2023年11月24日 衆院予算委員会 収入不記載は故意濃厚 自民パー券問題追及

配付資料 出典:しんぶん「赤旗」日曜版

 日本共産党の宮本徹議員は24日、衆院予算委員会で、自由民主党の主要5派閥が政治資金パーティー券収入を不記載にしていた問題をただしました。
 宮本氏は、平成研究会の収支報告書で不記載になっていた「全国介護福祉政治連盟」と「整形外科医政協議会」の二つの政治団体について、「収支報告書作成の際に派閥の側にパー券の金額の問い合わせをしていると聞いている。平成研との間で、パー券をいくら購入したかやり取りがあったのではないか」とただしました。
 平成研の事務総長を務める新藤義孝経済再生担当相は「政治資金の処理は適正に行われている。政治団体と連絡を取ることはあるが、調整はしていない」と答えました。
 宮本氏は「ある政治団体は、清和政策研究会、志帥会、宏池政策研究会から、パー券をどれだけ購入したかの確認があったと述べている」として、政治団体とのやり取りをただしました。岸田文雄首相は、「事務連絡で事実を確認することはありうる」と答弁しました。
 宮本氏は「パー券の購入金額を確認しながら不記載にしたのは不可解。意図的な不記載としか考えられない」と指摘しました。
 さらに、宮本氏は、宏池会(岸田派)が昨年2度にわたり、収支報告書を訂正していることをあげ「不記載の指摘があれば、全体を確認するのが当たり前だ。2度とも指摘の範囲でしか訂正していない。政治資金規正法の主旨に反する」とただしました。岸田首相は「指摘を受けた点は訂正した」としか答えませんでした。
 宮本氏は「宏池会含め他の派閥も、指摘の部分だけ訂正している。単なるミスとの言い訳は国民に通用しない。パーティー券の問題は闇が多すぎる」と批判しました。

以上2023年11月25日付赤旗日刊紙より抜粋

≪2023年11月24日 第212国会衆院予算委員会第7号議事録≫

○小野寺委員長 これにて斎藤君の質疑は終了いたしました。次に、宮本徹君。
○宮本(徹)委員 日本共産党の宮本徹です。自民党の主要五派閥がパーティー券収入を政治資金収支報告書に不記載にして、裏金をつくっていたのではないかと刑事告発されております。配付資料にありますように、赤旗記者の取材に、複数の政治団体が、政治資金収支報告書の提出に当たって、派閥の側とパーティー券の金額について確認を行っていると答えております。政治団体の側から派閥の側に確認するケースもあれば、派閥の側からパーティー券を購入した団体側に幾らだよねと確認が来る場合もあるとのことであります。茂木派の事務総長である新藤大臣に伺います。平成研の収支報告書で不記載になっていた、全国介護福祉政治連盟、それと整形外科医政協議会、この団体は、政治資金収支報告書の作成の際に、派閥の側にパーティー券の金額の確認の問合せをしていると聞いております。平成研とパーティー券を購入した政治団体との間では、幾ら購入したのか確認のやり取りがあるんじゃありませんか。
○新藤国務大臣 まず、個々の政治団体に関するお尋ねについて、政府にある立場としてお答えすることは差し控えさせていただく、これは、ほかの閣僚の方も含めて、そのように申し上げているわけであります。そして、政治資金の収支報告の関係につきましては、おとといの委員会の冒頭で、総理の方から、こうした適切な説明を各政治団体において行うように幹事長に指示がされて、それを踏まえて、幹事長が即日記者会見を行って説明をしていると承知をしております。ですから、事務方において平成研の政治資金の処理は適切に行われているというふうに承知をしております。その上で、私も、御質問をいただきましたので、茂木会長の会見を踏まえて事務方に確認したところでは、連絡を取ることはあるが、調整をしている、そういうようなことはない、このように聞いております。
○宮本(徹)委員 連絡はされているわけですよね。この二つの団体は、ちゃんと茂木派、平成研とやり取りをしたということになっているわけですよね。お互い金額を確認しているので、当然、平成研の側にも、記載が必要な二十万円以上だ、こういう団体であるという認識はあるわけですよ。にもかかわらず、不記載なんですね。これは単純なミスではなくて、意図的な不記載なんじゃないですか。
○新藤国務大臣 詳細については、政治団体の方で適切な対応をされ、そしてまた、お尋ねがあればお答えできるというふうに思います。ですから、確認をいただきたいんですが、私、ここについての、個々の一つ一つについて承知をしておりませんが、恐らく、分からなかったから、指摘をいただいて、確認した上で修正をしたということであって、あらかじめ承知をして、意図的にそれを伏せたということではないというふうに私は想定をしております。
○宮本(徹)委員 想定で答えられたら困るんですよね。私たちは、ちゃんと、我が党の機関紙の取材に基づいて指摘をさせていただいているわけですよ。この二つの政治団体は、ちゃんと平成研とパーティー券の金額の確認の問合せをしているとおっしゃっているわけですよ。にもかかわらず、載せていない。これは意図的な不記載の可能性というのが極めて高いんじゃないかと私は言わざるを得ないと思います。これはちゃんと説明責任を果たしてもらわなきゃ困りますね。総理にもお伺いしたいと思います。ある政治団体は、清和会、志帥会及び宏池会から、パーティー券をどれだけ購入したのかの確認があったと述べております。宏池会は、政治資金収支報告書の記載に当たっては、パーティー券を購入した団体との間で、幾ら購入したのか、この確認のやり取りがあるのではないでしょうか。
○岸田内閣総理大臣 常識的に見ても、様々な指摘を受けて、政治資金パーティー券の購入数の確認等を含めて、事務連絡のために会計担当者が政治団体側に連絡を取るということはあるんだと思います。これは別に何か調整しているというものではなくして、改めて事実を確認するということはあり得るのではないかと考えます。
○宮本(徹)委員 私たちが指摘した後の確認をするのは当たり前の話だと思うんですけれども、指摘の前ですよね。政治資金収支報告書を作成する際に、ある政治団体は、清和会、志帥会及び宏池会からは、パーティー券をどれだけ購入したのかの確認があったと。これは指摘の前ですよ。初めに提出をする、それぞれの団体が政治資金収支報告書を出しますよね、その際に確認、やり取りをしているという話を聞いているんですけれども、そうじゃないんですか。
○岸田内閣総理大臣 指摘の前であっても、事務連絡という形で事実を確認するということはあり得るんだと考えます。
○宮本(徹)委員 あり得るじゃなくて、やっているというふうに答えているわけですよね。そうすると、政治団体の側が問合せをされているわけですから、清和会、志帥会及び宏池会というのはちゃんとその団体の金額を把握しているわけですから、間違いなく初めから政治資金収支報告書に金額が載せられなきゃおかしいわけですよ。ちなみに、宏池会は、確認しているので、この団体については初めから載っています。しかし、清和会と志帥会は、確認していたにもかかわらず、当初、政治資金収支報告書には記載がされていないわけですよね。わざわざ相手の団体に改めてパーティー券の購入金額を確認しておきながら、当初、不記載にしていた。極めて不可解と言わなければならないと思います。これは意図的な不記載があった、こうしか考えられないんですが、総理はどうお考えですか。
○岸田内閣総理大臣 宏池会については、確認して、記載しているという御指摘がありました。ただ、それ以外の政策集団、政治団体の収支については、私は詳細を承知しておりません。だからこそ、幹事長に、各派閥にその説明をするように、してもらいたい、こういった連絡を取るよう指示をした次第であります。
○宮本(徹)委員 各派閥からのこの間の説明では、私が今指摘したような問題については何一つ答えていないわけですよ。これは配付資料を配っていますけれども、一年前の赤旗の指摘ですよ。にもかかわらず、その点について説明されていないんですね。こうした、お互い、政治資金収支報告書を出すに当たって、パーティー券の購入金額が幾らなのかと確認し合っているのにもかかわらず、なぜ不記載になったのか、裏金づくりではないのか、こういう疑念が指摘されているわけですよ。これはなぜ不記載になってしまったのか、国民に説明できるような説明が求められるんじゃないかと思いますが、ちゃんと私のこの指摘に対しても説明できるように、各派閥に指示していただけますか。
○岸田内閣総理大臣 購入金額が二十万円を超えた場合に支払い人の名称を記載しなければいけない、こういった規定にかかわらず、名称が不記載であったという点について御指摘を受けています。それは直接は裏金云々という話ではないと考えております。いずれにせよ、国民の政治資金に対する信頼という観点から、各政策集団、政治団体において適切に説明を行うことは重要であると考えます。
○宮本(徹)委員 裏金づくりじゃないんだというんだったら、なぜ、こうした経過をたどったにもかかわらず不記載だったのかということの説明が求められますので、しっかり説明していただきたいと思います。加えて、総理にお伺いしますけれども、宏池政策研究会は昨年二度、政治資金収支報告書を訂正しております。昨年十月二十七日、赤旗記者は、五団体、百七十二万円分の不記載について文書で質問し、その翌日に、指摘の箇所だけ訂正されました。その後、赤旗記者の調査で新たな不記載が判明し、十一月七日、一団体、四十万円の不記載について文書で質問しました。その日に、その指摘の箇所だけ訂正をされました。総理は、一年ほど前に報告を受けたと答弁されておられましたけれども、これは一度目の訂正の際なんでしょうか、二度目の訂正の際なんでしょうか。それとも、二回報告を受けたんでしょうか。
○岸田内閣総理大臣 御指摘のとおり、宏池政策研究会の政治資金収支報告書については、令和四年十月二十八日と同年十一月七日に、政治資金パーティーの対価に係る収入について支払い者の名称の記載漏れの訂正を行っており、私も、訂正を行った旨の報告を受けました。そして、その報告を受けたタイミングですが、宏池政策研究会の会計責任者に確認したところによれば、十一月七日の訂正の後にまとめて報告を行ったということでありました。
○宮本(徹)委員 一回目のときに報告をされていないというのも、団体の在り方としてどうなのかと思いますけれども。普通、不記載が指摘をされたら、政治資金収支報告書にほかに間違いはないのか、もう一度全体を確認するというのが当たり前の姿だと思うんですよね。ところが、一回目の訂正を行う際に、赤旗記者が指摘したところ以外直っていない。これは、それ以外のところは確認しなかったということですか、総理。
○岸田内閣総理大臣 御指摘を受けて確認をし、訂正を行い、そして、それ以外について、その後の確認の上で、十一月七日の訂正を行ったということだと報告を受けております。
○宮本(徹)委員 二回とも、いずれも赤旗が指摘した範囲でしか訂正していないんですよ。ですから、一昨日、立憲民主党の議員から、ほかに違うところがあるじゃないか、こういう指摘が出るわけですよね。政治資金規正法は、政治活動が国民の不断の監視と批判の下に行われるようにするため、収支の状況を明らかにすることで、政治活動の公明と公正を確保することを目的としております。一度指摘されたのに、報告を訂正するに当たって、改めて全体の確認もしようとしない。これは、政治資金規正法の趣旨にもとる意図的な不記載、こう言われても仕方がないんじゃないですか。
○岸田内閣総理大臣 いずれにせよ、指摘を受けた点については訂正を行い、そして、各政治団体において訂正を行ったことについて説明することは重要であると考えて、党の幹事長から各政治団体に対して、説明をするよう連絡をした次第であります。私もそういった指示を出した次第であります。
○宮本(徹)委員 政治資金規正法の趣旨をやはりみんなちゃんと理解して活動しなきゃいけないんじゃないですか。これは宏池会だけじゃないんですね。他の派閥も含めて、指摘されたところだけ、ちょこちょこっと直している。
○小野寺委員長 申合せの時間が過ぎておりますので、御協力をお願いいたします。
○宮本(徹)委員 単なるミスという言い訳は、これは国民に全く通用しませんよ。本当に、パーティー券の問題は闇が多過ぎますので、これからも私たちは追及していくことを申し上げまして、質問を終わります。

≪2023年11月24日 第212国会衆院予算委員会だ7号議事録 補正予算案討論・採決抜粋≫

○小野寺委員長 ただいままでに、立憲民主党・無所属藤岡隆雄君から、また国民民主党・無所属クラブ斎藤アレックス君から、それぞれ、令和五年度補正予算両案につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議が提出されております。この際、両動議について提出者より順次趣旨の弁明を求めます。藤岡隆雄君。

○藤岡委員 立憲民主党・無所属の藤岡隆雄です。私は、会派を代表して、ただいま議題となりました令和五年度補正予算につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議に関して、その趣旨を御説明いたします。まず、編成替えを求める理由を申し述べます。本補正予算において、物価高対策は必要であるものの、それ以外の水膨れしたばらまき財政出動を実施することは、更なる物価高を助長し、国民生活を一層圧迫することになりかねません。今必要なのは、ばらまきではなく、真に支援を必要とする家計、事業者への直接的、重点的支援です。こうした認識の下、我々は、さきに立憲民主党が取りまとめた物価高を克服するための緊急経済対策に基づき、令和五年度補正予算の編成替えを提案いたします。次に、編成替えの概要を御説明いたします。第一の柱として、家計への直接支援に三兆円を措置いたします。中間層を含む約六割の世帯に対して三万円のインフレ手当を迅速に給付するとともに、現下喫緊の課題である子供、子育て支援並びに実質賃金の上昇を実現するため、来年度からの本格実施に向け、児童手当の拡充、給食費の無償化、正規、非正規間の賃金格差是正、介護、障害福祉職員、保育士等の処遇改善などを緊急実施いたします。第二の柱として、事業者への直接支援に一・六兆円を措置いたします。電気料金高騰対策、中小企業のコロナ債務の一定範囲内での減免、第一次産業に対する緊急支援などにより、この間の物価高で厳しい環境にある事業者を直接支援することで、雇用となりわいを守り抜きます。第三の柱として、省エネ、再エネへの大胆投資に二・一兆円を措置いたします。電気料金やガソリン代などの高騰により負担増を実感している今こそ、ピンチをチャンスに変えて、エネルギー価格の高騰に強い社会経済構造への転換に向け、大胆な投資を実施いたします。なお、第一の柱関係としてトリガー条項の発動、第二の柱関係としてインボイス制度の廃止による税収減を併せて見込んでおります。これらの財源は、大阪万博に係る経費を含む経済対策関係経費の削減並びに新型コロナウイルス感染症及び原油価格・物価高騰対策予備費、マイナポイント事業費などの既定経費の減額を図るとともに、日本銀行保有ETFの分配金収入の活用、基金の余剰金の国庫返納などに取り組むことで確保いたします。また、本補正予算で追加発行を予定している約八・九兆円の赤字国債、建設国債については、その全額について発行を取りやめることができ、本編成替えにより、追加の国債発行なしで補正予算を組むことができるものであります。以上が、立憲民主党・無所属の編成替え動議の概要であります。委員各位に本動議への賛成を強くお願い申し上げ、趣旨の説明といたします。(拍手)

○小野寺委員長 次に、斎藤アレックス君。

○斎藤(ア)委員 私は、国民民主党・無所属クラブを代表し、ただいま議題となりました政府提出の令和五年度補正予算二案を撤回のうえ編成替えを求めるの動議に関して、その趣旨を御説明いたします。まずは、編成替えを求める理由を申し述べます。長期にわたり停滞する経済、止まらない少子化傾向、このような問題も、結局は、手元に残るはずの可処分所得が少なくなっていることにより引き起こされています。これらを改善、解決するためには、給料が上がる経済に寄与する予算、人づくりに寄与する子供、子育て政策関連の予算を編成しなければなりません。また、ガソリン、軽油価格、電気料金等の高騰に伴い物価も上がっています。これにより国民生活は大きな影響を受けているため、国民生活を支える予算編成が必要です。そこで、国民民主党・無所属クラブは、給料が上がらない我が国の経済、いまだ脆弱な少子化、子育て支援策、農林水産業への支援、ガソリン等の物価高騰に対処し、真に国民生活を支える内容に令和五年度補正予算を変えるため、減税を含む予算の編成替え動議を提案いたします。次に、編成替えの概要を御説明いたします。第一に、所得税減税を実施します。政府案に連動した税制の見直しのうち、所得税減税に関しては、物価上昇率や名目賃金上昇率等を考慮し、基礎控除、給与所得控除等の額を引き上げるなど、国民民主党案に修正します。第二に、ガソリン減税を実施します。トリガー条項の凍結を解除し、いわゆる暫定税率、二重課税を廃止することで、ガソリンや軽油価格の大幅な値下げを実現します。第三に、消費税の減税を行います。安定的に賃金上昇率が物価上昇率より二%上回る状況の実現、維持に向けて、当分の間の措置として消費税率を一〇%から単一税率の五%へ引き下げつつ、これに伴いインボイス制度も廃止します。第四に、法人の投資に係る税の減税を行います。投資額以上の償却を認めるハイパー償却税制の導入や、少額減価償却資産特例の上限額の引上げを行います。第五に、賃上げ減税の拡充を行います。税額控除額の引上げや価格転嫁等の取引条件を改善した企業等への適用拡大、赤字法人も対象となるよう、減税項目を法人事業税、固定資産税、消費税に拡大します。第六に、農林水産業への多角的な支援を行います。農林水産関連の物価高騰対策、それに伴う適正な価格転嫁支援や所得補償を行います。第七に、年少扶養控除を復活し、所得制限を撤廃します。子育てに係る経済的負担を改善するためにも、各種子育て支援制度の所得制限撤廃と拡充、年少扶養控除の復活を行います。第八に、介護、看護、保育従事者等のケア労働者の賃上げです。政府は生産性向上による介護事業者の経営効率化によって処遇改善につなげるとしていますが、生産性向上の効果を待つ余地はありません。介護人材等の賃上げが適切な水準となるよう、早急に予算措置を講じるべきです。以上が、国民民主党・無所属クラブの編成替え動議の概要であります。委員の皆様におかれましては、真に国民生活を支える本動議に賛成していただくことをお願いしまして、提案理由説明といたします。ありがとうございました。(拍手)

○小野寺委員長 これにて両動議の趣旨弁明は終了いたしました。これより討論に入ります。令和五年度補正予算両案及びこれに対する撤回のうえ編成替えを求めるの動議二件を一括して討論に付します。討論の申出がありますので、順次これを許します。佐藤英道君。

○佐藤(英)委員 公明党の佐藤英道です。自民党、公明党を代表して、令和五年度補正予算案について、賛成の立場から討論をします。賛成理由の第一は、長引く物価高から国民生活を守り抜く予算だからです。燃料油価格の激変緩和措置は来年四月末まで、電気代、ガス代の負担軽減策は来年の五月末まで、それぞれ継続されます。さらに、地方自治体が実施しているLPガスの負担軽減策や学校給食、教材費の抑制など、各地の実情に応じたきめ細かな対策を継続するとともに、物価高の負担感が特に大きい低所得世帯に対する七万円の給付金を支援するため、重点支援地方交付金を一・六兆円追加交付いたします。補正予算成立後、支援が一日も早く皆様方に届けられるよう、迅速かつ実施に万全を期していただきたいと思います。賛成理由の第二は、真に物価高を乗り越え、日本経済が成長型経済へ転換するためには、物価高を上回る賃上げ、所得向上の流れをつくることが最も重要であります。そのための施策が数多く盛り込まれているからであります。中小企業の生産性向上を通じた賃上げを後押しするため、中小企業省力化投資補助事業を新たに立ち上げ、既存基金の活用と併せ、五千億円規模の支援を行います。省力化に効果がある汎用製品をカタログから選ぶ方式のため、小規模事業者にも活用していただけるものと期待をしております。このほか、最低賃金の引上げを支援する業務改善助成金など、数々の補助制度が盛り込まれているほか、中小企業の適切な価格転嫁を促進するため、価格交渉や取引の実態調査を行う予算も計上されております。また、公定価格で運営されている医療、介護、障害福祉分野の処遇の改善については、次期報酬改定前の来年二月に実施をされます。さらに、保育士等についても、本年四月に遡って処遇改善をされます。第三の賛成理由は、国民の安全、安心を確保する予算だからであります。防災・減災、国土強靱化対策に約一・三兆円、自衛隊の自然災害への対処能力の強化や防衛力の強化に約八千億円を計上し、予期せぬ事態から国民の命と暮らしを守る予算となっております。このほか、公明党が推進してきた女性特有の健康問題に関する研究、治療の司令塔となる女性の健康ナショナルセンターの創設も盛り込まれました。以上、国民生活を守り、経済再生へのスタートダッシュを切る本補正予算案の早期成立と迅速な執行を求め、賛成討論を終わります。(拍手)

○小野寺委員長 次に、源馬謙太郎君。

○源馬委員 立憲民主党・無所属の源馬謙太郎です。私は、会派を代表して、令和五年度補正予算並びに他会派提出の編成替え動議については反対、我々の会派が提出した編成替え動機については賛成の立場から討論いたします。この間の予算審議では、岸田内閣の問題点が数多く明らかとなりました。相次ぐ副大臣、政務官の不祥事と辞任。岸田内閣を支える与党自民党で発覚した五派閥の政治団体による合計四千万円にも及ぶ収支報告書不記載問題。そして、物価高にあえぐ国民を横目に自らの給与引上げを断行した一方で、まともに精査することなく万博予算の増加を認め、国民に追加負担を押しつける。これまでかたくなに税制措置だと言い張ってきた国民への負担も、ついに防衛増税と認めました。自民党として旧統一教会の被害拡大に加担しておきながら、被害者が求める財産保全は見送り。税収増の還元といいながら、その実態は赤字国債発行による将来世代への負担の先送りだった。などなど、政治に対する信頼を失墜させる事態が相次いだことは誠に残念でなりませんし、今まさに物価高で苦しい状況にある国民の暮らしを踏まえれば、到底許せるものではありません。改めて、岸田内閣には、これらの異次元の失態を総括し、国民の視点に立った責任ある対応をなされることを強く求めます。さて、肝腎の補正予算についても課題が山積していますが、最大の問題は、国民生活を無視したばらまき予算であることです。本補正予算において、物価高対策は必要であるものの、それ以外の水膨れしたばらまき財政出動を実施することは、更なる物価高騰を助長し、国民生活を一層圧迫することになりかねません。しかも、補正予算の編成に当たっては、財政法第二十九条で緊要性の要件が求められているにもかかわらず、来年度の概算要求から横滑りした予算など、明らかに緊要性を欠くものも散見され、予算全体の膨張につながっています。また、三月までに使い切る前提の予備費も、コロナ禍が終わったにもかかわらず、相変わらずたがが外れたままです。今必要なのは、ばらまきではなく、真に支援を必要とする家計、事業者への直接的、重点的支援であり、それを実現するのが我々の会派が提出した編成替え動議です。以上、申し上げたとおり、予算の提出者たる岸田内閣、そして予算そのものについても看過し難い問題が存在することから、我々は、令和五年度補正予算に断固として反対、そして、他会派提出の編成替え動議についても、我々と見解を異にすることから反対いたします。最後に、我々の会派が提出した編成替え動議の実現こそが、現下の物価高を克服し、日本経済を再生するために必要であるということを強くお訴え申し上げ、私の討論を終わります。ありがとうございました。(拍手)

○小野寺委員長 次に、守島正君。

○守島委員 日本維新の会、守島正です。私は、ただいま議論となりました令和五年度一般会計補正予算及び特別会計補正予算の両案について、会派を代表して、賛成の立場から討論をいたします。まず初めに、今般の補正予算案について、財政法上の緊要性の判断基準や多額の基金の積み増し、長期的な効果が薄く、ばらまき色が濃い所得減税、事業者への巨額の補助金等、我が党の考えからすると承服し難い点があることをあらかじめ指摘させていただきます。一方で、政府の主張する経済対策の必要性自体を否定することはできません。総理は、足下の経済状況について、明るい兆しが見られ、デフレ脱却の千載一遇のチャンスを迎えていると述べられています。この時局認識については我が党も軌を一にするところでありまして、政府と手法に隔たりがあるものの、経済対策の総論的な方向性としては、物価高対策に加え、国民の可処分所得を向上させ、需要を向上させるという点で、同じ方角を指していると言えます。また、供給力の強化について、看板政策の名をかりたばらまきでは供給力を強化し得ないと考えておりますが、今般の経済対策では、従前よりも規制改革に力点を置いた記載が見られています。我が党の観点からは踏み込み不足であるものの、ライドシェアについて総理から、観光地や都市部を排除することなく、デジタル技術を活用した新たな交通サービスという観点も排除せずという踏み込んだ発言をいただけるなど、前進した点が多く見られます。政府はこれを嚆矢として規制改革に邁進することを期待しております。大阪・関西万博についても、その開催意義や百六十もの参加国のパビリオンの着工状況、全国的な機運醸成の方向性等を丁寧に御説明いただきました。今後も、国を先頭に、大阪府市、博覧会協会、経済界が一丸となって、必ずや成功に導くべき事業であると考えております。るる述べたとおり、政府の経済対策は、まずは可処分所得を増やすという方針や規制改革への認識等、我が党と立場を共有しており、取組自体は甘いものの、進路は同じ方向を向いております。政府には、今後も、我が党と正面から改革推進の議論を行い、岩盤規制を打破すべきことを要望し、本予算の賛成討論とさせていただきます。(拍手)

○小野寺委員長 次に、斎藤アレックス君。

○斎藤(ア)委員 国民民主党の斎藤アレックスです。私は、国民民主党・無所属クラブを代表して、ただいま議題となりました政府提出の令和五年度補正予算二案について賛成、国民民主党・無所属クラブ提出の編成替えを求めるの動議に賛成の立場から討論を行います。我が国では、記録的な円安の影響で、急激な物価高が進行しており、物価高対策は国民生活と国内経済のコロナ禍からの回復を促進する上で必要不可欠です。また、物価高の影響も重なり、実質賃金の低下が更に深刻となる中、賃上げに資する政策を総動員する必要性もますます高まっています。このような認識の下、国民民主党・無所属クラブは、給料が上がらない我が国の経済、いまだ脆弱な少子化、子育て支援策、農林水産業への支援、ガソリン等の物価高騰に対処し、真に国民生活を支える内容に令和五年度補正予算を変える編成替え動議を本委員会に提出しました。委員の皆様には是非とも御賛同いただくことを重ねてお願い申し上げます。政府提出の令和五年度補正予算二案については、昨年の補正予算同様、緊要性があるとはとても考えられない基金、ファンドの組成や積み増し、予備費が依然として多額に計上されているなど、問題も多く存在しています。政府には、国民民主党も含めて、野党から指摘されたこれらの問題に関して、真摯にそれを受け止め、そして改善することを強く求めます。一方で、先日の衆議院予算委員会において、岸田総理は、トリガー条項の凍結解除に関し、与党と国民民主党との間で検討する考えを表明しました。国民民主党は、今行われている補助金を用いたガソリン価格対策よりも、トリガー条項発動の方が無駄がなく、そして出口戦略としてもふさわしいと考えており、トリガー条項の凍結解除は国民生活に資する必要な政策であると、国民民主党は強くこれまでも実現を訴えてきました。このトリガー条項の凍結解除の実現を期して、つまり、より効果的な物価高対策を更に前に進めていくことを今後一層政府に強く求めていくために、我が党の編成替え動議が否決された場合でも、政府提出の補正予算には賛成をさせていただきます。国民民主党は、対決よりも解決、あくまで政策本位で行動し、国民のためになる政策を実現するとの姿勢を一貫して取ってきました。今後も、改革中道の立場から、国民のための政策を積極的に提案し、政府・与党に実現を迫っていくことを国民の皆様にお誓い申し、私からの討論といたします。ありがとうございました。(拍手)

○小野寺委員長 次に、宮本徹君。

○宮本(徹)委員 日本共産党を代表しまして、補正予算案に反対の討論を行います。第一に、この補正予算案では、物価高騰に苦しむ国民の暮らしを守れません。一回こっきり、遅過ぎる、不公平な増税隠し減税は、国民から選挙目当てと見透かされております。世論調査でも、国民が求める物価対策は、圧倒的に消費税減税です。物価高騰の中、食料品の消費が減り、GDPがマイナスとなりました。食品の高騰でエンゲル係数はこの四十年で最高の水準です。食べるものを減らさざるを得ない深刻な生活苦が広がっております。物価を引き下げる消費税減税に踏み切るべきであります。何よりも重要なのは物価を上回る賃上げです。ところが、人手不足が深刻な介護、障害福祉分野で働く職員の処遇改善は、僅か月六千円、一桁足りません。中小企業、小規模事業者の賃上げの支援策も全く不十分です。第二に、本補正予算案は、物価対策とは全く無縁な、民意に反する税金の無駄遣いがてんこ盛りです。万博会場建設費等に七百五十億円、万博の機運醸成に十億円が計上されていますが、国民世論は建設費倍増の万博を全く認めておりません。保険証を廃止し、マイナ保険証を推進するために、利用率が上がった医療機関への支援金や広告費、システムの改修などに八百八十七億円も計上されています。今ある保険証を残し、税金の浪費はやめるべきです。また、補正予算には、半導体企業など特定企業への巨額の助成を始め多数の基金が盛り込まれております。これらは、「予算作成後に生じた事由に基づき特に緊要となつた経費の支出」とは到底言えず、補正予算に計上することは財政法の趣旨に反します。第三に、憲法違反の長射程ミサイルの大量取得を始め、八千百三十億円もの巨額の軍事費を盛り込んでいることであります。補正後の今年度の防衛省予算は七兆六千億円、民主党政権時から約三兆円増にもなります。沖縄県民の民意を無視して、米軍基地の苦しみをたらい回しにする辺野古新基地建設を始め、米軍再編経費は際限なく膨張し続けています。国民の暮らしそっちのけで、軍拡競争に血道を上げ、緊張を高め合うのは亡国の道です。世界の現状は、絶対に戦争にしない平和外交こそ何よりも重要であることを示しています。今必要なことは、軍拡ではなく、暮らしの支援です。以上、指摘し、反対討論といたします。

○小野寺委員長 次に、緒方林太郎君。

○緒方委員 採決に際して、反対の立場から討論いたします。まず、先般の質疑で時間配分を誤り、六分残して終わってしまいました。種々御配慮いただいた立憲民主党、日本維新の会におわびを申し上げます。さて、今週号の英語誌、ジ・エコノミストには、日本の経済について、膨らんだ希望という題で記事がありました。日本経済の将来に幾ばくかの期待感が述べられておりました。過去十年繰り広げられたアベノミクスという誤った政策から決別しようとしているとき、外からはこういうふうに見えるのだなと思いました。であるがゆえに、今回の補正予算はとても残念です。質疑では取り上げませんでしたが、今の経済政策は、物価を上げること、下げること、いずれを志向しているのかが審議を経てもついぞ分かりませんでした。公債を九兆円も発行して緊要性に欠ける事業に注ぎ込めば、物価は上がります。それをあたかも物価が下がるかのような説明をしているのは滑稽にしか映りませんでした。また、現在の円安から来る日本経済の苦境の理由を探っていけば、公的債務が積み上がっていることにあります。しかし、今回の補正予算をよく見てみると、経済対策部分の財源は公債と予備費の減額です。つまり、全て公債が原資と言っていいでしょう。以前、当会派の福島伸享議員が、決算剰余金を全て防衛財源に振ったため余裕がなくなり、今後の補正は公債頼みになるのではと指摘しましたが、まさにその状況が顕在化しています。未来に幾ばくかの希望が見えている中、基本コンセプトがぶれている予算が出てくるのは最悪です。岸田政権については、長期的な方向性がそれほど悪いわけではないのに、短期的な政策のところで小手先であること、そして、パンとサーカスを提供していれば支持率は上がるだろうという、国民の思いを値踏みするかのような浅薄な考えが見え隠れすること、これらが支持率の下がる原因となっています。国民はよく見ています。そのような思いが透けて見えた瞬間、拒否をされるのです。また、岸田総理は、ここまで、衆議院解散と減税というカードを弄んできました。これらのカードを弄んだ為政者に明るい未来が到来することはありません。今後、少子化対策の政策が固まってくるでしょう。支援金制度では、子育て世帯に手厚く対応し、それ以外の方に御負担をお願いするという形になりそうです。これは、社会全体で子供を支えるという理念そのものであり、もっと言えば、昨年の今頃はやったフランスのN分のN乗税制に似ています。支援金制度を社会保障に上乗せして実施しようとしていることには疑問がありますが、大きな政策の方向性としてはこれ以外に考えられないでしょう。少なくとも、少子化対策の財源を全額公債とする提案をしている政党よりははるかに誠実です。だからこそ、国民に真正面から向き合い、御負担をもきちんと頭を下げてお願いする胆力が必要です。今、政権から聞こえてくるのは、実質的に負担増とならないといった技術的なレトリックで何とかごまかそうとする姿勢です。それが国民に嫌われているのだということを理解し、増税何とかとか批判されることにびくびくせず、威風堂々とした姿勢に転換されんことを期待し、反対討論といたします。ありがとうございました。(拍手)

○小野寺委員長 これにて討論は終局いたしました。これより採決に入ります。まず、斎藤アレックス君提出の令和五年度補正予算両案につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議について採決いたします。本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○小野寺委員長 起立少数。よって、斎藤アレックス君提出の動議は否決されました。次に、藤岡隆雄君提出の令和五年度補正予算両案につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議について採決いたします。本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○小野寺委員長 起立少数。よって、藤岡隆雄君提出の動議は否決されました。次に、令和五年度一般会計補正予算(第1号)、令和五年度特別会計補正予算(特第1号)の両案を一括して採決いたします。両案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○小野寺委員長 起立多数。よって、令和五年度補正予算両案は、いずれも原案のとおり可決すべきものと決しました。お諮りいたします。ただいま議決いたしました令和五年度補正予算両案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小野寺委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。