衆院リレーレポートより 『医療抑制路線の政治は終わりに』
後半国会、厚生労働委員会での審議(3月24日)の1本目は、「病床削減推進法案」。コロナ前から、政府は2025年までに急性期病床を3割減らす「地域医療構想」をすすめてきました。「人口が減っていく」というのが政府の言い分。とりわけ狙われているのが、公的・公立病院で、436病院が名指しで病床削減・再編統合の検討を迫られています。
しかし、今回の新型コロナ・パンデミックで、先頭になってコロナ患者を受け入れたのは公的・公立病院でした。名指しされた公的病院がある都内自治体の保健所長さんにお話をうかがうと、「早い時期から採算を度外視して受け入れてくれた。介護度が高い方も率先して受け入れてくれる。医療需要が高まった危機において、感染症医療に特化して担い手になるのが公的・公立病院。ある程度不採算でも病床は多めに持っていただかないと、いざというときに稼働できない」と政府がすすめる病床削減の見直しを訴えておられました。
政府は病床を削減しても、今後の新感染症に際しては「機能の分担で、機動的に対処する」といいます。目の前の新型コロナの感染拡大でも、通常医療との両立が困難になることを繰り返し、守れる命が守れなくなる事態を繰り返しているのに、何をかいわんやです。新型コロナの経験から学ぶこともなく、相も変わらず医療抑制路線を続ける政治はみんなで終わりにしましょう。
以上2021年4月11日付東京民報より