2022年4月13日 衆院厚生労働委員会 データ追跡調査要求 宮本徹氏 安全・有効性の確認で
配付資料 出典:HPVワクチン薬害訴訟全国弁護段ホームページ
日本共産党の宮本徹議員は13日の衆院厚生労働委員会で、薬機法改正案に関し、緊急承認した医薬品のデータを全て収集し追跡調査していくことを求めました。
宮本氏は同委員会の参考人質疑(12日)で、厚生科学審議会の福井次矢会長が緊急承認した薬の安全性・有効性について「悉皆(しっかい)性をもって収集、分析を進めるべきだ」と述べたことを紹介。安全性や有効性の確認にリアルワールドデータを使用する場合、すべて収集するかと確認しました。鎌田光明医薬・生活衛生局長は「どの程度調査を行うかは個別に判断する」と答弁しました。
宮本氏は、指摘を重く受け止めるよう求めるとともに追跡調査が大事だと主張。後藤茂之厚労相は「予防接種のデジタル化にむけた検討を進め、ワクチン接種の追跡調査を図っていく必要がある」と述べました。
宮本氏は、新型コロナワクチンの安全性を調べる上で厚労省の「レセプト情報・特定健診等情報データベース」(NDB)を活用することも要求。各年を比較し増えている疾患があれば、副反応の影響など見えてくるものがあるのではと指摘しました。佐原康之健康局長は、NDBの活用を含め「引き続き必要な分析を行いたい」と述べました。
以上2022年4月15日付赤旗日刊紙より抜粋</strong
≪2022年4月13日 第208回衆院厚生労働委員会第13号 議事録≫
○橋本委員長 次に、宮本徹君。
○宮本(徹)委員 日本共産党の宮本徹です。昨日、参考人質疑がございました。それを踏まえての質問を前半はさせていただきます。まず、何回か質問させていただいております、緊急承認制度での有効性の推定についてであります。 昨日の参考人質疑では、ウイルス量が減ったが症状改善効果がない場合について、厚生科学審議会の福井会長からは、ウイルス量が減っても患者さんにとって重要なアウトカムが全然変化がなければ効果があったと臨床的には言えないと、大変明確な指摘がございました。大臣、どう受け止めますか。
○後藤国務大臣 一般的に、これまでの臨床評価の評価項目については、患者にとって意味のある項目とすることが重要というふうに考えられています。したがって、緊急承認制度においても、臨床試験においては適切な主要評価項目が設定されて、その臨床試験結果を適切に評価すべきというふうに考えています。いずれにしても、医薬品の承認に当たっては、効能、効果を有するかどうか、効能、効果に比して著しく有害な副作用を有しないかどうかなど、ベネフィットとリスクのバランスを考慮しつつ、総合的に医薬品の有用性を評価していくということになります。
○宮本(徹)委員 もうちょっと明確に言っていただきたいんですけれども、福井会長と厚労省は同じ認識だということでよろしいですか。
○鎌田政府参考人 お答え申し上げます。福井参考人からは、先生御紹介がございましたように、ウイルス量が減っても患者さんにとって重要なアウトカムが全然変化がなければ効果があったとは臨床的には言えないという臨床家としての御意見があったわけでございますけれども、今大臣から御答弁申し上げましたように、一般論として、臨床試験の評価項目については患者にとって意味のある項目であることが必要で、そうした項目で臨床試験を行うわけでございますから、緊急承認制度においても、臨床試験においては適切な主要評価項目を設定され、その臨床試験を適切に評価するというふうに今お答え申したところでございます。他方、昨日の、私も拝聴しておりましたが、同じ質問に対しまして、やはり、荒井参考人からは、まさにそうした観点から、臨床試験において何を見ていくのかが重要であり、実際のプロトコルを見てみないと、一般的なことは言えないという御発言があったところでございまして、大臣が申し上げたような、リスク・アンド・ベネフィットを考慮しながら、個々のケースについて、有効性の推定の可否については予断を持ってお答えすることは困難というところでございます。
○宮本(徹)委員 それは、荒井参考人だとかはメーカー側の、メーカー側の思いはそういうところに反映されてお話があったのかも分からないですけれども、患者の側からしたら、薬というのは、どれだけいろいろ試験をやったとしても必ず副作用があるわけですよね。副作用があるんですよ。全く副作用がない薬というのは基本的にないわけですよね。副作用がある以上は、やはり、患者さんにとってのメリットがなければ、私は、緊急承認といえども承認すべきでないと思いますよ。そこを、私は、福井会長はおっしゃったんだと思うんですね。そこを重く受け止めていただきたいと思うんですよ。しっかり受け止めると、そこは御答弁いただけますか。
○鎌田政府参考人 まず、今先生、薬というものは、一定の効能、効果を持つ以上、副作用、副反応が避けられない、そういったことで、そういった一定の副反応、副作用を前提としながらも、患者さんにとってのメリット、使用価値、医療上の有用性があって承認するものだという御指摘がございました。まさに、緊急承認制度におきましても、安全性の確認を前提に有効性を推定して承認するものでございますが、その過程におきましては、当然に、条文にもございますけれども、有用性とリスクを、ベネフィット、バランスを考慮して、安全性を確認して、使用価値がある、医療上の有用性があると認めたものを承認するものですから、同じ考えであると考えております。
○宮本(徹)委員 なかなか、私の思っているように明示的に言っていただきたいというのが強い思いではあるんですけれども、私と言っていることは同じだということですね。そこが大変、もうちょっと分かりやすく言っていただきたいなという思いはありますけれども、これだけで時間を費やすわけにいかないので次に行きますが、とにかく、やはり、患者さんの症状改善の効果があるというのが確認されるというのが一番大事だということを申し上げておきたいと思います。それから、福井会長からは、期限内に改めて行う承認について、こういうお話がございました。緊急承認した後は、薬が使えるようになるのと並行して、やはり第三相試験は行うべきで、それで、できるだけ早く平時に行う第三相試験に相当する検証的臨床試験のデータを出して、それで正式の承認に持っていくべきであって、そのまま漫然と使うというのは好ましくないと。当然の発言だというふうに思います。政府は、例外的に、使用成績、リアルワールドデータで代替し得るということをおっしゃいますけれども、この点、薬害オンブズパースン会議の水口弁護士からは、第三相試験はプラセボ群と対比して有効性を確認する、一方、承認後のリアルワールドデータでは、患者に承認薬を投与しないというのは倫理的に難しい面もあり、第三相試験には代わり得ない、こういう指摘がございました。伺いますけれども、厚労省は、第三相試験と比べてリアルワールドデータの限界というのはどこにあるとお考えですか。
○後藤国務大臣 緊急承認における有効性については、治療薬については、後期第二相試験の結果で判断を行うこともあり、第三相試験と比べて被験者の数が少なく、データのばらつきから偶然よい結果が出ている可能性も排除し切れないために、有効性の証明の程度が相対的に低いことから、推定となっているものであります。このことから、緊急承認後の期限内に改めて行う承認申請にあっては、有効性を確認するため、原則として、通常の承認申請と同様に、第三相試験の成績の提出を求めることを想定しております。なお、感染者が急速に減少した場合など、試験の実施が困難な場合等には、市販後の使用成績等を含むリアルワールドデータにより有効性等の確認を行うことも考えられますけれども、評価項目の妥当性と、有効性のエビデンス構築にどのように活用可能かについては十分な検討が必要であると考えております。
○宮本(徹)委員 もうちょっと分かりやすく。リアルワールドデータでは、やはり不十分な面があるという認識だということでよろしいわけですね。
○鎌田政府参考人 御指摘のとおり、また、大臣から御説明申し上げたとおり、本来原則として第三相と言っておりますのは、ちゃんと丁寧な試験設計の上でやったものが統計的な証明に役立つというものでございまして、それに代わるリアルワールドデータがどういったものかというものについては、まさに、場合によってはきちんと制度設計がされたものもあるでしょうし、場合によってはそうでないものもございます。また、対象患者ですとかその背景等も、それぞれそろっているか、そろっていないかという点がございます。そういったリアルワールドデータの特性、限界というものを考慮しながら、我々の方で審査に活用するというものでございます。
○宮本(徹)委員 限界があるわけでございます、リアルワールドデータには。その上で、その期限内に改めて行う正式の承認について、これは前回お伺いしたんですけれども、感染症が収束した場合にはリアルワールドデータでいいというお話があったわけですよね。例外規定ですね、感染症が急速に収束した場合。この点についてお伺いしたいんですけれども、感染症が急速に収束した場合は緊急性に既に欠けているわけですから、もうその薬を使う必要もない状態になっているわけですよね。そうすると、緊急承認のプロセスから通常承認のプロセスに変えるというのが筋なのではないかと思いますが、そこはいかがですか。
○後藤国務大臣 例えば、感染症が収束した場合というのが、例えば本当に感染症が収束して、患者さんもいないような状況になり、リアルデータも取れないほど収束しているというような場合には、有効性を確認するための第三相試験の成績等は提出ができないわけで、結果として承認を取り消すことになる場合もあろうかと思います。ただし、先ほどもお答えしたとおり、感染者が急速に減少した場合など、試験の実施が困難な場合等には、市販後の使用成績等を含むリアルワールドデータがある場合に、その有効性の確認を行うこともあるというふうに申し上げているわけであります。あくまで原則は、第三相試験、検証的臨床試験の成績の提出を求めて、有効性を確認することが必要だというのが原則です。
○宮本(徹)委員 感染症、今回のコロナなんかは波がありますよね、波がある。減ったかに思ったけれども、また増えていく、こういう状況だったら、第三相試験はできると思うんですよね。ですけれども、本当にぐんと減っていってしまったら、本当に収束していくということになったら、これは薬自体の必要性がなくなるから、感染症が収束した場合が例外なんだというのがなかなかイメージがつかないということだけ申し上げておきたいというふうに思います。それから、参考人質疑で、福井参考人からはこういうお話もございました。緊急承認した薬については、データを悉皆性をもって収集する、それで分析するということも進めるべきと。これは、使用成績について、安全性をしっかり見ていく、有効性もしっかり見ていく上で、リアルワールドデータのお話がございました。ちょっと通告していないんですけれども、確認だけですが、基本は、リアルワールドデータ、使用成績というのは、悉皆性をもって収集していくという考え方でよろしいんですか。
○鎌田政府参考人 どのようなデータを集めるか、またそれは悉皆性を持つかどうかというのは、緊急承認を行うときの条件のつけ方によるものと考えます。現在の通常の承認におきましても、希少な疾患ですとか、あるいは抗がん剤のような場合には、悉皆性を、全例調査ということを条件として付している場合がございます。今回想定しているようなパンデミック時に有効性の推定で承認するわけでございますけれども、やはり、そのときのその薬の特性ですとか、あるいは対象患者の数なども踏まえながら、どの程度の調査を行うかということは個別に判断するということになります。
○宮本(徹)委員 個別に判断するということですけれども、安全性、有効性をしっかり見ていこうと思ったら、この福井会長がおっしゃった悉皆性をもってデータを収集するというのは本当に私は大事な指摘だと思いますので、そこは今後の制度設計を考える上でもしっかり受け止めていただけたらなというふうに思います。あわせて、データを悉皆性をもって収集すると同時に、追跡調査をしっかり行っていくというのが私は大事なことだというふうに思っております。資料を今日は一枚だけ配付をしております。これは、過去のHPVのワクチンの副反応に関わる資料でございます。薬害訴訟弁護団のホームページから取ったものです。実は、HPVワクチンでいえば、審議会で、重い副反応症状に苦しむ原告らが適切に検討されていないのではないか、こういう指摘がされております。全国の原告百二十九人中、重症症例扱いとして具体的な症例検討が行われたのは十九人のみだそうでございます。しかし、重症症例扱いされなかった百十人も、同様に重い副反応症状で苦しんでいる。実は、そのうち、少なくとも三十八人は障害認定されている。このグラフを見て、その一部だけ、ホームページにはもっと全体出ておりますけれども、この一部だけの抜粋の要約版を今日お持ちしましたけれども、重症症例扱いされていない方々も、障害二級、障害一級、障害年金二級などなど、こういうふうに認定されているわけです。なぜこういう身体障害一級、二級と認定されるような方々が重症症例扱いされていないのか。一つの原因は、私は、やはり、その後の追跡をちゃんとやっていないからだと思うんですね。副反応報告が国に上がった、それに基づいて、そのときの情報を中心に検討を続けているというのがこういうことなんじゃないかと思うんですね。その後、しっかり、どうだったのか、どうなっているのかというのを追跡すれば、こんな障害一級、二級に認定されるような方が重症症例扱いされないということはなかったというふうに思います。そういう点でいえば、緊急承認した医薬品についてのその後の安全調査というのは、しっかりした追跡調査もやっていくのが大事だと思うんですよね。その点、大臣、ちょっとお考えをお伺いしたいと思います。
○後藤国務大臣 国民の利便性、健康を守るという観点からも、自治体や医療機関の事務をきちんとこなせるように軽減していくという観点からも、予防接種の有効性、安全性に関する調査の充実を図るためにも、予防接種全体のデジタル化に取り組むことが必要であると考えています。デジタル庁と連携しまして、今回の新型コロナワクチン接種の特例臨時接種にとどまらず、定期接種も含めて、総合的に今検討しているところです。今後、予防接種の有効性、安全性に関する調査をより的確に行う観点から、予防接種の実施状況、副反応等に係る匿名データベースを整備して、レセプト情報や特定健診等の情報データベース、NDBとの連結分析も可能とするなど、予防接種のデジタル化に向けて、具体的な検討を進めてまいりたいというふうに思います。そうしたことで、しっかりとワクチン接種の追跡調査を図っていく必要があると思います。
○宮本(徹)委員 デジタル化を進めて追跡調査していくというのは、本当に極めて大事なことだというふうに思います。あわせて、一つ一つの、今ある、副反応報告で上がってきている症例についても、もう少し踏み込んだ追跡調査を是非やっていただきたいなという思いがあるんですが、局長、その点はいかがですか。
○鎌田政府参考人 まず、追跡調査と申しますか、我々、副反応報告におきましては、医療機関、そして企業という形、必要な情報を集めますし、また、経過が長引くものについてはその都度情報が来るという意味においては、追跡というか、一定程度の情報は集まるものと考えております。また、先ほど、資料の中で、原告の方の数、それから重症症例の数ということの御紹介がございました。その点についてでございますけれども、個別の症例については係争中でございますけれども、一つは、この重症症例と申しますのは、アナフィラキシー、それから急性散在性脳脊髄炎、いわゆるADEM、それからギラン・バレーという三つの症状と、それから、副反応疑い報告の転帰に後遺症と書かれたものを集めたものでございます。そういったものがあるかどうかに該当した数でございます。一方、資料にございましたPMDAの障害何級ですとか障害の方は、あれは救済の結果でございます。また、右側の欄に、PMDAの身体障害がない普通の身体障害であれば、それは障害福祉の観点のものでございますので、まさにその辺の基準の違いというものもあろうかと思っています。ただ、いずれにしましても、我々としては、丁寧に情報を集めて検討しているところでございます。
○宮本(徹)委員 副反応報告で後遺症等、アナフィラキシーだとか書いてあったものがこの重症症例扱いだというお話がございましたけれども、まさに後遺症があるからこういう障害認定ということを受けているわけですから。ただ、その時点の副反応報告には記載がなかったけれども、記載が不十分だったかも分からない、そういうことがこういうことに表れているのではないのかなと思いますので、更にどういうことができるのかというのを是非御検討いただきたい。局長、うなずいていらっしゃいますので、よろしくお願いを申し上げたいと思います。その上で、次の質問に行きます。先日の質問の中で、阿部知子議員から、ワクチンの問題について、イスラエルのデータの提示がありました。ワクチン接種者の中では帯状疱疹が一・四三倍になっているというお話でした。日本ではワクチン接種後の副反応の一部しか報告されていない仕組みですから、帯状疱疹が増えているかどうか、これ自体も分からないわけですね。実は、私、先日の阿部議員の質問を聞いていて思い出したことがございます。というのは、私も去年、帯状疱疹になったんですね。解散の頃でしたから、選挙の準備のストレスじゃないかというふうに当時は思っていたんですけれども、阿部議員の指摘で、そういえばワクチン接種の一か月後だったなというのを思い出しました。もちろん、ストレスなのか、副反応なのか、これは判断がつかないわけでございますが、もちろんお医者さんが、皮膚科に行っているわけですから、ワクチンのお話はしていないので、副反応報告は上がらないわけですよね。ですから、今の副反応報告の仕組みだけではワクチンの安全性を検証する上では極めて不十分だというのを、改めて、自分自身のことを考えても、報告が上がらないんだなというのがよく分かりました。そういう点で、先ほど大臣から答弁があったように、しっかりとワクチン接種の記録、診療データ、こうしたものを組み合わせて追跡調査できる仕組みをつくっていくのは非常に大事だと思いますが、ただ、現状は、それがない。それがない下で、どうやってこのシグナルを検出できるのかなということを考えた場合に、NDBをもっと現状でも活用できないかというふうに思います。例えば、二〇一九年、二〇二〇年、二〇二一年のNDBに入っているレセプト、これの比較をする。増えている疾患があった場合、コロナ感染拡大の影響なのか、ワクチン接種の影響なのか、それは簡単には分からないとは思いますけれども、見えてくるものがあるんではないのかなと。さらに、その見えてきたものを、副反応報告と突合することで見えてくることもあるんじゃないかというふうに思うんですけれども、このNDBをもっと活用すべきではないかということについてはいかがでしょうか。
○佐原政府参考人 お答えいたします。NDBの活用事例としては、御指摘のような経年変化の解析ではないんですけれども、例えば新型コロナワクチン接種後の心筋炎、心膜炎につきまして、NDBを活用した結果から、昨年末に、心筋炎、心膜炎については重大な副反応として位置づけて、添付文書に記載するとした事例がございます。これは具体的には、心筋炎等につきまして、副反応疑い報告に基づくワクチン接種後の発現率と、それから、NDBを活用して算出しました日本におけるコロナワクチン接種開始前の、ワクチンとは無関係に心筋炎の発生が期待される発現率との比を算出しまして、ファイザー社のワクチンとモデルナ社のワクチンについて、二回接種後の若年の男性で心筋炎等の発現頻度が高いことが示唆されたことから、審議会の議論を経まして、添付文書への記載等の必要な修正、対応を行ったところでございます。御指摘のように、NDBを活用して様々な疾患について効率的に解析を行うこと、これはレセプトの特性も踏まえた十分な検討が必要ではあると思いますけれども、新型コロナワクチンの接種後の副反応が疑われる症状について、NDBの活用を含めて、審議会における議論も踏まえつつ、国民の皆様が安心してワクチン接種を受けられるよう、これは引き続き必要な分析を我々としても行ってまいりたいと考えております。
○宮本(徹)委員 既に活用している例は私も存じているんですけれども。ただ、問題は、先ほど申し上げましたように、副反応報告というのは、現実には一部しか上がっていないんですよね、一部しか。副反応だと思ったものしか上がっていないわけですよ。それでも、心筋炎のように大きな差があるものは比較すれば出てきますけれども、現実には上がっていない報告が、副反応かも分からないけれども、それは分からないから上がっていないものがたくさんあると考えると、やはり、経年変化というのは一つ、人が入れ替わっているわけじゃないですから、基本的には同じ人たちが暮らしているわけですから、二〇一九年、二〇二〇年、二〇二一年と経年変化で見たら、何かの疾患が増えているかも分からない。それは、イスラエルなんかのデータとも符合して、調べるというのもあると思いますけれども、そうしたことをやれば本当に見えてくるものがあると思うんですよね。ですから、本当に、せっかくこういうデータを集積したものがあるわけですから、大いに活用して、安全性を更に高めていくためのものに利用していただきたいと思いますので、そこはよろしくお願いを申し上げたいというふうに思います。それと、あともう一点、お伺いしたいんですけれども、予防接種健康被害救済制度について、亡くなられた方五人がいずれも保留となっておりますが、この保留というのは、何で保留になるのかということなんですよね。というのは、予防接種に起因することが否定できないものは対象になると。予防接種に起因することが否定のできないものは救済制度の対象になるというのがこの間の答弁なんですよね。そうすると、否認ではない、保留になる。なかなか私はその理屈が理解できないんですよね。否認ではないんだったら、当然、保留せずに、救済制度でしっかりと救済するというのが筋ではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○佐原政府参考人 お答えいたします。救済の認定につきましては、審議会において、個々の事例ごとに、症状の発生が医学的な合理性を有すること、時間的密接性があること、他の原因によるものと考える合理性がないこと等について、医学的見地から検討が行われ、その上で、請求された疾病等と予防接種の因果関係については、厳密な医学的な因果関係は必要とせず、接種後の症状が予防接種により起こることが否定できない場合も対象とするとの方針に基づいて審査を行っております。御指摘の五件の死亡事例についても、同様の考え方に基づきまして丁寧に審査が行われて、その結果、保留となっているものでございます。
○宮本(徹)委員 丁寧な審査を行って保留になるというのは、よく分からないんですよね、本当に。否認できなかったわけですよね。否定できなかったわけですよね、集まってきているデータでは。否定できないんだったら救済するというのが、この間の政府の説明なんじゃないでしょうか。
○佐原政府参考人 お答えいたします。審査におきましては、予防接種と有害事象の、例えば時系列の確認でありますとか、生物的な妥当性を踏まえまして、様々な専門家により、深い議論を今していただいているというところでございます。
○宮本(徹)委員 今まだ議論中だから、これはやがてちゃんと救済されますよということだったらいいんですけれども。先日、韓国の制度の話もしましたけれども、やはり迅速な救済というのも、本当に被害者の方あるいは遺族との関係でも非常に大事なことだと思いますので、これはしっかりと、否認はできないな、可能性があるんだということだったら、しっかり迅速に救済をしていただきたい。このことを申し上げまして、時間になりましたので、残りの質問はまた次回とさせていただきたいと思います。終わります。