東久留米で国会報告

 いま、臨時国会が開かれています。私は衆院厚生労働委員としてさまざまな質問をしながら、東京20区(清瀬市、東久留米市、東村山市、武蔵村山市、東大和市)を中心に国会報告を続けています。12日におこなわれた共産党東久留米演説会では、(1)統一協会と政治の癒着の一掃(2)物価高対策(3)平和なアジアをつくる、の3つをテーマにお話しました。(おこしていただき感謝です)

自民党政治と統一協会との癒着を断ち切れ

更迭された葉梨法務大臣
人の命の重みがわかっていない

 みなさん、いまの岸田政権の状況を見て、あきれ返っていらっしゃるのではないでしょうか。葉梨法務大臣が更迭ということになりましたけれども、本当にひどすぎますよね。あの方、法務大臣の仕事は朝、死刑のはんこを押す、これだけがニュースになる仕事だ、こんなことをおっしゃっておられました。しかし、人の命を国家が奪うという重大な死刑制度について、あまりにも軽すぎる発言、人の命の重みがわかってない発言だと思います。それなのに岸田首相はですね、すぐに辞めさせずに、かばう答弁を続けた。私、岸田さんの姿勢は大変問題だと思います。

腐りきった自民党政権
一刻も早く打倒するしかありません

 葉梨さんは、あの話を1回しただけじゃないっていうんですよね。少なくても3回以上やっている。あちこちに行ってですね、こんな話をネタとしてやってる。ということは、集まっている自民党の議員のみなさんは、それを当たり前に受け止めるような雰囲気だっということなのではないでしょうか。もう本当にいまの自民党政治というのは、まともな感覚が麻痺しているのではないか。こういう思いがしてなりません。この政権は一刻も早く打倒するしかない。この覚悟で国会の後半戦、全力でがんばっていきますのでどうぞよろしくお願い申しあげます。

反社会的活動で被害を広げた統一教会
国民を苦しめる団体の広告塔では政治家失格

 きょうは国政の焦点となっております3つの問題についてお話をしたいと思います。1つは統一協会の問題です。統一協会の被害の防止、被害者のみなさんの救済、自民党政治と統一協会との癒着の一掃。このために連日、共産党国会議員団は力を合わせて論戦に取り組んでいるところです。
 ご存知のように、この統一協会は、数々の霊感商法や高額献金、そして正体を隠しての勧誘など反社会的活動で、被害を広げてきました。そして、何のためにお金を集めていたのか。韓国に巨額のお金を送金している。こういうことでやってきたわけです。この間、明らかになったことは、自民党の国会議員の約半数がこの集団と関係を築いてきた。政治家というのはどの政党の政治家であっても、やるべきこと、考えるべきことというのは、国民の幸せのために政治をするということだと思うんですよ。その政治家が、自分の選挙の支援を目当てに、国民を苦しめる団体の広告塔になっていく。これはもう政治家失格といわなければならない事態だと思います。

統一協会の解散命令請求をすべきです
一刻も早く、宗教法人法にもとづいて

 私たちはいま、統一協会の解散命令請求をすべきだ、ということを求めてたたかっております。霊感商法対策弁護士連絡会のみなさんにたくさんの相談がきて、たくさんの裁判が争われて、統一協会の高額献金についても、伝道活動についても、霊感商法についても、違法だという判決がたくさん出ております。宗教法人法では81条で、法令に違反して著しく公共の福祉に反する行為をした場合は、解散命令を出せることになっているんですね。ところが、数十年にわたって、解散命令はなされないまま、ずっとこの団体は野放しにされてきたわけです。宗教法人法にもとづいて解散しなければ、統一協会というのはずっと税制優遇を受け続けるわけですから、一刻も早くやるべきだということで、予算委員会で岸田さんと論戦をしました。

「法令に違反して」の「法令」って何なのか
刑事罰を受けない限り解散されない、と岸田首相

 宗教法人法の解釈をめぐって、7月からずっと私たち野党の側は政府と議論し続けてきました。それは「法令に違反して」の「法令」って何なのか、ということなんですね。これについて政府の側は、刑事罰に反したときだけが解散命令請求にあたるんだ、ということを3カ月間いいつづけてきました。私が質問する予定だった朝もですね、立憲民主党の長妻さんが、「法令に違反して」というのは何なのか、とぎりぎり詰めました。岸田さんはですね、いやこれは刑事罰だけなんだ、と。民法の民事裁判でいっぱい違法だという判決が出てるけれども、それは解散命令請求にあたらないんだ、ということをいい続けました。そこで私は、それだったら、いつまでたっても統一協会は解散されない、統一協会の役員のみなさんが刑事罰を食らわない限り解散されない、解釈を変えるべきだ、ということを追及しました。なぜなら、民法の教科書を見てもですね、宗教法人法の解説の本をみても、法令違反という場合、民法の不法行為責任や使用者責任も入るってのは明らかなんですよね。そういうことも示して追及しましたけれども、その日の岸田さんは、解釈は変えませんと言い張って終わってしまいました。

国会が政府を動かした
岸田首相 一夜で答弁を変える 

 ところが、翌朝9時に、参議院予算委員会に舞台が移って、立憲民主党の議員の方が、この問題を徹底追及しようと思って満を持して1問目の質問をしましたら、突然、岸田総理が、「昨日の議論を踏まえて政府の見解を整理いたしました」と。この宗教法人法の法令に違反してというのは、民事裁判の違法行為、不法行為責任も使用者責任も入ります、という答弁をしたんですね。私は思わず、「昨日の質問時間を返せ」とテレビに向かっていってしまいました。東京新聞は翌日の社説で、わたしたち共産党、立憲民主党の追及に触れながらこう書いておりました。国会が政府を動かした、国会が行政監視機能を発揮した好例といえる、と書きました。うれしい評価です。解散命令請求をめぐっての一番の山は、この国会論戦で突破されたことになると思います。統一協会違法という判決はたくさんありますので、岸田総理はただちに解散命令請求の準備に入るべきだと思います。

政府は「質問件の行使」というが
数々の判決で解散命令請求の要件は満たしている

 政府は質問権の行使ということをいいますけれども、質問権を行使しても、統一協会の側が違法行為しましたなんて報告することはありませんから、ほとんど意味がないですよね。前川喜平さんもそういうことおっしゃっておられます。すでに、数々の判決で解散命令請求の要件は満たしているということで、速やかな解散命令請求を求めて引き続きがんばっていきたいと思います。ぜひ世論での後押しを心からお願いしたいと思います。

いよいよ重大 政治と統一協会の癒着の一掃
自民党につける薬はない

 政治と統一協会の癒着の一掃。これがいよいよ重大です。岸田総理は統一協会との関係は断っていくんだとおっしゃるんですけれども、これまでどういう関係があるのかが隠されていたら、いくら関係を断つといったって誰も確認のしようがないのではないでしょうか。
 そこで私たちは、自民党が責任をもって調査をすべきだ、ということを繰り返し求めております。あの山際大臣、「しんぶん赤旗」の連続スクープがきっかけとなって統一協会との新たな関係が、週替わりのように、次からつぎへとでてきて、苦しい言い訳を続けた挙句に辞任に追い込まれました。その山際大臣が自民党のコロナ対策の本部長になったっていうんですよね。それを任命したのはあの統一協会とずぶずぶの関係の萩生田政調会長だという、もう本当につける薬がないですね。

岸田首相の最側近、木原誠二官房副長官
統一協会の関連団体から推薦書を受け取っていた

 岸田総理の最側近である木原誠二内閣官房副長官は、週刊誌で報道されて、記憶が呼び起こされました、なんてことをおっしゃっておりましたけれども、先日、日本共産党の塩川鉄也議員の追及で、昨年の総選挙のときに、統一協会の関連団体から推薦書を受け取っていたことが明らかになりました。統一協会のダミー団体が誠世会という組織、誠世会の誠は木原誠二の誠、もう一つの世は世界平和家庭連合の世ですね、誠世会というのをつくっていたわけです。木原官房副長官は、この会が2016年にできてこれまで7回国会報告を行って、この団体から支援を受けてきた、ということも答弁しました。

河野太郎氏が外務大臣だったとき
統一教会の活動を大臣表彰 取り消すことに

 私たち日本共産党国会議員団は、政府の問題も追及しております。穀田恵二衆院議員(党国会対策委員長)は外務委員会で、河野太郎大臣が外務大臣だったときに、海外で伝道してる統一協会の活動に対して、大臣表彰をしていた問題を追及しました。相手も慌てふためいて調べたら、たしかにこの団体は学校をつくって、そのなかで勧誘活動をしていまたことがわかったということで、大臣表彰を取り消すことになりました。 その後さらに、ただ表彰してるだけではなくて、岸田さんが外務大臣のときに、国民の税金、ODAの予算を使って統一協会の関連団体の学校建設を海外で支援ことも明らかになりました。外務省は大慌ての状況になっています。

「しんぶん赤旗」と共産党国会議員団
どんどん追及して事態が明らかに

 「しんぶん赤旗」と共産党国会議員団がどんどん追及して、事態が明らかになっていってるわけですけれども、大変問題だと思うのは、自分から進んで統一協会との関係を明らかにした議員がいないということなんです。追及されれば答える。これでは、本気で関係を断つ気はさらさらないということではないでしょうか。本気で関係を断つというのであれば、自民党は少なくとも党として責任を持った調査をやるべきではないでしょうか。

地方議員の問題は、さらに深刻
「世界日報」の記事が示すもの

 地方議員の問題は、さらに深刻です。実は、つい先日、統一協会系の「世界日報」に、地方議会についての大きな記事が出てたんですね。見出しはですね、「共産主導の徹底調査意見書相次ぎ否決 自民本部の指針 地方と乖離」と書いてあるんですね。これ統一協会の関係の機関紙です。記事のまとめはこう書いてあるんですね。「同教団への対応をめぐって、来年4月に統一地方選を控える所属議員らの間でも濃淡があり、自民党本部の指針(ガバナンスコード)を新たに盛り込んだ組織・団体との責任ある関係を地方に徹底することは容易でなさそうだ」と。つまり、統一協会の側は、これまでの数々の選挙支援で築いてきた自分たちと自民党議員との関係というのは簡単に切れっこないですよ、と高をくくっているわけですよ。

地方議員も含めて調査すべきだ、と要求
岸田首相は、調査するとはいいわなかった

 私はこの記事を示して、岸田総理に対して、地方議員も含めて調査すべきだと求めました。しかし岸田さんは、いや、どうせ無理だろうという声にしっかり答えられるよう徹底していきたい、とのべるだけで、調査するとはついぞいいませんでした。
 私もこれじゃだめだと思って、委員会の質問が終わったあとに、統一協会のこの機関紙の記事を岸田総理にプレゼントしたわけです。統一教会にどうなめられているのかというのを岸田総理には認識していただいて、本気で関係を断っていただ。そのために徹底した調査をしていただく、これを求めてがんばっていきたいと思います。
 ここで本気で関係を断つことをやらないと、ほとぼりが冷めれば、これまでと同じように関係が復活していくことになってまいります。ぜひ、この徹底追及の取り組みに対しても、世論の後押しをお願いしたいと思います。

なぜ、統一協会の被害が数十年にわたって続いたのか
なぜ、正体隠しの手助けのための名称変更を認めたのか

 なぜ、統一協会の被害が数十年にわたって続いたのか。政治と統一協会との癒着の間で行政がゆがまれた疑惑がたくさんあります。なぜ、警察が徹底捜査をしなかったのか。なぜ、解散命令請求がなされてこなかったのか。なぜ正体隠しの手助けのための名称変更を認めたのか。徹底的に究明していくことが必要なのではないでしょうか。

名称変更の経過を示す資料
文化庁はいまだに提出せず

 名称変更の経過を示す資料を文化庁宗務課に出してくださいと私がいったのは7月のことです。いまだに出てこないんですよ。こんなに文書が出てこないのは「桜を見る会」以来だ、とこのあいだの予算委員会で思わずいってしまいました。もう4カ月ですから「桜を見る会」よりもひどい事態ですよ。政治がらみになったら、徹底的にあらゆる情報を隠そうとするというのが彼らのやり方です。何の資料も示さずに、真相究明に背を向けて、ふたをしてしまう。こういうことは絶対に許すわけにいかないと思います。この問題も、追及をしていきたいと思います。

50年間 一貫して統一教会と対峙してきた共産党
この党を大きく伸ばしてください

 統一協会の問題については、「空白の30年があった」とメディアのみなさんよくそうおっしゃいます。けれども、私たち日本共産党はこの50年、一貫して統一協会と対峙してまいりました。安倍元首相が昨年、統一協会の関連団体に動画メッセージを送りました。あれを当時報道したメディアは、テレビ、新聞でいえば、「しんぶん赤旗」だけでした。そういうなかで、誰もが知るジャーナリストの方から、「赤旗を読んでいれば、こういう問題がわかった」ということで、「しんぶん赤旗」の購読申し込みがありました。50年間、この問題と対決してきた党として、政治と統一協会の癒着を一掃して、国民のための、当たり前の政治を取り戻すために、徹底的にがんばり抜いていく決意でございます。どうかみなさん、統一地方選挙でも、この党を大きく伸ばしていただきたいと思います。よろしくお願い申し上げます。

物価高から国民の暮らしを守る

電気代、ガス代だけではない
あらゆるものが上がっている

 2つ目にお話ししたいのが、この物価高から国民の暮らしをどう守るのか、このことです。
 先日、政府が新たな経済対策を発表いたしました。高騰してる電気代、ガス代、この対策を出すのはいいことですよね。ですけれども、上がってる物価は電気代、ガス代だけでしょうか。今月、牛乳もヨーグルトも上がりましたね。調味料も上がりました。私も、買い物係を毎日やっています。生活にかかわる多くのものが上がっている。

いま必要なのは全面的な物価対策
消費税減税こそ取り組むべき課題

 こうしたときに、部分的な対策だけではなくて、全面的な物価対策が必要だと思います。全面的な物価対策という点では、世界が取り組む消費税減税、これこそ日本で取り組んでいくべきです。

物価に負けないよう、賃金を上げる
政府の経済対策に欠けていること

 それと同時に、やっぱり政治がやらなければならないのは、物価が上がったときに、物価に負けないだけ、国民の収入を増やすことですよ。その政策が政府の経済対策にはまったく欠けているといわなければなりません。政府も「継続的な賃上げが必要だ」といいます。ところが、政府の賃上げ政策というのは、賃上げした企業に減税するという賃上げ減税です。これを10年やってきましたけれども、実質賃金は上がっていないではないですか。平均の実質賃金は年間27万円低下しているわけです。賃上げ政策とを、転換しなければいけないときにきていると思います。

いちばんの賃上げは最低賃金の引き上げ
世界と比べ日本はあまりに低すぎる

 政治ができるいちばんの賃上げというのは、最低賃金を上げることなんですよね。フランスは今年、ついに3回目の最低賃金の引き上げをやりました。11.06ユーロ。ユーロといわれてもぴんとこないですけれども、日本円にしたら時給1600円になりました。ドイツは今年2回、段階的に最低賃金を引き上げて12ユーロ、時給1750円ぐらいまで上がるわけです。ニュージーランドでは時給1800円、オーストラリアは時給2000円ということですから、東京で1070円台になりましたけれども、あまりにも低すぎる最低賃金だといわなければならないと思うんです。日本の最低賃金だと、ひとり親の方がダブルワーク、トリプルワークをしなければ、児童扶養手当とあわせても子育てできない。

最低賃金 時給1500円に
現状では物価の値上げに追いつかない

 私たち日本共産党は、最低賃金を一刻も早く時給1500円にすべきだということで、今国会でも取り組んでおります。政府は、今年の最低賃金の引き上げ額は過去最高の引き上げ率(3.3%)だ、と威張るんですよね。しかしみなさん、10月の消費者物価指数、ご覧になりましたか? 消費者物価指数は前年より上がって3.6%ですよ。最低賃金が追いついてないではないですか。

フランスは年3回最低賃金を上げている
日本ももう1回引き上げるよう要求

 私は、先日、厚生労働委員会で、もう1回最低賃金を引き上げるように求めました。私、聞いたんですよ。日本は年に1回しか最低賃金が上がらない。フランスは3回上がっている。日本の法律で最低賃金は1回しか上げてはいけないという法令があるんですか、と。そうしたら、「ございません」という答弁です。ですから、政治がその気になれば、もう1回最低賃金を上げることはできるんですよね。

「賃金の支払い能力も考えなければならない」という政府
ならば、賃金支払いのための支援を政治がしっかりやればいい

 最低賃金の再改定を求めると、労働者の生計費、消費者物価を見ればそうかもしれないけれども、賃金の支払い能力も考えなきゃいけない、こういう答弁を大臣がするんですよね。賃金の支払い能力がない事業者には、世界がやってるような賃金支払いのための支援を政治がしっかりやればいいのではないかと思います。

最低賃金 チリでは14%の引き上げを決めた
賃上げ分の73%を体力のない業者に助成

 今年、チリはインフレ率を大きく上回る14%の最低賃金の引き上げを決めました。実は、最低賃金の引き上げをするときに、第一段階では賃上げ分の73%を政府が体力のない業者のみなさんに賃金助成するんです。そうすれば、業者のみなさんも無理なく最低賃金の引き上げに応じることができるわけです。アメリカでも、フランスでも、韓国でも、最低賃金を思い切って引き上げたときというのは、中小企・零細者への支援の政策をとってきました。

日本でも真剣に業者への支援を

 日本でもですね、最低賃金を引き上げるときに体力がない業者がいて、それが引き上げのネックになってるのなら、そこに真剣に手当てをする。これこそ踏み切るべきだと思います。今政府は、防衛省の予算を増やすことばっかり一生懸命議論しておりますけれども、まずは国民の暮らしを守ることが優先じゃないでしょうか。

最低賃金の財源は
大企業の内部留保の一部に課税すればできる

 最低賃金引き上げのための財源として私たち日本共産党は、たまりにたまった大企業の内部留保、もうアベノミクス以降で130兆円もさらに積み上がっていますから、この一部に課税して中小企業に回せばできるではないか、ということを繰り返し国会で提案しております。

「実効ある賃上げ政策をやれ」
この声をおおきく広げましょう

 政府の賃上げ減税では、いくら岸田さんが賃上げを訴えても賃金は上がらない。もっと実効ある賃上げ政策をやれ! この大きな世論をみなさんとご一緒に広げて、最低賃金の引き上げ、時給1500円をめざして大きな歩みをすすめていきたいと思います。ぜひ大きなお力添えを心からお願い申し上げます。

物価高騰のなか
国民の負担と増やすとんでもない議論が

 この物価高騰のなかで、国民の暮らしをよくするどころか、国民の負担を増やす、とんでもない議論がさまざまおこなわれています。
 先日、私が国会で取り上げたのが、介護保険の問題です。介護保険制度は3年に1回見直しておりますが、どんどんどんどん内容が悪くなっております。そしていま、政府のなかで給付を削って負担を増やす7つのメニューというのが議論されてるんですね。

ねらわれている介護保険利用料の引き上げ
2割負担の対象を広げよう、と

 7つすべてをお話したら2時間ぐらいかかってしまいますから、少しだけご紹介します。1つの焦点になっているのが介護保険の利用料の引き上げなんですね。介護保険は、利用されている方の92%の方が1割負担です。そして、2割負担、3割負担の方が一部いらっしゃいます。この2割負担の対象を大きく広げよう。これを政府が考えているんです。
 だいたい、この物価高騰ですから負担を下げるようにしなければいけないときに、政府のやっていることはあべこべすぎる。私がこの問題を追及したら岸田さんは、いや、全員に2割負担を求めるわけではないんだ、と。能力がある人に2割負担を求めるんだ、といういい方をするんですね。

2割負担が導入されてどうなったか
ヘルパーさんやデイサービスを減らした、施設を退所した…

 しかし、高齢者のみなさんに能力があるという見方自体が、高齢者のみなさんの生活実態や介護費用の負担の大きさをまったくわかっていない議論だと思います。能力があるといって導入されたのが年金が年間280万円以上の方への2割負担、7年前のことだったんですね。
 それをやって何が起きたでしょうか。東京・東村山市に白十字ホームという特別養護老人ホームがあります。そこの施設長さんが中心の団体が、全国の特養ホームの施設長のみなさんにアンケートを7年前にやってます。1600ぐらいの施設から答えが返ってきてるわけですけれども、ショートステイの利用日数が減った。1人の年金だけでは支払えない額になってるわけですから、在宅で残ってる方の生活が成り立たない状況が生まれてしまう。個室の方は多床室に移らざるをえなくなった。さらにもっと大変な方は、家族の介護が大変で施設に入ったはずなのに、施設のお金が払えなくなって退所せざるをえなくなった。こんな事態が全国各地の施設から報告されました。
 在宅で介護されてる方々は、ヘルパーさんやデイサービスの支援の日数、回数を減らさざるをえなくなった。こういうことがたくさん起きたわけです。いま財務省は原則2割にしろといっていますから、政府は年収200万円、あるいは百数十万円、あるいはもっと少ない方かもわかりませんが、どこまで負担増が広がるかわかりません。

利用料が重くて介護保険が利用できない
これは国家的詐欺ということになる

 しかし、必要な介護サービスが受けられなくなったら、高齢者のみなさんは尊厳ある暮らしができなくなってしまいます。介護保険はもともと、家族に介護の責任をぜんぶ負わせるのではなくて、社会でしっかり支えよう、というのが出発点だったはずです。ところが、何十年とわたって介護保険料を納めながら、いざ介護保険を利用しようと思ったら、負担のせいで介護保険が利用できない。こういうことになったら文字通り、これは国家的詐欺ということになるのではないでしょうか。絶対に許すわけにいかないと思います。

介護保険への国庫負担を思い切って増やす
軍事費にではなく暮らしに税金をまわす

 給付を減らして負担を増やすにことについて岸田さんは、介護保険制度を持続可能なものにするためだ、というわけですよね。しかし、こんなことやったら、高齢者のみなさんの尊厳ある生活が持続不可能になってしまいます。制度を持続可能なものにするためには、国庫負担を思い切って介護保険に対して増やしていく。軍事費を2倍に増やすお金があるんだったら、もっと人びとの暮らしを支えるところにこそしっかりと税金をまわす。こうした政治にで切り替えていく必要があるのではないでしょうか。

来春の統一地方選挙
介護保険大改悪に痛烈な審判を下しましょう

 みなさん、来春の統一地方選挙のさなかというのは、介護保険制度の見直し法案が国会に出されている状況になります。日本共産党の全国的な躍進、そして東久留米市での4人全員当選で、介護保険の大改悪の動きに痛烈な審判を下す結果を力を合わせて出していこうではございませんか。心からお訴えしたいと思います。

軍事費2倍 敵基地攻撃能力も
アメリカが先制攻撃で使ったトマホークまで

 最後にお話ししたいのが、大軍拡の問題です。
 どうやって軍事費2倍に増やすのか。そのための財源をどう出すのか。軍事費2倍にして何を持つのか。こんな議論が自民党、公明党、政府のなかで盛んに繰り返されております。いま、敵基地攻撃能力を持つんだ、トマホークを保有するんだ、こんな話が出てきます。あのトマホークは、イラク戦争のときも、アフガン戦争のときも、シリアに対しても、アメリカが先制攻撃で使ったミサイルですよ。もし日本国内に配備したら、北京にだって直接届くような、長距離の巡航ミサイルです。昔、トマホークには核が載ってましたよね。そういう文字通りの敵基地攻撃能力を保有しようとしております。

トマホークを持っても平和は来ない
相手が攻撃態勢を整えるだけ

 しかし、こんなトマホークのミサイルをいっぱい使ったら、日本に平和がやってくるでしょうか。私はまったく逆だと思います。
 日本が1000発のトマホークを持って1000カ所の狙いを定めたら、相手の国は、ミサイルを配備してるところをめがけて攻撃できる態勢を整えるだけではないですか。軍事的対抗、軍拡の際限のない悪循環になるだけです。中国のGDPは日本の3.7倍です。軍拡で対抗する道は、財政的にも国民の暮らしからも、先がない道です。

台湾有事は日本有事、と自民党
日本を戦場にする議論 仲介・仲裁外交こそ

 自民党の政治家のみなさんは、盛んに台湾有事は日本有事だ、ということを繰り返しおっしゃっておられます。台湾有事でアメリカが介入したら、一緒に日本も武力介入する。そのためにトマホークを日本全体に配備していく。こういうことがいま、考えられているわけであります。
 しかし、もしいったん、アメリカと一緒になって武力介入したら、戦場になるのはアメリカではありません。日本が戦場になるんですよ。こんな危険な道にすすむわけには絶対にいかきません。日本政府がやるべきことは、アメリカと一緒になって台湾有事に介入する態勢をつくることではなくて、アメリカと中国のあいだにたって、仲介・仲裁の外交をすすめることだと思うんです。私は、憲法9条をもって戦争をしてこなかった日本だからこそできる外交こそやるべきだ。このことを強く政府に求めていきたいと思います。

税金の使い方の優先順位を曲げる大軍拡
それに加えて増税まで計画する岸田政権

 この大軍拡の道というのは、税金の使い方の優先順位が大きく曲げられてます。加えて、増税への道です。いま、財務省が軍事予算2倍化のためにいってることは、あの大震災のあとの復興増税のようなものをやろうではないか、という話なんですよね。あの復興増税は、期限付きでやってるわけです。今度は、2倍に防衛省の予算増やしたら、ずっと2倍ですからね。戦争への道のために期限なくずっと負担増です。1人当たり4万円、4人家族で16万円の増税になる。こんなことを許すわけには絶対にいかきません。

平和を脅かす道に審判を
ご一緒に戦争と暮らし破壊の道を止めましょう

 軍事費2倍、平和も暮らしも脅かすこの道に、来春の統一地方選挙で厳しい審判を下すために、私たち日本共産党国会議員団も徹底的に国会のなかでたたかっていく決意でです。みなさんも、この戦争と暮らし破壊の道を止めるためにご一緒に力を尽くしてがんばっていこうではありませんか。そのことを心からお訴え申し上げます。

来春の統一地方選挙を勝ち抜くために
ぜひ、日本共産党に加わってください

 そして、この東久留米の市議会議員選挙。4人全員当選ということを考えた場合には、草の根の力、これがいちばん大事ものになると思います。ぜひ、多くのみなさんに日本共産党に加わっていただきたいと思います。「しんぶん赤旗」を購読していただけける方を大きく広げていただけたらと思います。そのことを最後に心からお願いを申し上げまして、私、宮本徹からの国会報告とさせていただきます。どうもありがとうございました。