか、役場に行ってやらなければならないということになっています。マイナンバーカードの更新率、先日国会の質疑を聞いていましたら、十月十九日時点で六九%だというんですよね。未成年の方は五年に一度の更新の時期がやってきているけれども、六九%だと。これはマイナンバーカードが大変不便だということを示している数字だと思いますが、いかがですか。
○加藤国務大臣 今御指摘のあった、マイナンバーカードの有効期限を迎えた方が令和三年度の数字で約二十二万六千あり、このうち、本年十月時点で十五万六千人、割合で六九%の方がマイナンバーカードの交付を申請しているということで、残りの三一%、不便というか、まさにまだそのメリットが十分に共有できていない、こういった側面があって、当初の段階では入ったけれどもということもあったのではないかなと。そういった意味においては、まさに今いろいろな施策を進めることによって、このメリットを皆さんにしっかりと理解をしてもらうということであります。それから、先ほど更新時の話もありましたけれども、例えば私どもは、今大臣になると健康保険証が変わってくるんですね。それごとに家族も含めていろいろ変わって、なかなか大変になるわけでありますが、今回、こうしたマイナンバーカードと一体化すれば、一々新しい発行所の発行を待つことなくやっていける、こういったメリットもあるんだろうと思います。
○宮本(徹)委員 雇用先が変わった場合のメリットだけ強調されるわけですけれども、雇用先がずっと同じ方でも、マイナンバーカードになれば、五年に一回は電子証明書は更新、そしてカード自体は十年に一回更新と、手続しなければいけないと。毎回役所まで行かなきゃいけないわけですよ。今、私たち国保ですけれども、これは二年に一度自動的に送られてくるわけですよね。それが、毎回毎回役所まで行かなければならないというのは、大変不便をかけることになる。こういう認識はございますか。
○加藤国務大臣 たしか五年とか、たしか十年とか、更新があるんだろうというふうに承知をしておりますが、そういったことについても、今おっしゃるように、一回一回市役所等に行かなければならない、その辺をどういうふうにしていくのか、これについては、先ほど申し上げたように、デジタル庁、総務省中心に、速やかな交付の方法、これを検討してもらっているというふうに承知をしています。
○宮本(徹)委員 それから、先ほどもやり取りありましたけれども、報道では、紙の保険証を一定期間、持ち続けられるようにする方向で検討している、ただし、マイナ保険証への移行を促進するために、二〇二四年秋以降は紙の保険証発行は有料とする案などが取り沙汰されていると出ているわけですね。総理がおっしゃっていた資格証明書でない制度というのは、これは期限を区切った経過措置的な制度ということなんですか、恒常的な制度ということなんですか。
○加藤国務大臣 まさに総理は今ある資格証明書の制度のことをおっしゃったんだろうというふうに思いますけれども、現在、何らかの事情により手元にマイナンバーカードがない方が必要な保険診療等を受ける際の手続について、先ほども御答弁させていただきましたが様々なケースが考えられますので、そうした一つ一つ、それに対する具体的な制度設計、実務上の運営も含めて丁寧に検討していくということで、現時点で、こういう形、ああいう形と具体的なものを念頭に置いているものではございません。
○宮本(徹)委員 いや、ああいう形、こういう形ということではなくても、マイナンバーカードは、取得は義務じゃないわけですから、取得しない方がいる、その方には、保険料を納めていたらちゃんと医療を保障するということをおっしゃっているわけですから、そうすると、それは経過措置的な制度ではなくて、恒常的な制度を設けるということに必然的になると思うんですけれども、そうじゃないんですか。
○加藤国務大臣 まさにそれはどういう形を取るのか、それから、その方が手元にないという事情もいろいろあろうかと思いますので、その辺もよく検証しながら、対応を丁寧に検討していきたいと考えています。
○宮本(徹)委員 だけれども、恒常的な制度だと言えないこと自体が、大変総理の答弁と、あるいは大臣がこれまでに述べていることと矛盾すると思いますよ。それから、保険証の発行が有料になると。有料なんということを考えているんですか。
○加藤国務大臣 ですから、具体的な中身については今検討しているということなので、先ほど申し上げた、こうだああだということは申し上げられないということを申し上げたところであります。
○宮本(徹)委員 こうだああだと、まだ決まっていなくても、最低限、国民の医療をちゃんと保険料を納めている人には保障するという立場からすれば、原理原則的なことは言えるはずなんですよ、恒常的な制度としてちゃんとつくっていきますと。保険料を納めた人に新たな保険証を手にするために自己負担を求めるなんて、あり得ない話じゃないですか。それぐらい否定してくださいよ。
○加藤国務大臣 ですから、原理原則は、先般も申し上げたように、保険料を払っている方はきっちりと保険医療を受けることができる、これをしっかり担保していくことが大事だ、これが原理原則だと思います。
○宮本(徹)委員 その原理原則からいけば、経過措置的な制度でなくて、恒常的な制度になり、なおかつ、新たな新保険証なるものを手にするときに有料になるというのはあり得ないということをここでおっしゃっていただくというのが、本来大臣がしなきゃいけない答弁なんじゃないかというふうに思います。その上で、ああだこうだ言えないということをさっきから繰り返していますけれども、今の紙の健康保険証の制度と新しい新保険証の制度というのは、一体どこが違うんですか。
○加藤国務大臣 済みません、同じことを申し上げて恐縮ですが、その新しいというところがまだ具体的にお示しをできていないので、今の制度と比べるということはできないということは御理解いただきたいと思います。
○宮本(徹)委員 ですから、何にも決まっていないまま、今の紙の保険証は廃止するんだと言うのは大変無責任で、国民に不安しか与えないじゃないですか。大変無責任な答弁が続いていると思いますよ。この間、野党の側から様々指摘があるとおり、新しい制度をつくる、そんなばかなことはやめて、今ある保険証の制度をそのまま使う、これを言えばいいだけの話だと思いますよ。本来、それが厚労大臣が合理的に考えれば出てくる考え方じゃないですかね。加藤大臣は聡明ですから、もう心の中ではそれしかないと思っていると思いますよ。違いますか。
○加藤国務大臣 今と同じことを続けていたのでは、ほかも含めて、まさに医療DX全般を進めていかなきゃならない、こういう流れもあるわけでありますので、そういった意味において、よりよい医療をより効率的に国民の皆さんにどう提供していくのか。もちろん、前提として、先ほど申し上げた、保険料を払った者はちゃんと保険医療を受けることができる、あるいは国民の皆さんの理解を前提とする、これは当然でありますけれども、今申し上げたような方向へしっかりリードしていく、そういった思いで取り組ませていただきたいというふうに思います。
○宮本(徹)委員 医療DXとかそういう方向性を持っているというのは、それはそれで政府の立場だということなんだと思いますけれども、それと、現行法の下で、マイナンバーカードは義務ではない、任意なんだ、この下での保険証の在り方ということを考えた場合は、どう考えたって、今マイナンバーカードを取得しない人には、新たな制度をつくるんじゃなくて、今の保険証の制度でいく、これが最も合理的だ、早くそのことを明らかにした方がいいと思います。本当に、国民から批判の声が上がり続けるだけだと思いますよ。そのことを申し上げておきたいと思います。あわせて、マイナンバーの問題に関わって、もう一点だけお伺いしたいことがございますが、資料の十四ページ目のところに、これは以前の改革工程表からもずっと出ているんですけれども、改革工程表の五十五番で、ここの中で、マイナンバーの導入等の金融資産の把握に向けた取組を踏まえつつ、医療保険における負担への金融資産等の保有状況の反映の在り方について引き続き検討ということが、これがずっと毎年のように書かれておりますが、これは、厚労省としては、将来的には全ての預金口座にマイナンバーの付番を求める方向なのか。そして、後期高齢者医療制度において、年金が国民年金しかない人に対しても、例えば五百万円の貯金があれば二割負担や三割負担、こういう負担増を求めていく制度を考えている。こういうことでよろしいんでしょうか。
○加藤国務大臣 保険者がどのように金融資産に関する情報を把握するかといった様々な課題があることから、社会保障審議会医療保険部会において、まさに、そこの文章に、預金口座へのマイナンバー付番の状況を見つつと書かせていただいているわけでありますので、そうした状況を見ながら検討を進めるということであります。
○宮本(徹)委員 厚労省としては求めないということでよろしいわけですね。
○加藤国務大臣 厚労省として求める、求めないじゃなくて、まず、その状況を見つつ、今申し上げた、医療保険の負担の在り方、それは考えていくという、その考え方を述べているわけであります。
○宮本(徹)委員 求めないとは言わず、見つつということしか言わないわけですけれども、しかし、この改革工程表を掲げている限り、どう見ても、これは、金融口座にしっかりとマイナンバーの付番を全部義務化をして、二割負担、三割負担、貯金が少しでもあれば医療費の負担増を求めていく、これが政府の目指す方向だ、こうしか見えないわけですよね。これは、私は、本当に、高齢者の生活実態からいったら、こういう僅かな貯金しかない、僅かな年金しかない方々に負担を求めるというのはやめるべきだということを強く申し上げておきたいと思います。その上で、次に、先ほど大西さんからも議論がございました、研究者の大量の雇い止めの問題についてお伺いをしたいと思います。研究者が有期雇用の期間が十年を超えると無期雇用へ転換を求めることができますが、最初の十年目が今年度末にやってまいります。国立大学や国立研究機関の任期つきの研究者数千人が、今年度末で雇い止めになる可能性がある。文科省の調査で今年の春に明らかになりました。今日資料でつけておりますけれども、ネイチャーは、ディスポーザブル、使い捨てですね、というショッキングな見出しをつけて、使い捨てされた気分、数千人の研究者の雇用が危険にと報じました。サイエンスも報じております。この問題、春以来、何度も国会でも取り上げられておりますけれども、有効な手だてが打たれないまま、ずるずる時間だけが過ぎているわけでございます。今、文科省が実態把握のための聞き取り調査を行っておりますが、今日は文科省にも来ていただいておりますけれども、これまでの聞き取りの中で、無期転換ルールの特例の運用や研究者等の雇用管理について、労働契約関連法令の遵守がなされていないケース、また、研究者等の雇用管理について、各法人における経営方針に基づいて適切に行われていないケース、これは何例あったでしょうか。
○井出副大臣 御質問をいただきました。御質問の中で触れていただきましたが、文部科学省としては、本年九月に、国立大学法人、十一の法人に対してヒアリングを行いまして、それからまた更に詳細な調査を、調査票を九月の下旬に発出をして、行ってきております。先生の御質問ですが、現在、ヒアリング等において、そうした法令にそぐわないような事例というものの報告というものは受けておりませんが、引き続き調査を進めてまいりたいと考えております。
○宮本(徹)委員 私、本当に、その答弁を聞いて驚きましたけれども、法令にそぐわない例をつかんでいないと。今日、新聞報道も資料の頭につけておきました。朝日新聞ですね。「東大教授、成果あげても雇い止め 研究者殺す「毒まんじゅう」の罠」というので出ておりますが、これは無期転換ルール逃れで雇い止めが宣告された特任教授の例でございます。このケースは、研究資金を出している企業は、引き続き資金を出すので研究を続けてほしいと先生に言い、この先生も東大で研究を続けたいと申し出ましたけれども、当局の側は、いや、これ以上続くと無期転換権が発生する、六十五歳まで無期雇用をする財源がないということで、この方は東大に残るということはかなわなかった、こういう例なんですね。ちなみに、このケースについて東大当局がどう答えているかというのも、今日つけていないですけれども、この朝日新聞の記事には出ているんですね。こう書いていますよ。所属する講座が設置期間を満了して終了するため、この期間に合わせて契約されていた雇用契約も終了すると説明していると。確かに、五年、五年で十年なんですよね。ですけれども、更にもう何年でも、企業の側は引き続き研究資金を出してもいいと言っていた。しかし、無期転換権が生じるから駄目なんですという判断が下されたわけでございます。これ、もっと突っ込んだ聞き取りを行わないと実態が把握できないということなんじゃないですか。
○井出副大臣 九月に調査票を発出して行う調査においては、大学当局のみならず、そこにいらっしゃる研究者の皆さんにも調査を行うこととしております。先生が資料で御提示をいただきましたような、そうした言い分もあろうかと思いますし、私も、先月になりますが、大学ですとか研究機関、幾つも回ってまいりまして、例えば、創発支援を受けている研究者の方から、雇用の状況ですとか、どういうことがいいのかというようなことも御意見をいただいてまいりましたので、今回の十一大学のヒアリングにとどまらず、先ほども申し上げましたが、引き続き調査をしてまいりたいと考えております。
○宮本(徹)委員 新聞報道にない、別の東大の研究所の、ある研究室ですけれども、プロジェクトはまだ年限があるにもかかわらず、十五人のチームのうち、九年目の四人が今年度末で契約を更新しないと宣告されております。うち、研究の中核を担って、マネジメント的な役割を担っていた方は、もういられないということで、この夏に中部地方の国立大学に転職をされました。研究室のボスはこの方に残ってほしいと考えていましたが、無期転換を教授会が認めなかったということを聞いております。そして、この四人のうち二人については、別会社の雇用という形にして引き続いて働いてもらおうみたいな話が出ているということも聞いております。典型的な無期転換逃れじゃないかというふうに思いますが、違いますか。
○井出副大臣 個別のケースでございますので、今私の方からそれはこうだということを申し上げることはなかなか難しいですが、大学の研究者の皆さんにつきましては、研究のステップアップという意味で雇用先を変えたり、また、逆に、ステップアップするにしても、研究の安定性あってのステップアップという、流動性と安定性の両面が求められているんだろうと思います。また、ライフスタイルにおいても、例えば、御夫婦で研究をされていて、御結婚をされて、一緒に暮らすために研究所をどうするかと考えたというような事例も伺っておりますし、先生の問題意識は十分文科省も理解をしておりますので、引き続き、しっかりとこの問題、調査して向き合ってまいります。
○宮本(徹)委員 本当に、手を打たないまま半年来たことによって、残って研究し続けたい方、あるいは周りからも残ってほしいと思われた方がその研究室を離れざるを得ない、こういう状況が既に多数生まれているわけですよ。ステップアップじゃなくて、今よりも残念ながら研究条件が悪いところに移らざるを得なかった方もいらっしゃいます。そういうことがどんどん起きている。しかも、今でも次の職探しを必死にやられている方々がいるというのが今の状況なんですよね。加藤大臣、これは真剣にもっと、無期転換逃れを是正するために、国立大学法人、国立研究開発法人、あるいはそれ以外の私立大学もそうかも分からないですけれども、研究者の皆さん十年ルールの初めての年ですから、もっと真剣に乗り出して指導しなきゃいけないんじゃないですか。いかがですか。
○加藤国務大臣 まず、一般論として、無期転換ルールの適用を意図的に避ける目的で、無期転換申込権が発生する前に雇い止めを行うことは、労働契約法の趣旨に照らして望ましくないわけでありますので、厚労省として、文科省を含む関係省庁と連携して、無期転換ルールの制度の内容、趣旨、円滑な運用の周知等を進めるとともに、労働契約法に照らして問題のある事案を把握した場合には、都道府県労働局において適切に啓発指導等をこれまでも行ってきているところであります。今後、今御指摘のように、研究者等の無期転換申込権の本格的な発生が見込まれる令和五年四月に向けては、文科省を始め関係省庁と連携しながら研究者の雇用の安定に向けて政府全体で取り組んでいきたいと考えております。
○宮本(徹)委員 今後というか、本当に今なんですよね。本当に、今、もう次の職を探さなければならない状況になっているわけでございます。先ほど大西さんが取り上げられました理研の例でいいますと、これまた本当にひどいわけですよね、今、裁判に訴えられている方もいらっしゃいますけれども。労働組合への回答書というのを私も拝見させていただきましたけれども、理研の場合は、先ほどお話ありましたように、二〇一六年の時点で、通算契約期間は十年を上限とする就業規則の不利益変更を行っているわけですね。このときに起算点を二〇一三年という労働契約法改正時に遡及させた、このことによって数百人の研究者雇い止めが年度末に起きようとしております。理研の側は、起算日を遡らせる理由について、組合への回答書でこう言っているんですよ。無期転換を可能とする者が多数出ることを避けなければならないからだと。文字どおり、脱法行為だと思いますよ。こういうのはもう直接厳しく指導する必要があるんじゃないですか。
○加藤国務大臣 個別の案件については申し上げられないということはこれまでも申し上げてきているところでありますが、先ほど申し上げたように、労働契約法に照らして問題のある事案、これを把握した場合には、都道府県労働局においてこれまでも適切な啓発指導等を行っており、今後ともそうした対応を取っていきたいと考えています。
○宮本(徹)委員 もっと強力にやらないと、一つも解決していないわけですよね、私が知る限りは。本当に苦しい立場に皆さんは置かれています。こういうことを放置し続けたら、先ほど大西さんの話もありましたけれども、若い皆さんが研究者にますますならなくなる。日本の研究の未来にとっても、日本社会の未来にとっても、本当に大変ゆゆしき問題だと重ねて申し上げておきたいと思います。この問題については、現行法で雇用の安定のためにやれることをやり抜くと同時に、抜本的な対策も必要だと思います。今日は日本学術会議の声明をつけております。こう書いてあるんですね。既に進行中の研究プロジェクトの担い手が失職することによる研究の停滞等、直接的な負の影響に加えて、そもそも研究職が将来展望を抱きにくいものとなり、才能豊かな有為の若い世代の人々が学問研究に魅力を感じず、高度な研究、教育の基盤たる人材の確保に多大の困難をもたらしかねない。政府とアカデミアが一体となってこの深刻な事態を解決するための取組を早急に行う必要があると考えます。政府の関係府省庁、国立大学協会を始めとした大学等関係団体、研究開発法人等の関係団体、個別の大学や研究機関などの間で情報を共有し、緊密な連携の下での事態の是正を図るための検討が進められなければなりません、こうしております。この声明を受けて、具体的にどういう手だてを取られたでしょうか。
○井出副大臣 まず、先生の御指摘は、今さっきの議論の雇い止めから、もう少し大きな若い研究者の支援ということかと受け止めておりますが、文科省といたしましても、創発の研究に対する支援の助成ですとか、それから博士課程の学生の皆さんへの支援の強化というものを進めていこうとしております。もちろん、創発の研究の補助金を受けているようなトップクラスの若手研究者の方でも、直接私に、その雇用の、今自分が非常に不安定な状態だ、そういう声も伺ったことがございますので、私も、先生と同様、若い皆さんが研究にきちっと従事をできる、若い皆さんの探求心に応える体制をつくるために努力してまいりたいと考えております。
○宮本(徹)委員 いや、学術会議のこの声明というのは、若い皆さんの研究条件一般の話じゃなくて、任期つきの雇用については十年たてば無期転換権を使って無期雇用に転換できる、このルールがあるにもかかわらず、逆に、このルールを避けるための雇い止めが横行している、これに対してどうするんだというのが、学術会議が指摘している問題なんですね。早急にみんなで知恵を出し合おうじゃないかというのを、七月に学術会議は呼びかけたわけですよ。ところが、三か月半たっても、こういう取組をやっているんですか、国立大学協会だとか研究開発法人だとか、みんな集まって。何かやられましたか。
○井出副大臣 この問題は、学術会議の声明以前からも、特に理化学研究所の報道に端を発しまして、それからまた、先生にも六月に御質問をいただいております。若い研究者の研究に打ち込める環境の確保というものは、我々も非常に重要だと思って取り組んでまいりたいと考えております。
○宮本(徹)委員 無期転換する上で、どこの大学でも研究所でも、一番ネックは財源なんですよね。財源なんですよ。これはやはり、無期転換の保障のために、ちゃんと国として財政的な支援策を設けるというのを政府全体で考える必要があるんじゃないですか。いかがですか。
○三ッ林委員長 文部科学副大臣、時間が経過しておりますので、答弁は簡潔にお願いします。
○井出副大臣 はい。ありがとうございます。大学の財源ということで、大学にも様々ございますが、政府の支援、それからまた各大学で財源獲得の努力も進めていただいておりますし、私といたしましても、文科省といたしましても、若い研究者の皆さんの探求心に応えられる体制づくりということは、これからも精いっぱいやってまいります。
○宮本(徹)委員 この法律どおりにしっかり雇用の安定化を図るためには財源が必要だということなんですよ。そこはちゃんと政府全体で認識をしていただいて、補正予算を組むのでしたら、ちゃんと、無期転換を進める分の雇用の財源は出しますと、こういうことも是非打ち出してください。そのことを申し上げまして、質問を終わります。