東京「年金引き下げ違憲訴訟」 東京高裁第4回口頭弁論報告集会で連帯挨拶
6月6日(月)東京「年金引き下げ違憲訴訟」東京高裁第4回口頭弁論が行われ、結審しました。判決は10月28日です。
終了後に行われた報告集会で、宮本徹衆院議員、山添拓参院議員が会場に駆けつけました。
宮本徹議員は、物価高により高齢者の暮らしも一層苦しくなっている中、年金も目減りしているとのべ、「文化的で最低限の生活と定めた憲法25条にてらして、年金の低さそのものが憲法違反だ」と指摘しました。さらに、高齢者の方が、生活の足しにと登録しているシルバー人材センターについて、政府が来年10月開始を狙うインボイス制度が導入されると、新たな消費税負担がのしかかるため、「このままでは事業運営が困難になる」と切実な声が出ていると指摘。「これは、裁判闘争とあわせ、一緒に変えていかないとならない。私も頑張る」と挨拶しました。
以下2022年6月19日付東京民報より抜粋
国が2013年~15年にかけて年金支給額を段階的に計2.5%削減したことは、憲法13条(幸福追求権)、25条(生存権)、29条(財産権)、社会権規約などに違反するとして年金減額処分の取り消しを求める年金引き下げ違憲訴訟東京原告団(507人)の第4回口頭弁論が6日、東京高裁裁判所で開かれ、結審しました。原告で求めていた香取照幸元年金局長を証人として呼ぶ申請は、「必要性を認めない」とする裁判所の合議により却下。10月28日に判決が言い渡されます。
同訴訟は全国年金者組合が中心となり、2015年に44都道府県、39地裁で、原告5044人が国に対して一斉提訴。今年に入り、山梨、兵庫、福岡各県の原告団は高裁で敗訴し、すでに上告。年内に約10の原告団が最高裁判所でのたたかいになる事を見込み、原告団は大法廷で審理し、統一した判断を示すことを最高裁に要請する署名活動を進めています。
閉廷後の報告集会で、同日に意見陳述を行った弁護団の加藤健次弁護士は、これまでに同訴訟で地裁と高裁が下した計44の判決は「主要部分が過去のい最高裁判決の貼り付け」と指摘。明らかに事案が異なる1982年の掘木訴訟最高裁判決、1989年の塩見訴訟最高裁判決が引用されており、法廷では裁判所に対し、事実を踏まえ、正面から憲法判断をするように求めました。
香取元年金局長の証人採用が却下されたことについて、「最も重要な立法経過に関する事実が明らかにされていない」と指摘。「国は経過を説明できないまま、皆さんの年金を減らした。そこを裁判所には理解してほしかった」と語りました。
今野久子弁護士は、今年4月から年金が0.4%減額されたことに対し、「このままでは年金で生活できない人、貧困者があふれる状況になる」と危惧。「最低保障年金制度をつくることが大事」と訴えました。
全日本年金者組合の杉澤隆宣委員長は「この物価高の中で年金は減額。10月から75歳以上は医療費の窓口負担が2割になる。怒りでいっぱい」と声を上げました。
報告集会には、日本共産党の宮本徹衆院議員と、同党の山添拓参院議員も参加。宮本氏は物価が高騰している中で年金が目減りし、高齢者の生活水準が下がっているちお語り、「憲法25条に照らすと、年金の低さそのものが憲法違反」と強調。山添氏は「年金で暮らしている人だけの問題でなく、若い世代でも将来の不安は年金といわれるほど全国民的な課題」と述べ、「平和も暮らしも展望が持てない政治を改めるべき」と力を込めました。